こんにちは。えたばりゅです。
今回は、ネコという名前を持ちながら、ネコとは似て非なる存在。ジャコウネコのご紹介です。ジャコウネコが持つ魅力はもちろんのこと、一体ネコとはどういったところが違うのか。この辺りについても、2つの視点から切り込んでみたいと思います。
ジャコウネコ 猫と似て非なる存在
ジャコウネコは英名を 「(Asian)Civet」、学名を「Viverridae」という、食肉目ジャコウネコ科に属する、哺乳類の総称で、アフリカ大陸、ユーラシア大陸、インドネシア、フィリピンなどにその仲間が生息しております。日本に住むジャコウネコの仲間としては、唯一ハクビシンがジャコウネコの仲間に分類されます。
ジャコウ(麝香)ネコという名前の由来は、この動物の臭腺(肛門あたりにある器官)から発せられる独特の匂いから由来し、その分泌液は香水の原料として使用されるほか、ムフフな薬の原料としても使用されたりします。
ジャコウネコとネコとの様々な違い
こちらは我らがにゃんこ大先生のお姿。上のジャコウネコの画像の姿と比べてみても、その違いは歴然としていますよね。
ジャコウネコ、冒頭でも触れている通り、「ネコ」と名前がついておりますが、ネコではなく、イエネコやライオン、トラ、チーターなどのネコ科の動物たちとは違う分類に属する動物で、ネコ科の動物とは違った生態を持っております。
分類での猫とジャコウネコの違い
分類での違いは
- 猫は、食肉(ネコ)目ネコ科に属する動物
- ジャコウネコは食肉目ジャコウネコ科に属する動物
でございます。
ちなみに、ハイエナはイヌ科の動物のような姿をしていますが、どちらかというとジャコウネコに近い野生動物なんです。
生態でわかる猫とジャコウネコの違い
また、ジャコウネコの仲間は生体においてもネコ科の動物たちと違う特徴を持っておりまして、その代表的なものをいくつかご紹介すると、
- つがいで行動することもある
- 多くが木の実や果実を食べることもある雑食性動物(一部純肉食種あり)
- 多くの種が樹上生活を好む
- ネコ科の動物に比べると口吻も細長く、とがったような形状をしている
などがあります。ネコ科の動物は繁殖時などを除けば、ライオンや若年期のチーターなど、一部の例外はあるものの、自然下ではほぼ単独で生活し、その食性は真性の肉食になります。
また、生活環境も陸上生活、もしくはヒョウなどのよう半樹上生活といったように、陸上生活をメインで営むものがほとんどです。このあたりからも、猫とジャコウネコの違いが垣間見えるのではないでしょうか。
あと、猫とジャコウネコの違いといえば・・・
そうですね。人間に慣れるかどうかってところ、なんですが、イエネコは古来より人間の伴侶動物として一緒に暮らす選択肢をしてくれている個体が多くいる一方、ジャコウネコは生粋の野生動物として、古来より生きてきており、現在もそれは続いております。
なので、ジャコウネコは人に慣れるということは難しく、いわゆるペットとして人と共に暮らすのは不向きといえるでしょうね。
ハクビシンって外来種?在来種?
日本では、先ほど述べた通り、ハクビシンという種類が唯一日本に生息しているジャコウネコの仲間となりますが、ハクビシンって外来種(帰化動物)っていう噂を耳にしたことがあるんではないでしょうか。
実は、ハクビシンについては外来種なのか、在来種なのか。
その区分ははっきりしていないんですよね。
というのも、江戸時代に記録されている文献の中に、「雷獣」なる動物が存在しており、その容姿がハクビシンに酷似していることから、在来種であるという意見もあります。
そんなこともあり、ハクビシンについては、環境省が定めている「特定外来生物」には指定されていないんですね。
まぁ・・・外来種っていう定義も、一応自然由来ではなく、人為的に持ち込まれた生物っていう区分はあるものの、いつから存在する種類が外来種として区分するのか、そのあたりの定義はあいまいですもんね。
昔だと記録も今ほど精密ではないでしょうし。ハクビシンについては、いまのところ永遠の謎というところですね。
そして、ジャコウネコといえば、おそらくご存知かと思いますが、例の高級飲料が有名すぎるくらい有名ですよね。
ジャコウネコが作る最高級のコーヒー豆コピ・ルアク
実はジャコウネコは世界に誇る最高品質のコーヒー豆を作る優れた職人(ジャコウネコ)としても知られております。その豆は、「コピ・ルアク」と呼ばれるコーヒー豆で、コピはインドネシア語でコーヒー。ルアクはインドネシア語で、ジャコウネコの仲間であるマレーシアジャコウネコを指しております。
このコーヒー豆。絶対にジャコウネコでないと作ることができないんですよね。人間には絶対に生成は不可能でございます。
なぜかといいますとですね。
ジャコウネコから排泄された、未消化の糞を利用するからです。
ジャコウネコの仲間でインドネシアに生息するマレージャコウネコはその栄養源として、コーヒーの実を摂取しています。コーヒーの果実自体は、マレージャコウネコの体内で消化され、栄養となりますが、コーヒー豆である種については、消化されず、そのまま分の一部として対外に排出されます。
その排出過程でマレージャコウネコの腸内にいる、最近や酵素の働きにより、排出されたコーヒー豆に独特の風味が加わるというわけです。
こうして、世界屈指の高級コーヒー豆である、コピ・ルアクが生成されるということになります。
もちろん、糞といいましても、当然ながら綺麗に洗浄されますので、安心していただければと思います。
ただ、こちらのコーヒー豆。
- ジャコウネコしか生成できない
- 最高級品質
といったことから、またしても人間の強欲さが垣間見える一件がありまして、ジャコウネコを乱獲し、狭い檻に閉じ込め、無理やりにコーヒーの実のみを食べさせるという、全くもってけしからん行為を働いていた輩がイギリスのドキュメンタリー放送で、暴露されるということがありました。
しかもこれを強いられていたジャコウネコは本来純肉食の種。すなわち、コーヒーの実は食べない種だったんですね。
こういった野生動物が持つ生態を利用して、高級食材を生成するという行為、真っ向から反対するつもりはないですが、自然に任せた生成方法で野生動物や自然に負担をかけないという最低限のルールは守ってほしいものだと思う次第です。
最後に
いかがだったでしょう。今回は猫と似て非なる存在、ジャコウネコについてご紹介させていただきました。とは言いましても、どちらも食肉目に属する動物になりますので、大まかな分類で判断すると、同じ種族になるんですけどね。
ハクビシンのお話などはちょっとトリビア要素も強かったのではないでしょうか?是非、飲み会などの席のお話のネタにしていただければと思います。
では今回はこのあたりで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。