こんにちは。えたばりゅです。
先日、NATIONALGEOGRAPHIC日本版の記事において、ステラーカイギュウという、近年まで生息していた、大型のカイギュウのほぼ完全な全身骨格が見つかったという、貴重な記事を目にしたので、是非シェアさせていただこうと思います。
おそらく、カイギュウといいましても、ピンとこない方が多くいらっしゃると思いますので、今回はそのカイギュウ類もかねてご紹介したいと思います。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
近年絶滅動物 ステラーカイギュウのほぼ完全な全身骨格が見つかる
こちらはステラーカイギュウの仲間である、マナティーの画像になります
今回そのニュースを発信してくださったのは、NATIONALGIOGRAPHIC 日本版。
まずはこちらの記事をご覧いただけましたらと思います。
絶滅した巨大カイギュウの骨格を発見、ロシア
1768年に絶滅したステラーカイギュウ、体長7m超える個体も
NATIONALGIOGRAPHIC 日本版 NEWS 環境 2017.11.27 配信記事より
カイギュウとは
上記の記事でカイギュウというのが、どのような動物なのかお判りいただけたかと思いますが、一応念のため、カイギュウという動物がどのような動物なのか。をさらっとご説明させていただきます。
カイギュウとは海牛目(ジュゴン目)に属する、水生哺乳類の仲間で、草食性のおとなしい動物でございます。
水生哺乳類といえば、
- クジラ
- イルカ
- アザラシ
- セイウチ
などといった動物たちを思い浮かべるかと思いますが、ステラーカイギュウはじめ、このカイギュウ類はこういった動物たちよりもゾウに近い動物なんですね。とはいえ、水中を生活の場としているので、その生活に適応して前脚はひれのような形状になり、後肢は退化してしまって(胴体に隠れて)おります。
ステラーカイギュウまさに優しき巨獣
中でも、ステラーカイギュウは、こういったカイギュウ類の中でも大型の部類に属します。その生息地は主に日本沿岸から、カリフォルニア州にまで幅広く生活していたと考えられておりますが、初めて発見された時にはすでに、その生活の場は主にベーリング海のみになっていたと考えられております。
体長は約6m。時に8mに迫る個体もいたと推測されており、体重は約10tを超えることもあったと推測されております。
とはいえ、カイギュウ類の例にもれず、このステラーカイギュウも温厚な性格をしており、食べていたものは専ら海藻類。歯もおおよそ退化しており、海藻を食べてゆったりと生活していたと考えられております。
そんな安息な生活を送っていたステラーカイギュウも、人間がロシアに開拓目的で足を踏み入れた時、その命運は尽きることとなりました。
体は大きいですが、特に防衛手段も持ち合わせておらず、おまけに動きも緩慢であったため、格好の標的にされてしまい、乱獲された末、残念ながら1760年代に絶滅してしまいました。
そんな、ステラーカイギュウですが、現在でもそのステラーカイギュウの仲間が2種ほど生活しております。
今生き延びる、カイギュウ類
こちらはジュゴン。
そして、こちらがマナティー。少し外見に違いがあるのがお判りいただけますでしょうか。
今生き残っているカイギュウは、
- ジュゴン
- マナティー
がカイギュウ類の仲間として生活しており、
現時点ではジュゴン科ジュゴン属のジュゴンと
マナティー科に属する、アフリカマナティー、アメリカマナティー、アマゾンマナティーの2種、4属のみとなります。
一見同じように見えるジュゴンとマナティーですが、主な違いはしっぽの形。
ジュゴンはクジラのしっぽのような形状になっておりますが、
マナティーのしっぽは団扇(うちわ)のような形状になっております。
ジュゴンとマナティーの違いを分かりやすく綴った記事はこちら
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歴史的発見!ステラーカイギュウ ほぼ完全骨格見つかる
こんにちは。えたばりゅです。 先日、NATIONALGEOGRAPHIC日本版の記事において、ステラーカイギュウという、近年まで生息していた、大型のカイギュウのほぼ完全な全身骨格が見つかったという、貴 ...
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そして、ステラーカイギュウとと違い、どちらも温暖な場所で生活しているものの、ジュゴンに関しては海のみでの生活、マナティーに関しては、汽水域や湖、河川でも生活が可能になります。(アマゾンマナティーに関しては淡水でのみ生活)
日本では、沖縄近海でのみジュゴンが少数ながらも生活しており、こちらは諸説あるものの、人魚伝説のもととなった、すなわち、人魚の正体とされる動物としても知られております。
減少する生息数
ジュゴン、マナティーともに現在でも生活しているものの、生息地の破壊や漁業などに使用されている網での混獲などにより、生息数は減少しており、IUCN(世界自然保護連合)が定めるレッドリストではどちらも絶滅が心配される位置づけになっております。
IUCN(世界自然保護連合)が定めるレッドリストは以下のようになります。
そして、沖縄近海に生息しているジュゴンに関しては、環境省の定めるレッドブックでさらに深刻な状況に位置づけをされております。
環境省が定める沖縄近海に生息しているジュゴンにおけるレッドブック
日本のジュゴンに関しては危機的状況といって間違いがなく、手厚い保護が必要とされる状況であります。
最後に
いかがだったでしょう。今回は優しき巨獣、カイギュウ類をご紹介させていただきました。
現在において数が減少しているジュゴンとマナティー。ステラーカイギュウのように、300年後の未来人によって絶滅種扱いされているということは何としても避けなければですね。手厚い保護と生活環境の確保で、将来ジュゴンとマナティーの生息数が回復することを望みながら、今回はこれにてとさせていただきます。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。