えたばりゅコラム

動物園と水族館の重要な役割と解決すべき問題

はじめまして。えたばりゅです。こちらのブログでは動物関連の記事をふんだんにご用意しております。至らない点多々あるかと思いますが、是非ぜひゆっくりしていってくださいね。

さて、記念すべき第一回目は動物園や水族館が私たちにとって重要な存在であるということと、そして、こういった生き物を展示飼育している施設が抱えている問題について御紹介していこうと思います。なんで、アニマルシェルターに勤務していたヤツが、動物園や水族館の擁護をするのか。と思われるかもしれませんが、重要と考えるその理由も、しっかりお伝えさせていただいておりますゆえ、良ければ最後までお付き合いいただけましたらと思います。

動物園や水族館が私たちにもたらす重要な役割と問題点とは!?

まず動物園や水族館などの動物関連のテーマパークに対する一般的なイメージについて、プラスイメージとマイナスイメージに分けてみました。

動物園や水族館に対するプラスイメージ

  • 普通に生活していれば絶対に会うことの出来ない世界の様々な動物・水生生物に会うことが出来る。
  • 可愛らしい動物達や水中を優雅に泳ぎまわる水生生物などを見ていると癒される。
  • 動物や水生生物など、その種類によっては直接触れ合うことが出来る。など

動物園や水族館に対するマイナスイメージ

  • 囲われた生活で動物たちに自由がない。
  • 命を見世物にしている。
  • におう。

など。

ざっとですが、こんなもんでしょうか。確かに動物園や水族館は、生き物達にとって大自然のような自由はなく囲われた生活で、餌も自由な時間に食べる事はできず管理された生活といわざるを得ません。ただ、僭越ながら個人的に思うに動物園や植物園、水族館には私たちが絶対に忘れてはいけない感情を育んでくれる、大変重要な役割を担っていると思うんです。

動物園や水族館が私たちにもたらしてくれるその超重要な役割とは

私は幼少期の頃、よく両親や叔父に連れられ動物園や水族館に通っていました。そのようなこともあり、動物が好きになりました。そして小6のとき、初めて犬を飼いその愛犬と共に成長し、その愛犬が17年の寿命を終えるとき、命の大事さというものが強烈に心に刻み込まれました。その愛犬(チロといいます)が私に他の命を大事にし、思いやる心と命の大切さを自分の命が尽きるときに身をもって教えてくれました。

もし、幼少期の頃動物園や水族館に行くことが学校の遠足くらいであったなら、さほど犬を飼いたいとは思わなかっただろうし、飼っていなかったかもしれません。ですので、幼少期のような様々なものを吸収して育つときに動物園や水族館など、他の命を目のあたりにすることは、自分以外のものにも思いやりを持ち、その命を尊重する心を育てるきっかけということでは、最近特に殺人事件などの重大な事件が猟奇性を増す中、非常に重要なことではないのかと個人的に思うわけでございます。

進む動物たちの生活環境の改善

そして、最近では動物園や水族館側も動物達が囲われた生活の中でも、できるだけ本来の生活に近いような生活が出来るよう、生活環境づくりを進めておられます。私が子供の頃でしたら狭いコンクリートの折の中で、動物達があからさまにストレスを抱えたように右へ左へと動き回っている様子がよく見られました。

ですが、少し前に私の地元の動物園である、神戸市立王子動物園で暮らすユキヒョウのティアン君が急死したとのニュースをヤフーニュースで拝見し、そのティアン君に手を合わせるため、久しぶりに動物園へ訪れた際、獣舎に工夫が凝らされていることに驚いたのをおぼえています。

そう、檻というよりは獣舎という印象を受けました。そして内部の造りも、ただ単に四角いコンクリートの無機質な感じのものではなく、コンクリートには変わりないのですが、動物達が少しでも運動できるよう岩山に似せて造られていたりと一昔前の環境に比べるとずいぶんと改善されているのが分かりました。
ただ、その反面昔と比べると動物の種類が減少しているような気がしました。

公的機関の動物園、水族館が抱える新たな問題点

動物園や水族館が抱えている入場料などの問題。これは私も前々から思っていたところで。

ただ、全てに当てはまるものではなく、市などの公的機関が運営する動物園にだけ顕著に表われている感じがするんですよね。気になったので近畿圏(二府四県)の動物園・水族館などの動物がいるテーマパークなどの一般入園料を調べてみました。

神戸市立王子動物園600円

姫路セントラルパーク :3,100円

神戸どうぶつ王国:1,500円

神戸市立須磨水族園1,300円

城之崎マリンワールド:2,470円

姫路市立水族館500円

大阪市天王寺動物園500円

池田市五月山動物園無料

みさき公園:1,350円

大阪海遊館:2,300円

エキスポシティ NIFREL(ニフレル)1,900円

京都市立動物園600円

京都水族館:2,050円

アドベンチャーワールド:4,100円

和歌山公園動物園無料

志摩マリンランド:1,400円

鳥羽水族館:2,500円

※各施設、価格については2016年12月現在での一般の入園料になっています。詳しい入園料等お知りになられたい方は施設名をクリック・タップしていただけますと各施設のホームページをご覧いただけます。

