こんにちは(^^)えたばえりゅです。
今回はレプトスピラという感染症についてご紹介させていただこうと思います。
あまり聴きなれない感染症ですが、実際最近でも2017年の10月ごろに、兵庫県の猪名川という一級河川が感染場所と考えられる事例があり、河川敷を散歩中だった、付近の飼い犬がレプトスピラに感染して命を落とすという、痛ましい出来事がありました。
是非その恐ろしさを知っていただくためにも、今回の記事も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
甘く見てはダメ レプトスピラ症
レプトスピラ症とは、ある種の病原体が原因となる感染症で、多くの哺乳類が感染します。
その中にはもちろん人も含まれており、感染後の症状については、その種によって様々です。(今のところ人から人への感染は確認されておりません。)
レプトスピラ 犬への感染経路とその症状
犬に感染する場合は、ネズミなどのキャリアとなった生き物たちの糞尿が土壌などへと浸透して、汚染されてしまった土壌から口や皮膚などを通り感染します。
犬に感染しても無症状なこともありますが、重症化すると発熱や黄疸、嘔吐、血便などを伴い、今回の猪名川の例のようにかなり高い確率で死に至ります。
ワクチンは存在します(5種・7種など、詳しくは行きつけの動物病院でお問合せください。)が、この菌の恐ろしいところはレプトスピラと一口に言ってもそのタイプは様々で、そのタイプと一致したワクチンを接種していなければ、ワクチンの効果が認められません。また、レプトスピラのタイプも地域によって差異があり、お住まいの地域に沿ったワクチンを接種する必要があります。
ただ上記の通り、レプトスピラ症のワクチンが含まれているのは混合ワクチン接種の5種、7種、9種など。
それ以下の3種などのワクチンにはレプトスピラ症のワクチンは入っておりませんので、3種などを打たれている方は動物病院さんにご相談の上、レプトスピラの単独ワクチンなどを摂取することも検討されてください。
ただ、今回は猪名川流域で感染が発覚しましたが、お住まいの地域によってはレプトスピラ症がほとんど発生していない地域(東北・神奈川など)もありますので、必ずしも接種を推奨するものではないことを付け加えさせていただきます。
レプトスピラ 人への感染経路とその症状
人への感染経路は、主に汚染された河川で泳いだり、農作業や土木作業時など、汚染された土壌や河川に触れることにより感染します。
人に感染すると約1週間ほどの潜伏期間を経て、軽症の場合は悪寒・発熱・筋肉痛などの風邪に似た症状を発症の上、回復しますが、重症化すると、肝臓障害や腎臓障害、全身出血を伴い、死亡率は50%に上る場合があります。
ただ、日本での感染例は1970年代から減少傾向にあります。ただ一定の地域で集団感染が認められたりしておりますので、油断は禁物といえますね。
レプトスピラ 齧歯(げっし)類への感染とその症状
齧歯類においてはレプトスピラ菌に感染しても、無症状になることがほとんどです。ただ、保菌はしてしまうので、キャリアとなり、他の生物への感染経路になってしまうことがあります。下水道工事の方々に以前この病気が多かったのは、こういったことが理由に挙げられます。
ただ、例外なのはハムスター。
ハムスターは感染すると発症してしまい、1週間ほどで死亡する確率が高くなってしまいます。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、ペットにも人間にも危ない感染症である、レプトスピラ症のご紹介をさせていただきました。
ただ、先ほども申し上げた通り、地域によってはほぼ感染例がない地域もあり、ワクチンというのはここでご説明するまでもないかと思いますが、弱めた菌やウィルス自体を体の中に投与し、体内に抗体を作ることを目的としております。
ですので、個体の体調や年齢によっては、体に不調をきたす場合もありますので、焦らず、まずは摂取の必要性なども含め、獣医さんとご相談いただけましたらと思います。
また、犬から人への感染も本当にごく稀なケースになりますので、犬と共に暮らされている方は過剰にご心配なさらずとも良いかと思います。
稀にワクチン接種に反対意見をおっしゃる方もいらっしゃいますが、このようにワクチン接種で死亡するような重篤な感染症を未然に防ぐためのものであると、今一度ご理解いただけましたら幸いです。
では今回はこのあたりで・・・。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。