えたばりゅコラム

動物保護施設も人手不足

こんにちは(^^)えたばりゅです。

最近は建築業界や、モノづくりなど職人業界において深刻な人手不足が取りざたされておりますが、それは動物保護業界にも同じことが言えます。

そこで今回は、以前勤めていたところから、動物保護施設が抱える人手不足の問題についてご紹介させていただきたいと思います。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

動物保護施設における人手不足

では、まずその人手不足に陥っている原因から、探ってみたいと思います。

動物保護施設が抱える人手不足とその原因

動物保護施設が人手不足に陥るその原因として、考えられる主要なものをあげてみたいと思います。

場所

動物保護施設というからには、当然動物たちが暮らしております施設であり、動物が発するものとしてまず鳴き声。

その規模によって強弱はありますが、少なからずとも鳴き声というものはほぼ終日しているものでございます。一頭のみの飼育の方でも時にその鳴き声によってご近所とのトラブルになる可能性がある今現在の日本の住宅環境。

それが、数十頭、数百頭ともなるとその音量はかなりのものになることが容易にご想像いただけるのではないでしょうか。

そして、もう一つの問題がにおい。もちろん、こういった匂いというものは衛生面にも直結するものであり、施設でも非常にデリケートに注意を払っているところであります。しかしながら、その規模が数百頭ともなると、どうしてもいわゆる動物臭というものは発せられてしまうもの。

そういったこともあり、街中での施設の運営ということは難しく、街中での運営を実現させようとすると、完全防音で匂いが外に漏れないようにする空調設備の完備などを備え付ける必要があり、コスト面を考えても非常に膨大なものになってしまいます。

そして、何よりそういった環境の実現となると室内での環境となるわけでございまして、そのような環境が必ずしも動物たちが暮らすにベストな状態かといえば、やはりそういったこともなく。

そして、鳴き声云々の以前の問題として、犬や猫が数百頭衛生的に収容できる場所を確保するには街中の土地代などを考えましてもあまり現実的とは言えませんよね(^^;

そういったこともあり、こういった民間の動物の保護施設というものは、かなり山深い場所

ということになります。となれば、その施設に勤めるスタッフの勤務地も当然ながら、山の奥ということになり、そういった環境は必然として交通の便が悪いのはもちろんの事、街中であれば数百メートルあるけば当たり前のようにある、コンビニも車で数十分走らせないとないことはざらにあるわけでございまして。

また、仕事終わりに「ちょっと一杯(*´ω`*)」といっても、車で通わなければならず、当然ながら飲酒運転で厳しく罰せられることになります。

といったような、勤務地の場所の問題でスタッフが長期間続かないというところが第一の問題として掲げられるところであります。

いわゆる、3K問題

3K・・・。といっても、ご覧いただいております方の中にはあまりピンとこない方もおられるのではないでしょうか。こちら、TVの性能を表しているものでなく、ある不名誉な労働条件の頭文字を取ったものでございます。その労働条件とは

  • キツイ
  • キタナイ
  • キュウリョウヤスイ

といったもの。こちらの3つの労働条件の頭文字の「K」を取って、3K という言葉が存在するんです。

現在、一昔前に比べると動物保護施設というものが、メディアでも度々クローズアップされるようになり、その甲斐あってか動物保護施設で働きたいという若者も増えております。現に企業説明会などで動物関連の専門学校にお伺いすると、動物保護施設のブースは嬉しいことにまずまずの人気を頂いております。

しかし・・・

やはり、実際入ってみると、続かないんですよね。

もちろんこちらも、面談の時などに申し上げますよ。

「マジでキツイから。脅しでも何でもなく、こうこうこういう理由で、ホンマにしんどいところですよ?」

と。

しかしながら、その動物保護施設という職の特性上、その時は皆様使命感に燃えてらっしゃる方がほとんどなので、耳に入らないんですよね。

「ジブンはダイジョブです(; ・`д・´)」

っておっしゃっていただけるんですが、やはり実際に入り実際にその仕事をしてみると、それが重くのしかかってくるのだと思います。もちろんそれを悪いといっているのではなく、こちらがその激務を伝えきれていないところと、それでも続けていけるという職場づくりが、まだ熟成されていないところに問題があるところであると思います。

あ・・・書きながら、3K じゃないな・・・ 4K だわ。。。

と一つ忘れておりました。もう一つの「K」は

  • 拘束時間の長さ

どうしても、命を相手にしておりますので、定時で仕事が終了することはほとんどなく、その勤務時間における、拘束時間は必然的に長くなってしまいます。辺鄙な場所にあり、おまけに拘束時間も長いとなると、プライベートの時間はかなり削られてしまうといっても良いかと思います。

まぁ・・・ほかにも人手不足が続く点はあるかと思いますが、この2つの原因が大きな要因といえるでしょう。

では、解決策は?

解決策・・・。あるのかな~~・・・(T▽T) なんて思ってしまったのは内緒で、これはやはり、比較的解決しやすいところを攻めていくしかないかと思います。場所に関してはやはり動物たちのストレスの状態を考えると、より自然に近い環境であることが必須になります。

ですので、交通の便が悪いという条件は現状では解消が難しい問題。となれば、3K・・・じゃなかった 4Kをせめてどれか一つでも解消すること。その中で、人が一番操作しやすいものは、やはり「給料安い」というところになるかと思います。

如何な使命感を燃やした屈強な精神をお持ちの方でも、自らの生活を成り立たせるためには、「社会」という枠組みで暮らす限り、どうしても必要になってきます。もちろん生活ができないということはないのですが、少しランクを上げた生活というものは難しいのが現状。同年代の友人などと集まれば、当然出てくる話というのが「お給料」のお話。

その差額に愕然とする方もいらっしゃると思います。そういったいわば「ジャブ」が少しずつ、しかし重く積み重なり、ついには離職。

というところでしょうか。

この問題は本当に難しいところであるかと思いますが、給料に充てる別の財源の考案、そして施行ということが、この問題を解消する今現在ある唯一の手立てであるかなと考えるわけでございます。

最後に

いかがだったでしょう。今回は動物保護施設も例外なく抱える、人手不足というところにスポットを当ててご紹介させていただきました。最後に申し上げた、別の財源の確保。こちらに関しても、「じゃ、その案で行ってみよう(^^♪」というような安易なものではなく、当然リスクも伴います。ただ、今のままでは負のスパイラルから抜け出すことは難しく、少し思考を巡らせることがこの動物保護施設という業界でも、必要な時期に迫られているといえるのではないかと考える次第でございます。

働く。ということは、決して楽ではないもの。しかしながら、運営の大元は人材であることは動物保護施設でも何らほかの職種と変わるところではありません。しっかりとこういった問題を解消すべく、これからも精進していかなければというところですね。では今回はこのあたりで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

-えたばりゅコラム