こんにちは。えたばりゅです。
自然界にたくましく生きる野生動物たち。強い者、優美な者、様々ですが、その姿と生きざまは、もはやカリスマといっても過言ではありません。
このコーナーは、そんな自然界に生きる様々な魅力あふれる野生動物たちにスポットを当ててご紹介するコーナーです。こちらでご紹介する動物が好きなあなたに楽しんでいただき、またさらに、その動物に興味を深めるコンテンツになっていますので、ぜひ最後まで楽しんでいただければと思います。
今回は北海の重戦車、セイウチをご紹介していきたいと思います。
セイウチ でっかい体と物々しい長い牙とは裏腹に性格は愛嬌たっぷり
セイウチは、英名をWalrus(ウォールス)、学名を Odobenus rosmarus という、食肉目セイウチ科セイウチ属に属する海生哺乳類の仲間で、脚がヒレ状になっている鰭脚類(ききゃくるい)の一種になります。
生息地は、グリーンランド北部やユーラシア大陸北部、カナダ東部、アラスカの一部といった北極圏、もしくはそれに近い沿岸部に生息しており、セイウチも他のトドや、アシカといった鰭脚類と同じく、1頭のオスと多数のメスとその子供から成るハーレムを形成して生活しております。
セイウチの食性
セイウチに関しては、あまり動物食というイメージはないかもしれませんが、セイウチもれっきとした食肉目の仲間。
食性も動物食になっており、貝や魚類、エビやカニなどを捕食します。なかでも主食として常食しているのは、主に貝類とされており、魚やエビなど動きが俊敏なものよりは、捕食しやすい獲物を好む傾向があります。
とはいえ、アザラシの幼獣を捕食するという説もありますので、食性については意外な一面も持ち合わせているのかもしれませんね。
主食は貝なので、貝などを掘り起こす際に利用すると思ってしまいがちですが、セイウチが貝などを砂地から掘り起こす際には、この牙を用いることは少なく、口に含んだ水を勢いよく水鉄砲のように噴射したり、口の吻の部分を起用に使って砂を掘り起こして、獲物を捕食しております。
では、セイウチの最大の特徴ともいえる、あの大きな長い牙は何に使っているのでしょうか。
セイウチの牙 その使用用途
セイウチの牙の使用用途は主に
- オス同士の争いや外敵からの自衛
- メスに対するアピールディスプレイ
といった用途に使用され、そのほかにも、海から岸へと上陸する際の支えとして用いたり、氷に穴をあけたりするのに利用されたりもします。
そして、セイウチの牙はその立派さに違わない、特徴も持ち合わせているんですね。
セイウチの牙 特徴
セイウチの牙は、生涯ずっと伸び続けるという特徴を持っており、年長者であるほど、牙が長い傾向にあります。
ですので、上記のような用途である程度摩耗させないと、牙が伸びすぎて生活に支障をきたす可能性があるんですね。
また、牙は成長と共に長くなるので、幼獣の頃は全く目立たないのですが、成獣でも個体によっては、折れる、虫歯などが原因となり、牙がない個体も存在します。
このように、大きく長い立派な牙を持ち合わせているのは、セイウチのとても大きな特徴といえますが、そのほかにもやはりセイウチといえば、その巨大な体を思い浮かべるのではないでしょうか。
正に重戦車 セイウチの圧巻の巨体
セイウチはかなりの巨体を持つことでも知られており、鰭脚類の中では、第3位と、ゾウアザラシ2種に一歩譲るものの、
オスの体長は約3.5m
体重は何と最大で1.7トン
という陸上も生活圏内に入っている野生動物としては、かなりの巨体の持ち主になります。
ちなみに、トヨタのハイグレードカー、クラウンの重量は1.4トンですので、セイウチの重量がいかにすごいか、お分かりいただけるのではないでしょうか。
このように、時に1mにも及ぶ長い牙、そして立派な体格を持ち合わせているので、外敵など存在しないように思いますが、このようなセイウチにもやはり天敵は存在するんですね。
セイウチの天敵
セイウチの天敵といえる動物はは、人間を除くと、
- ホッキョクグマ
- シャチ
この2種がセイウチの天敵として挙げられます。
