犬、猫ともに注意したい病気

ペット 犬猫各種混合ワクチン

こんにちは。えたばりゅです(^^)
お家に犬猫のペットを飼っていらっしゃる方は、ペットたちの健康の為、動物病院などでワクチン接種をしていただいていることと思います。ワクチン接種は単一接種よりも、安価で済ませることが出来、なおかつ一度に複数の病気を予防できる混合ワクチンを選択されておられる方がほとんどだと思います。

この混合ワクチン、犬なら2種や8種など。猫なら3種や5種などの選択ができますよね。でも、この2種やら5種が大事なペットたちのどんな病気を防いでくれるか、これはあまり知られていないのではないでしょうか。今回はこの混合ワクチンが、いったいどのような病気を予防してくれるのか。ご紹介したいと思います。

2種混合ワクチン

予防できる病気
犬ジステンパーおよび犬パルボウィルス感染症

犬ジステンパーウィルス感染症

まず初期症状として、目ヤニや鼻水が見受けられ、40度前後の発熱が生じます。それに伴い、元気・食欲がなくなり咳やくしゃみ、嘔吐や下痢などの症状が出てくるようになります。

重症化すると、重度の肺炎・麻痺・痙攣を伴います。また網膜剥離など目の方の症状が出ることもあり、この場合、命にかかわることが多いです。

犬パルボウィルス感染症

激しい下痢や嘔吐を伴う感染症です。下痢や嘔吐が激しいと脱水症状を起こし、脱水状態が長く続くとショック状態に陥ります。
仔犬の時にだけ注意を払えばよいと思っていらっしゃる方もおられますが、成犬にも感染・発症はしますので予防は不可欠です。

5種混合ワクチン

予防できる感染症は上記2種混合ワクチンに加え、犬伝染性肝炎、犬伝染性喉頭気管炎、犬パラインフルエンザ

犬伝染性肝炎(犬アデノウィルスⅠ型感染症)

肝臓に炎症を起こす病気で、重症化すると痙攣・昏睡状態になり時には脳炎も発症します。また、鼻血や皮膚の点状の出血を伴うこともあり、ワクチン接種をしていないと致死率の高い病気です。また、仔犬時の感染も命にかかわることがほとんどです。

犬伝染性喉頭気管炎(犬アデノウィルスⅡ型感染症)

感染すると咳やくしゃみなどの症状がみられ、この感染症単独ですと、致死率自体は高くないですが他の感染症と複合感染するとかなり危険な状態になります。これがもとで重度の肺炎を発症することもあります。

犬パラインフルエンザ

重度の咳や発熱などを伴う感染症です。気管支炎や肺炎を併発することもあり、そうなると死亡してしまうケースもあります。特に体力のあまりない子犬や老犬などは注意が必要です。

8種混合ワクチン

予防できる感染症は上記5種混合ワクチンに加え、犬コロナウィルス感染症、犬レプトスピラ感染症(2種)

犬コロナウィルス感染症

下痢、嘔吐、食欲不振などが見られ、時に便に血液が混同することがあります。成犬の場合は感染しても症状が出ないこともありますが、仔犬に感染した場合、症状は重篤化し、脱水を併発するなどして命にかかわることが多いです。

犬レプトスピラ感染症(2種)

上記のとおり、2種類の菌が存在します。一方は出血型(イヌ型レプトスピラ)でもう一方は黄疸型(黄疸出血性レプトスピラ)です。黄疸とは、色素の異常から皮膚などが黄色く変色することで人だけの症状でなく、犬や猫のペットにも症状が表れます。

出血型は40度前後の発熱や角膜の充血、血便、嘔吐を伴い重篤化すると脱水や尿毒症を起こし、死亡してしまいます。

黄疸型は黄疸、嘔吐、下痢などを伴い出血型よりも症状は重くなる傾向があります。その症状が強い場合、発症後数日、ひどい場合は数時間で命を落とすケースがあります。

ただ、発症すると非常に恐ろしいですが感染しても症状が出ないケースも多く、自然に治癒することもあります。
しかし、この場合長期間に及び尿に交じって菌が排出されますのでこれにほかの犬が触れるとその犬に感染してしまいます。

狂犬病ワクチン

こちらは、上記各種混合ワクチンと違い、年に一度の接種が法律で義務付けされています。ですので、各種混合ワクチンとは別にこの狂犬病ワクチンは接種していただく必要がございます。
接種される際にご留意頂きたい点は、混合ワクチン接種と狂犬病ワクチンを接種する期間は犬の健康を考えますと、間1か月は期間を設けていただいた方がよろしいかと思います。

3種混合ワクチン

予防できる病気
猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペス)、猫カリシウィルス感染症、猫汎白血球減少症

猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペス FVR)

ヘルペスウィルスが影響する猫風邪の一種です。感染すると下痢、発熱、嘔吐、食欲不振などの症状が表れます。猫パルボウィルスほど凶悪性は高くないですが肺炎や脱水を併発し、死亡するケースもあります。
特に生後6か月以内の仔猫は病状が急激に進行することも多く、注意が必要です。

猫カリシウィルス感染症(FCI)

カリシウィルスが影響する猫風邪の一種です。主な症状はくしゃみ、鼻水、発熱など。冬に感染することが多いです。前述の猫ウィルス性鼻気管炎に比べると軽症で収まることが多いですが、稀に肺炎を併発するケースもあり、死亡してしまう場合もあります。

猫汎白血球減少症(FPL)

別名:猫ジステンパー、猫パブロウィルス感染症、猫伝染性腸炎。
別名の方を耳にしたことのある方の方が多いのではないでしょうか。猫にとって凶悪極まりない感染症の一つで、感染力も非常に強大でウィルスそのものの生命力も極めて高いです。


