こんにちは。えたばりゅです。
自然界にたくましく生きる野生動物たち。強い者、優美な者、様々ですが、その姿と生きざまは、もはやカリスマといっても過言ではありません。
このコーナーは、そんな自然界に生きる様々な魅力あふれる野生動物たちにスポットを当ててご紹介するコーナーです。こちらでご紹介する動物が好きなあなたに楽しんでいただき、またさらに、その動物に興味を深めるコンテンツになっていますので、ぜひ最後まで楽しんでいただければと思います。
今回はアシカ科最大の動物にして海のライオンとも呼ばれる、トドをご紹介していきたいと思います。
鮭は飲み物!?アシカ科最大の動物トドは食事も行動も超ダイナミック!
トドは、英名を「Northen Sea Lion」もしくは「Steller Sea Lion」、学名を「Eumetopias jubatus」という、食肉目アシカ科トド属に属する、海生哺乳類の仲間で、足がヒレ状になっており、いわゆる鰭脚類(ききゃくるい)に分類されます。
生息地は主に北太平洋、ベーリング海、オホーツク海の沿岸部で生活しており、日本でも秋ごろから晩春にかけて北海道の根室岬や礼文島などでその姿を見ることができますね。
生活様式は一頭のオスをリーダーとする、メス数十頭のハーレム(群れ)を形成して生活しており、出産期の6月には1頭のメスにつき、1頭の幼獣を出産。授乳期間を終える約2年間の間、子育てはメスが行います。
食性は肉食で、タラやシャケなどの魚類や、イカやタコなどの頭足類を捕食しております。
トド 威風堂々過ぎるその容姿
トドは、ライオンと同じく、成長と共にオスとメスで顕著な見た目の違いが表れてきます。
というのは、トドのオスは成熟すると、後頭部付近の体毛が伸びてきてタテガミ状に変化するんですね。
こちら、ライオンほど顕著なタテガミとまではいきませんが、後頭部の毛がタテガミ状になっているのがお判りいただけるのではないでしょうか。この他に、トドのオスは成長と共に、おでこと上半身が大きくなり、プロレスラーも真っ青な体型になっていきます。
こちらがちなみに、吠え合うオスとメス。岩の上にいるのがメスで、段差に足をかけて下の方にいるのがオスですが、その違いははっきりと分かりますよね。
このように、ライオンのオスと同じく、タテガミが生えたり、体格面でメスとの差がかなり生じるトドですが、大きさの面ではライオンをはるかに凌ぐ大きさに成長するんです。
トドの大きさはアシカ科No.1! 行動もかなりダイナミック
トドのオスは、最大体長約3.3m。体重は約1トン。オスの方がメスよりもかなり大きくなりますが、そのメスでも、体長は約2.5m、体重は約300kgにまで成長し、その大きさはアシカ科の仲間では最大の巨体を誇っております。
ライオンの種類で最大のライオンが、アフリカに生息するアフリカライオン。その大きさはオスの最大クラスで、
- 体長約2.5m(尻尾を含めると約3.5m)
- 体重が約300kg弱
というところですので、体の大きさの面では、海のライオンである、トドに軍配が上がります。
そして、体が大きい分その行動もかなりダイナミックかつ豪快なんですよね。
こちらの動画は、トドの大きさとそのダイナミックさがよくお判りいただけると思いますので、ご紹介させていただきます。
いかがです?なんていうか・・・アレですよね。○○は飲み物っていう言葉が思いっ切り浮かんできてしまいます。鮭を丸飲みとか、ライオンもグリズリーもなかなかできないダイナミック芸当といえるのではないでしょうか。トドの豪快さがこの上なく伝わってきますよね。
しかもシャケをもらう前、鮭をガン見している姿がまた、ギャップというか愛嬌を感じられます。
飛び込む姿も、ダイナミックそのものですよね。
こちらは、北海道小樽市にある、おたる水族館のショーの一場面ですが、このようにトドは他のアシカ科の仲間たちと同じく、人間にも馴れ、知能も発達しているので、このように人間とのコミュニケーションを必要とするショーも行うことができるんです。
このように人懐こく、楽しい芸も披露してくれるトドですが、世界的には減少傾向にあるんですね。
減り行くトド 世界的に保護の対象へ
日本ではトドは網にかかった魚を取ったり、網などの漁具を破壊することから、駆除の対象となっており、特に漁業関係者からは嫌われる存在でした。
しかしながら世界的に見ると、トドは、人間の漁業資源の乱獲などにより、個体数が減少、アメリカ、ロシアでは絶滅危惧種として保護の対象となっております。
また、このようにIUCN(国際自然保護連合)が定めるトドの保全状況も、準絶滅危惧種(NT)として位置づけされているため、日本の駆除活動に関しては国際的非難が高まっているんですね。
そういうこともあり、日本の駆除頭数も年間制限が設けられる様になりました。
ただ、世界的にはトドの個体数が減っているのに、漁業における被害は増加するという、ある意味矛盾も起きていました。この理由として、漁業などにおける水産資源が乱獲されたことにより、トドの食料が著しく減少。
そのせいで、網にかかった魚をトドが食べることが、多くなってしまったという経緯があります。
要は里山の野生動物と人間との関係が、海でも生じてしまっていたというところになるでしょうか。
現在は各国の保護政策が功を奏し、トドの生息数は1980年代に比べると、現在は約27,000頭増加しており、生息数は回復傾向にありますが、それでも1950年代の生息数に比べると、まだまだ半分にも満たない生息数。
トドも、食物連鎖ではもちろん重要な位置を担っている野生動物。絶滅してしまうと、今よりも深刻な問題が生じてしまう可能性は大いにあります。
野生動物を保全するということは、自らの生活も保全することであるという認識を私たちも、もっと強めていかないとならないですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回はアシカ科最大の鰭脚類、トドの魅力をご紹介させていただきました。
ちなみに鰭脚類といえば、他にも
- アザラシ
- セイウチ
もその仲間になるんですね。セイウチはともかく、アザラシの仲間とアシカの仲間って、見た目的にもよく似ており、区別がなかなか難しいところもあります。
そこで、こちらの記事でアシカ科の仲間とアザラシ、セイウチの違いについて分かりやすくご紹介しておりますので、ぜひこちらも合わせてご覧いただければと思います。
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では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。