こんにちは。えたばりゅです。
今回は、ダイバーさんたちの憧れの的、マンタのご紹介をさせて頂きつつ、その魅力に迫っていきたいと思います。巨大な体がゆったりと海中を進む様はもはや芸術といっても過言ではないですよね。
ではでは、そんなマンタの舞も含めて存分にマンタの魅力をお腹いっぱい味わってくださいませ。
マンタが海中を泳ぐ姿が美麗で優雅すぎる!
マンタは英名を「Manta ray」、学名を「Manta birostris」という、トビエイ目トビエイ科オニイトマキエイ属に属するエイの仲間で、世界中の熱帯・亜熱帯地域の温かい海域に生息しており、主に外洋を好んで生活の場としていますが、時折沿岸海域にも訪れ、日本でも沖縄近辺などでその姿を見ることが出来ます。
日本の標準和名はオニイトマキエイですが、これよりもマンタという、英語名や学名にちなんだ通称のほうが知られていますよね。近年、このマンタに関して、新たな研究結果が発表されて、従来のオニイトマキエイが2種に分かれていることが発見されました。
その一方は新しくナンヨウマンタという標準和名がついており、こちらはこれまで同種とされていましたが、現在はイトマキエイ属に属しています。
マンタはダイバーたちにも非常に人気のあるエイで、またドキュメンタリー番組でもよくクローズアップされているので、その姿はご存じだと思うのですが、マンタの特徴は何と言ってもその巨大な体。
ヒレからヒレまでの幅は約4m、中には9mに迫る巨体の持ち主もいて、エイの仲間の中では最大の大きさを誇っています。
他のエイたちにはない、マンタだけが持つ特徴
マンタは他のエイたちとは違う特徴も持っていて、その巨大な体もそうなのですが、マンタの口は顔の正面についているんですね。これは他の動物たちからしてみれば、さして気にするところでもないのですが、エイという種の中ではかなり珍しく、マンタやイトマキエイの仲間だけが持っている特徴といえます。
なんでマンタだけが、顔の正面に口があるかというと、他のエイたちはカニや貝など、海底にいる生き物を捕食して生活しているので、そういった生き物を捕食しやすいよう、口が裏面についているんですね。それに対して、マンタはジンベエザメザメやヒゲクジラなどと同じく、プランクトンを主食として食べているんです。
プランクトンは海底でなく、海中を漂っているので、そのプランクトンを食べやすいよう、マンタの口は顔の正面についているんです。
普段はゆっくりとした速度で海中を移動するマンタですが、エサとなるプランクトンを発見すると、スピードを上げ、大きな口を目いっぱいあけて、海中を旋回しながらプランクトンを海水ごと口に入れ、エラでプランクトンのみをこしとって、食べているんです。
泳ぐというより舞うようなその優雅な姿
エイの仲間は、特殊な体の構造をしていて、胴とヒレが一体化したような姿をしており、その大きなヒレを上下に動かして、海中を進むのですが、マンタも他のエイたちと同じくこのようにして海中を進むんですね。ただ、マンタは体が巨大な分、その泳ぐ姿も非常に優雅で、泳ぐというよりも海を舞うという風に形容したほうがしっくりとくるような感じなんです。しかしその反面、海面から勢いよく飛び出してジャンプしたりする、そんなアクティブな一面も備えています。
海面からジャンプする(ブリーチング)理由としては、体についた寄生虫を落とすためなど、様々な説が提唱されておりますが、これについてはまだ確証はなく、現在も議論が進められております。
このように、時にはアクティブながらも、その主食はプランクトンであったり、ゆったりと舞うように泳ぐそのイメージに違わず、性格も非常に温厚なんです。また、マンタは体が大きく、外敵もほとんどいないため、大きな体自体が自衛となるので、他のエイたちが自衛のために持っている毒針も、持っていないんですね。
この為、世界中のダイバーのあこがれの的になっています。
こちら、マンタが海中を舞うように泳ぐ姿。
いかがです?めっちゃ優雅でしょ。これは見ちゃったらもう、誰でも一緒に泳ぎたいって思ってしまいますよね。
このように、人々を魅了してやまないマンタなのですが、現在その生息数は心配な状況なんです。
マンタの生息状況
マンタは最近の研究で、あまり長距離を移動せず、地域ごとの個体群で繁殖をしていることが段々と明らかになっているのですが、それは遺伝子的にも限定的になる可能性があるんですね。また、元々マンタは一度に出産される頭数も1~2匹とかなり少なく、一度数を減らしてしまうと、回復するのには非常に長い時間がかかるとされているんです。
そして、最近では東洋医学の薬剤的見地からマンタのヒレの部分の需要が高まっていて、近年東南アジア東アフリカを中心にマンタの捕獲と商業利用が高りつつあり、漁業の混獲なども影響して、生息数がかなり減ってきているんです
こういったこともあり、IUCN(国際自然保護連合)ではマンタ、イトマキエイは(EN)絶滅危惧Ⅰ B類、ナンヨウマンタは(VU)絶滅危惧 Ⅱ類にランクされており、保護の必要性が訴えられております。
マンタとイトマキエイの保全ランク。
そしてこちらがナンヨウマンタの保全ランク。
手遅れになってしまう前に、早い目の対策を望むところでありますよね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、海を超絶美しく舞うマンタをご紹介させていただきました。それにしても、動画ですら、この惚れ惚れするようなマンタの舞。もし実際にこの目で見たらかなり圧倒されてしまうでしょうね。
僭越ながら、私ももしマンタがしばしの同行を許してくれるのであれば、是非一度一緒に泳いでみたいなと思っている今日この頃。
是非ゼヒ、こんな優雅なマンタ、これから先も安定して海中を待ってほしいですよね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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