いかがでしょう。ちなみに価格帯が赤い字で記載しているところは公的機関が運営する施設になっていますが、その差は一目瞭然といえます。須磨水族園以外は入園料は500円~600円。民間経営としては近畿二府四県の中で一番安価である、みさき公園と比べても2倍強ほどの価格差があり、五月山動物園と和歌山公園動物園においてはなんと、無料になっています。民間経営の施設が軒並み1,000円以上の入園料と考えると裏を返せば、民間経営の施設の価格帯くらいでなければ、維持なども含め経営としては難しいということになるのではないでしょうか。

神戸市立王子動物園と神戸動物王国を比べてみる

では、私の生息地である神戸市にある2つの動物園の来場者数を比べてみましょう。まず比べる時期は実数が確定している2014年の数字。年間来場者数が王子動物園は約117万人に対し、神戸動物王国は約48万人。

この数字はそれぞれ、総合ランキング.netさんの動物園入場者数ランキング経済産業省の近畿経済産業局さんからお借りしました。

人数に関しては2倍以上の差が有りますね。でも、ここで忘れてはいけないのが入場料の差。王子動物園が600円に対し、神戸動物王国は1,500円。この数値だけでの単純計算でも入場利用での収益は約200万円ほどの差が生まれています。

そして、さらに各ホームページをご覧いただくとお分かりかと思うのですが、各年代などの入場料待遇も大きな差があるかと思います。王子動物園が中学生以下、65歳以上の方(兵庫県在住に限る)、障碍者の方が無料になるのに対し動物王国は一般に比べ、割引はありますが、無料ということはありません。やはり、施設の特性上中学生以下のお子様は多数いらっしゃることを考えると、入園料の収益がさらに差がつくことは容易に想像できます。
そして、もうひとつ公的機関が運営する動物園にとって大きな問題があります。

競合施設の増加

先ほどご紹介した、神戸花鳥園が神戸動物王国として2014年にリニューアルオープンを実現したり、2015年にはエキスポシティがエキスポランドの跡地に設立されたりと、近年競合施設の増加が目立っています。そして、このような民間の施設はその営業力や集客力も非常に優れており、どんどん新しい顧客を獲得しています。そういう面でも公共の施設は分が悪いでしょう。
公共の機関といえば、行政からの予算分配がありますが、現状その予算の配分もあまり芳しくないところが多いようです。

対策

もちろん、公共が運営する動物園側もただ減少を見ているだけではなくて、獣舎の改善をして動物がアクティブに過ごす様子を来客に見せたり、各動物を応援しようと銘打ってその対象の動物達が暮らすために必要な費用を寄付金で募ったりと、色々と対策はなされているようです。ただ、勢いを増す少子化や上記に挙げた問題等でなかなか苦戦しているのが現状のようです。

では、どうすればいいか。私が思うに予算を増やすのが一番の方法ではないかなということです。もちろん、予算が増えるということは私たちにかかる税金が増加する可能性もあります。ただ、動物園や水族館が教育機関的役割を果たしている以上、それに見合うだけの予算は分配するべきではないのかなと思うんです。

動物園や水族館にいる生き物達が、わたしたち人間に必要不可欠な感情を育む手伝いをしてくれているのであれば、私たち人間もそれに見合う待遇をするべきなのではないかというところでしょうか。もちろんその増額した予算は、動物達の生活環境を豊かにしたり、その維持に使用していただくことが絶対条件ですが・・・。

さしずめ、公共機関が運営する動物園や水族館で暮らす動物たちが自分たちの施設の入園料を知るとこうなるのではないでしょうか。





シェルター野郎が動物園や水族館が必要と思う理由

なぜ、自然環境にいる動物達を囲われた敷地内で閉じ込めるような施設をアニマルシェルターに勤めていた私のような人間が必要というかというと、その理由は2つあります。

1つは冒頭で述べたとおり、動物達が人にとってもっとも大事といえる感情を育ててくれるからということと、もう1つはもうすでに動物達がそこに存在してしまっており、その動物達が暮らしていくためには暮らす場所が必要だからです。

その暮らす場所が動物園や水族館である以上、その場所が維持できなくなると、結局そのアオリをモロに受けるのはそこで暮らしている動物たちです。

自然に帰せばいいと仰る方もおられるかもしれませんが、一度人の手が入ってしまった動物が野生に戻るのは非常に困難です。他の施設に移すとしても移転先にも場所の大きさという物理的な問題があったり、先住動物とうまく相性があうかどうかも分かりません。

ということは、やはりそこで暮らせる環境が必要不可欠ということになってきます。

おわりに

ぶっちゃけ理想論だけ言ってしまえば、動物達が自然に限りなく近い環境で、人に見られるストレスを全く感じることなく、暮らしている姿を人間が観察できる環境を構築してしまうこと。なおかつ、現状の入場料のラインで。

・・・今の技術の粋を集めたとしても現実そんなことは不可能ですよね。

でも、今の私たちにも出来ることはあると思います。パンダたちが暴動を起こす前に何とかしてあげないといけないですよね。例えば月に一度は公共機関の動物園や水族館に通うとか。このようなすばらしい勉強をさせてくれている動物達に少しでもwinなモノを提供できればなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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