犬、猫ともに注意したい病気

元動物保護施設スタッフが教える 低体温症に注意すべき犬、猫と発症した時にできる応急処置

こんにちは。えたばりゅです。
いや~~・・・寒くなりましたね。。。朝晩はもとより、日中も日がかげると一気に寒さが襲ってきます。

街を歩くと、マスク姿の方も多くみられるようになってきており、この不安定な気温で体調を崩されている方も多いのかもしれませんね。

冬の注意すべき病気といえば、やはりインフルエンザが真っ先に思い浮かびますが、もう一つ注意しないといけないのが、低体温症。

そして、低体温症は人間だけでなく、犬や猫ももちろん発症する病気になります。そこで今回は、その種類や年齢から、特に低体温症に注意が必要な犬猫のご紹介と、万が一低体温症を発症した場合、動物病院に連れて行く間にできる応急処置をご紹介しております。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

愛犬・愛猫も要注意!低体温症注意報

低体温症をざっくりと説明すると、私たち人間などの哺乳類をはじめとする、体温を一定に保つ機能を備えている種、いわゆる恒温動物がかかる症状で、深部体温(主に直腸温度)が一定以下になり発症する症状になります。

ちなみに恒温動物であれば、いずれも低体温症にかかる危険性があり、それは犬猫をはじめとする哺乳類や、インコや十姉妹(じゅうしまつ)などの鳥類全般でも同じことが言えます。

ではどういった個体が低体温症に陥りやすくなるのでしょうか。

愛犬・愛猫が低体温症に陥りやすいシチュエーション1.年齢

やはり、犬にしても、猫にしても、人間と同じく、もまだまだ体力の備わっていない幼齢期の個体、そして、心身機能が衰えてくる老齢期の個体は体温調整機能にも衰えが生じ、長じて低体温症になるリスクが高まります。

特に老齢期であれば、去年までは元気に冬を越したとしても、その年には体力が衰えているケースも多々ありますので、犬の大きさで区別すると、犬種、個体差にもよりますが・・・

  • 中型犬では約13歳くらいから
  • 大型犬では約9歳くらいから
  • 超大型犬では約7歳くらいから
  • 猫は10歳を過ぎたあたりから

は、外飼いの場合も家でお世話をすることも考えていただけましたらと思います。

愛犬・愛猫が低体温症に陥りやすいシチュエーション1.愛犬・愛猫の原産地

純血種のその種類によっては、原産国が温かい地域の種類の個体もおります。また、原産地が温かい地域でなくとも、チャイニーズ・クレステッド・ドッグ、スフィンクスなどの元々毛がない種類・短毛種なども注意が必要です。具体的な種類をいくつか例に挙げると

犬は

  • バセンジー
  • ファラオハウンド
  • サルーキ
  • イタリアングレーハウンド
  • チャイクレ(チャイニーズ・クレステッド・ドッグ)など

猫は

  • スフィンクス
  • ドンスコイ
  • ヨーロピアンバーミーズ など

などといった犬種・猫種は注意が必要といえます。

愛犬・愛猫が低体温症に陥りやすいシチュエーション1.愛犬・愛猫の体格

猫に関しては体格においては種類において差がないことが多いものの、犬に関してはその体格で危険度が左右されることがあります。その中でも、小型犬は室内で飼育することを前提に交配されてきた歴史がありますので、寒さや暑さには弱い傾向があります。

中型犬以上の犬種はダブルコートといいまして、通常の体毛の下に短い毛が密集して生えておりますが、小型犬は一部を除きそのほとんどがシングルコートになります。加えてスムースコート(短毛)の犬種も多くおり、そういった犬種においてはさらに注意が必要になってきます。

スムースコートの小型犬を少し例を挙げると

  • チワワ系
  • ヨーキー(ヨークシャーテリア)
  • マルチーズ
  • ダックスフンド系
  • フレンチブル
  • ミニチュアピンシャー など

また、純血種に限らずMIX種の個体もその体毛や体格によっては低体温症にかかるリスクは多くなりますのでご注意いただけましたらと思います。

では、低体温症に陥るとどういった症状が現れるのか、そのあたりに触れていきましょう。

愛犬・愛猫が低体温症に陥るとでる症状

低体温症は人間の場合ですと、初期症状として体の震えが止まらなくなります。これは、冒頭で述べた通り、深部体温が以上に低下していることが原因で、放置するとやがて昏睡状態となり、死亡してしまう事になります。

犬や猫の平熱は約38~38.5度と人間の平熱に比べると高くなっており、人間の基準で判断すると非常に危険です。

体温が37度代、もしくはそれを下回るようなことがあれば、低体温症の疑いがあるので、すぐに動物病院に連れていきましょう。

時間が経つほど、命の危険が増してきますので、少しでも疑わしい症状が出ていれば、できる限り早く連れていく事が必要になります。では、それまでに出来る応急処置について触れていきたいと思います。

愛犬・愛猫が低体温症を発症した時の応急処置

愛犬や愛猫が低体温症を発症してしまった時の応急処置としては、毛布やフリースなど、できる限り暖かい生地素材のもので体を包み、肌に直に触れないよう、カイロなどを入れ、ドライヤーの熱で温めます。そうすることにより、体温の低下を防ぐことができますので、出来ればその状態を維持しながら動物病院の方へと連れて行ってあげて下さい。

応急処置をしている事が、大切な愛犬や愛猫の生死を分ける場合もありますので、病院に向かう途中もドライヤーは無理だとしても、できる限り暖かいもので体を包みながら向かうようにしましょう。普段使わないにしろ、もしもの時のためにカイロは常備しておくと安心かもしれませんね。

愛犬や愛猫の体温を測る時の注意点

私たち飼い主が犬や猫の体温を測定するときは、肛門から体温計を挿入して、直腸付近の深部体温を測ることが多いですが、この時注意することがあります。

体温計がしっかりと挿入されているか

体温計の素材によっては、先端部分が非常に柔らかくなっているものもあり、挿入の仕方によっては、肛門付近で曲がってしまい、しっかりとした体温測定ができないことがあります。ですので、柔らかい素材の体温計を挿入するときは、しっかりと先端部分が肛門の奥まで入っているか、確認するようにしてください。

糞に先端部分が刺さっていないか

何分肛門に挿入するという測定方法になりますので、場合によっては挿入した時、糞に体温計が刺さってしまうことがあります。こういった場合、体温測定ができていない可能性があるので、体温測定が終わった後に、先端部分に糞が付着していたり、ペットが糞をするようなことがあれば、念のためにもう一度測定するようにするといいかと思います。

最後に

いかがだったでしょう。今回はこれから発症するリスクの高まる低体温症に注意が必要な個体についてご紹介させていただきました。

先ほど申し上げた通り、低体温症は時間の経過とともに死亡するリスクがどんどん高まってきます。

一般的に犬は寒さに強く、猫は寒さに弱いというイメージがありますが、あくまで一般論に過ぎず、その年齢や大きさ、体質などによっては犬も低体温症にかかりやすいことも多いですので、注意していきたいところですよね。

もし万が一発症してしまったらできる限り早く動物病院に連れていく必要がありますが、やっぱり発症しないに越したことはないので、上記のような種のペットと共に暮らされている方はご注意ただけるといいかなと思います。

また、上記のような種や年齢、体格のペットでなくとも、体調などにより低体温症にかかるリスクはかなり高まるといえます。大切なペットの命を守るためにも、こういった命に関わる症状はできる限り注意していきたいものですよね。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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