病名の通り、体内に入ってきた病原体などを撃退する白血球の数は異常に少なくなってしまいます。その結果、抵抗力が極端に下がり、他の病気との合併症が起こりやすくなってしまいます。

発症すると激しい嘔吐や下痢を繰り返し、脱水して衰弱していきます。早期発見、治療が実現できれば死亡する確率を低くできますがこのウィルス自体を撃退する薬は今のところ存在せず、仔猫や老猫など体力的に弱い個体が感染してしまった場合、僅か1日で死亡してしまうこともある恐ろしい病気です。

4種混合ワクチン

予防できる病気は上記3種混合ワクチンに加え、猫白血病ウィルス感染症

猫白血病ウィルス感染症(FeLV)

猫白血病ともいいます。こちらも猫にとって凶悪性の高い感染症で、発症すると持続感染(キャリア)となり治療で根絶することが出来ません。感染するとその多くの個体は発症してしまい、5年以内に死亡してしまう事が多いです。キャリアのまま、一生暮らす猫もいたり中には忽然とウィルスが消えることもありますがその確率は高くありません。

発症パーセンテージを少しでも抑えるために

これは、猫エイズなど他のキャリアでも同じですが、感染が認められれば、出来る限りストレスフリーにすることが重要です。感染すると駆逐できないのであとは、発症する確率をできる限り抑えることが大切で、猫にストレス負荷がかかったときに発症する確率が高いことがわかってきています。

5種混合ワクチン

予防できる病気は、上記4種混合ワクチンに加え、クラミジア感染症

クラミジア感染症

クラミジアというウィルスでも細菌でもない病原体が影響する感染症です。このように聞くとかなり不気味ですが、有効な抗生物質も存在し治療が可能な感染症です。ただ、重症化すると肺炎を引き起こし死亡することもあります。症状として目の腫れを伴う結膜炎、鼻水、くしゃみ、を伴います。

豆マメ知識:ウィルスと細菌の違い

まずウィルスは単一では生きていくことが出来ません。人などの動物の細胞の中でのみ生存が可能です。対して細菌は水や栄養分さえあれば生きていくことが可能です。

そして、細菌は抗生物質が効力を発揮しますが、ウィルスに対しては効力を発揮できません。ウィルスが効くのが細菌。利かないのがウィルスと言えます。

7種混合ワクチン

予防できる病気は、上記5種混合ワクチンに加え、カリシウィルスの型(2種)を加えた感染症

カリシウィルス(再び)感染症

上記のように、カリシウィルスには人のインフルエンザのように型が存在します。上記の5種までの混合ワクチンですと、1種類のみのかりしウィルスに対してでしか、効力を発揮できないですがこの7種を接種することによってあと2種のカリシウィルスに対して効力を発揮することが出来ます。

猫のワクチン接種に関して

猫のワクチン接種は2~3年ごとで良い。そんなことを耳にしたことがある方もおられるのではないでしょうか。これ、なぜこのようなことが言われ出したかというとアメリカの動物病院協会がこのように発表した経緯があるんです。

犬の方は、その副作用などの問題から接種間隔を見直す獣医さんが出てきているようなのですが、猫の混合ワクチンは日本では1年に一回の接種を推奨としています。

ではこの違いはなぜかというと、猫の混合ワクチンの接種率に違いがあるんです。アメリカでは猫の混合ワクチンの接種率は50%を超えております。かたや日本のワクチンの接種率は約20%ほど。

国のウィルス汚染率にそもそもの違いがあるんですね。やはり、抗体を持った個体が50%以上の国と20%行くか行かないかの国ではウィルス自体の蔓延率が違い、それだけ他の猫との接触によって感染する危険が高いと言えますよね。
後、日本では2~3年の接種期間でその効力が十分に発揮されるかどうかがはっきりと実証されていないという理由があります。

では、完全室内飼いの状況ではワクチン接種の必要はないのでしょうか。残念ながら、そうはいかないんです。

猫の混合ワクチン接種の必要性

なぜかというと、完全に外界をシャットアウトし、お家から出ない。
そんな飼い主様、おられませんよね。
そのような世捨て人的な方は、おそらくおられないかと思います。

どういうことかというと、ウィルスの種類によっては強靭な生命力を持っており、他の猫を触ったり、近くを通った飼い主様の衣服に付着し、そのまま家へと運ばれるケースがあります。

それを防ぐには、飼い主様がご帰宅前に衣服を脱ぎ捨てる事。・・・できないですよね。さすがに^^; それにその下に何も着用していなければ警察のお世話になってしまう可能性もあります。

余談になってしまいましたが、このように完全にウィルスの侵入を防ぐことは非常に困難なので接種をしていた方が猫たちの健康を守れる可能性はやはり、高まると思います。

終わりに

ただし、ワクチンというのはその病原体を無毒化、もしくは弱体化したものから作られています。無毒化ならまだしも、弱体化。ということは弱まっているとはいえその毒が健在なものもあります。

ゆえに副作用が生じたり、体内の過剰なアレルギー反応によってアナフラキシーショックを併発し、最悪の場合命を落としてしまうケースもあります。また、ワクチン接種をしたから絶対にその病気にはかからないかというと、残念ながらそうではありません。

予防率は高い反面、このようなリスクもあるという事を知っていただけるとうれしいです。

ですので接種に関しては、かかりつけの獣医さんとよく相談の上、どの種のワクチンを接種させるのがよいかなど綿密に相談したうえで、接種するようにしてくださいね。

今回も最後まで、読んでいただきありがとうございます(^^)

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