こんにちは。えたばりゅです。
今回は生物の分類というものをバッチリ分かりやすく解説してみたいと思います。現在全世界に約175万種もの生物が暮らしているといわれており、ほぼ全ての絶滅種、現生種、もちろん私たち人間も含めて、既知生物には分類が充てられております。
では生物の分類とは一体どのようなものか。
こちらの記事をご覧いただくことによって、その概要がバッチリ分かるようになりますので、是非ゼヒ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
生物における分類とは?常に進化する生物と分類の面白い関係をバシッと解説!
分類とは簡単に言えば、それぞれの生物をグループ化したもので、大きなグループの中にその中に入る小さなグループ、そしてその小さなグループに入るまたさらに小さなグループ。
といったように、グループごとに階層化されているんですね。
現在、一般では一番大きなグループ群として「生物」と「無生物」、要はそもそも生命活動を行っているか否かというところから始まって、今回ご紹介する「生物」の直下に「ドメイン」という最上位のグループがあり、そこから細分化されたグループに分かれていきます。
生物の分類におけるグループの階層として、
ドメイン→界(かい)→門(もん)→綱(こう)→目(もく)→科(か)→属(ぞく)→種(しゅ)
というのが基本的な階層となっており、界が一番高く大きなカテゴリの階層、逆に一番限低層となるのが種ということになります。
ただ、既知の生物にはこの基本的階層にバシッとハマらないことが多くてですね。
例えば、私たちがよく知る百獣の王、ライオン。
ライオンの分類は
ドメイン:真核生物、動物界、脊索動物門、脊椎動物亜門、哺乳綱、食肉目(ネコ目)、ネコ科、ヒョウ属
と続き、最後の種がライオン
となるのですが、ご覧のように「脊索動物門」と「哺乳綱」の間に「脊椎動物亜門」という中間的な分類が入っていますよね。
このように生物は一定の分類ではグループ化しきれないことが多々あり、各分類階層の間に「上」、「亜」、「下」、「族」などといった階層を入れることが多くあります。
また種が最後というとそういうわけでもなく、またさらにその亜種に分かれることがあり、先ほどのライオンでも、「ライオン」という種の中に
アフリカに生息するケープライオン、マサイライオン、バーバリライオンなど、そしてインドの一部地域に生息するインドライオンといった「亜種」に分かれております。
では最上階層の「界」からどういった分類があるか、ご紹介していきましょう。
生物の分類「ドメイン」とは
少し前までは生物を分類するうえでは下位階層の「界」が分類系統の最上階層でしたが、そこからさらに上の階層「ドメイン」という分類階層が位置付けられて、現在このドメインという階層が生物の分類系統を成すうえで最上の階層となっております。
ドメインは現在3つの系統から構成されるのが主流となっており
- 古細菌
- 細菌
- 真核生物
に分けられております。
古細菌と細菌は原核生物と呼ばれ、その名前の通り細菌類で構成されており、私たち哺乳類が属する真核生物は動物界と植物界、そして菌界と原生生物界に分けられています。
生物の分類「界」とは
界は生物を分類するうえで、
- 動物界
- 植物界
- 菌界
- 原生生物界
- モネラ界
という5界説が日本では定説となっておりますが、国によっては6つの界に分ける「6界」を採用している国もあり、このあたりは国によって様々のようです。ちなみに6界はモネラ界を更に「古細菌界」と「細菌界」分ける分類系統で、これは米国やカナダなどが採用しております。
生物の分類「門」とは
「門」は界の次に来る大きなグループのことで、階層としては界と綱の間の階層になります。
私たちがよく知っている動物たちが属している代表的な門階層の分類を一部ご紹介すると、
- 刺胞動物門:クラゲ、サンゴなど
- 軟体動物門:タコ、イカ、貝類など
- 節足動物門:昆虫類、甲殻類、ムカデ、クモなど
- 脊索動物門:哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類など
などといったものがあります。
生物の分類「綱(こう)」とは
「綱」は門の次に来る大きなグループのことで、階層としては門と目の間の階層になります。
ちなみに字が「網(もう・あみ)」という字に似ているので、ついつい間違えてしまいがちですが、「綱」ですね。(実は激しく恥ずかしながら私も最初間違えましたw)