ただ、天敵にとっても、セイウチはかなり危険な相手であり、場合によっては自らが返り討ちに遭い、致命傷を負うリスクも伴います。
ホッキョクグマは、陸上最大の肉食動物であり、私たちの人間の骨など、いとも簡単にへし折ることができる
強力無比なパワー、そして咬合力
を持ち合わせておりますが、セイウチの成獣が持つ、圧倒的な皮下脂肪という防御力には、ホッキョクグマですら、致命傷を与えることが難しいとされており、襲うのは専ら幼獣、もしくは体の弱った個体に限られます。
また、時にはこの動画でご紹介されているように、シロクマの方がセイウチの鋭い牙の返り討ちに遭い、大きな深手を負ってしまうことがあるんですね。
このような、厳しい攻防をみると、やはり捕食者、被捕食者の関係は単に食う、食われるといったような単純なものではないことを学ばせてくれますよね。
ただ、セイウチの防御力をもってしても、シャチの持つ並外れた知力、攻撃力の前には分が悪いようで、成獣といえど、シャチには捕食されることがあります。
このように、時にはシロクマでさえ撃退してしまうセイウチですが、フレンドリーな一面も持ち合わせているんですね。
トップ芸人もたじろぐセイウチの芸達者力
セイウチ、とても見た目には迫力がありますが、知能の方は・・・何と言いますか、顔立ちからの印象からすると、そんなに良くない印象があるのではないでしょうか。
ところがセイウチも、アシカやオットセイなどと負けず劣らずの芸達者さんで、知能も高く、様々な芸を覚え、水族館などでは、ショーに出演し、すばらしいエンターティナーとして私たちを楽しませてくれております。
中では、このように売れっ子コメディアン負けのコントを披露してくれたりするセイウチたちもいるんです。
ね?凄いでしょ??
このショーを披露してくれているのは、三重の鳥羽水族館にいる、
- オスのアザラシのポーちゃん
- メスのアザラシのクゥちゃん
私も僭越ながら、この動画を拝見した時、面白さと可愛さのあまり、爆笑してしまいました。
他にも、オスワリをしたり、腹筋をしたり、やられた~!を披露したり、
他のテーマパークでも、ダンスや漫才を披露するなど、その優れたエンターティナーっぷりはもちろん、知能の高さも披露してくれております。
もしご興味あれば、他の動画も是非探してみて下さいね。
このように、その外見とは裏腹にとても人懐こい一面も持っているセイウチなんですが、残念ながら現在は絶滅が危ぶまれているんですね。
セイウチ 減り行くその個体数
セイウチはかつて、カナダ南東部にあるセントローレンス湾岸やバスコシア海岸などでも生息しておりましたが、肉や皮などを目的とする乱獲で、19世紀にはこの辺りでは絶滅してしまいました。
また、現在においても
- 温暖化
- 海洋汚染などによる生息地域の破壊
- 漁業資源の乱獲によるエサ不足
などの要因により、生息数は減少しており、IUCN(国際自然保護連合)が定める保全状況でも絶滅危惧Ⅱ(VU)に分類されており、絶滅が危ぶまれております。
種を保全していくということは、その生息環境においてもしっかりと保全していくということが重要であることを認識させられますよね。
最後に
いかがだったでしょう。今回はホッキョクグマもたじろぐ北方の重戦車、でも愛嬌たっぷりなセイウチをご紹介させていただきました。
セイウチはその姿かたちはアシカ類の仲間やアザラシの仲間と似通っており、一見すると判別が難しい時もあります。
牙があると分かりやすいのですが、クゥちゃんのように牙もない個体もいますしね。
ですので、こちらでアシカ科の仲間とアザラシの仲間、セイウチの違いを分かりやすくまとめておりますので、ぜひこちらの記事も併せてご覧いただければと思います。
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とても人懐っこく、優れたエンターティナーでもあるセイウチたち。もちろん自然界でもその存在は重要な役割を担っている野生動物。
しっかりと保全を行っていき、1日も早く適正生息数に回復してもらわないとですね。
では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。