私たちがよく知っている動物たちが属している代表的な綱階層の分類を一部ご紹介すると、
- 哺乳綱:犬、猫、クマ、猿といったいわゆる哺乳類
- 鳥綱:ワシや、スズメ、ツバメ、白鳥といったいわゆる鳥類
- 爬虫綱:ヘビやワニ、カメといった爬虫類
- 昆虫綱:体の構成が頭部、胸部、腹部に分かれたいわゆる昆虫類
などといったものがあります。
生物の分類「目(もく)」とは
「目」は綱の次に来る大きなグループのことで、階層としては綱と科の間の階層になります。
私たちがよく知っている動物たちが属している代表的な目階層の分類を一部ご紹介すると、
- 食肉目(ネコ目):クマ、オオカミ、トラ、、タヌキ、オットセイなど
- タカ目:イヌワシ、ヘビクイワシ、クマタカ、ハゲワシ、コンドルなど
- 偶蹄目(ウシ目):シカ、ウシ、キリン、カバなど
- 有隣目:ヘビ、トカゲなど
- 甲虫目:カブトムシ、クワガタ、ホタル、タマムシなど
などといったものがあります。
生物の分類「科(か)」とは
「科」は目の次に来る大きなグループのことで、階層としては目と属の間の階層になります。
私たちがよく知っている動物たちが属している代表的な科階層の分類を一部ご紹介すると、
- ネコ科:ライオン、ピューマ、カラカル、ヤマネコ、イエネコなど
- イヌ科:オオカミ、タヌキ、キツネ、イエイヌなど
- ヒト科:ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、人間など
- マイルカ科:マイルカ、バンドウイルカ、シャチ、ゴンドウクジラなど
- タカ科:イヌワシ・クマタカ・トビ・オオタカなど
- キジ科:キジ・ライチョウ・ニワトリ・シチメンチョウなど
- コブラ科:キングコブラ、ブラックマンバ、エラブウミヘビなど
- クサリヘビ科:マムシ・ハブ・ガラガラヘビなど
などといったものがあります。
生物の分類「属(ぞく)」とは
「属」は科の次に来るグループのことで、階層としては科と種の間の階層になります。ここまで来るとそのカテゴリに分類される種類の動物も大分限定されてきますね。
では私たちがよく知っている動物たちが属しているネコ科動物にスポットを当てて代表的な属階層の分類を一部ご紹介すると、
- ヒョウ属:ライオン、トラ、ヒョウ、ジャガー、ユキヒョウ
- ネコ属:イエネコ、リビアヤマネコ、ヨーロッパヤマネコ、スナネコなど
- オオヤマネコ属:オオヤマネコ、カナダオオヤマネコ、スペインオオヤマネコ、ボブキャット
- チーター属:チーター
- カラカル属:カラカル
などといったものがあります。このように属階層までくると、1種のみで属を形成することもよくあるんですね。(チーターもカラカルも種の下に亜種が分類されれています。)
生物の分類「種(しゅ)」とは
「種」は科の次に来るグループのことで、階層としては基本的分類階層の一番最下層になります。
ちなみに、人間にも、白色人種(コーカソイド)、黒色人種(ネグロイド)、黄色人種(モンゴロイド)といったように3つの人種に大別されますが、これはトラの中のベンガルトラ、アムールトラ、スマトラトラ、アモイトラといった亜種としての分類は現段階ではされておらず、1つのホモサピエンス種となっております。
ただ、これから先は遠い未来ですが、ひょっとすると亜種に分かれるかもしれませんね。当然ながら人間も動物の一部ですので。
最後に
いかがだったでしょう。今回は生物における分類をバシッと、バッチリ分かりやすく解説してみました。
ちなみに亜種を表す和名にシベリアトラやインドライオン、フロリダパンサー、ホッキョクオオカミ、コーカサスオオカブト、ニホンザリガニといった地名が付くことは非常によくある事なんですが、これはその地域でただ単に暮らしているからそう呼ばれているんではなくて、その地域で環境に合わせ、種の中でも少し違った習性や外見を持ち始めていて、遺伝子的にも若干の差異があったりするんです。
ですので、分類はいうなれば生物とのいたちごっこ、終わりなき探求といったところでしょうか。
種、亜種として決定されたその生物はまたしばらくすると、新種、新亜種としてひっそりと、着実に独自性を持った遺伝子へと進んでいく。
いや~・・・生命って本当に逞しいものですよね。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
参考、出典:世界動物大図鑑