こんにちは。えたばりゅです。
今回はナマケグマというクマをご紹介したいと思います。名前からして、なんか何もしなさそうで、全く動かなさそうなイメージですが、いやいやいやいや。
実はこんな名前なのに、一頭であの獣王を複数相手にしたり、ぶっとい木にサクサク登ったり下りたりと、かなりアクティブなクマなんです。ではではそのあたりの性格や名前の由来も含めてナマケグマが持っている魅力に早速迫っていきましょう。
超アクティブなのにナマケグマ その命名の真相とは!?
では、まずナマケグマのご紹介をさせていただくと、英語名を「Sloth Bear」、学名を「Melursus ursinus」という、食肉目クマ科ナマケグマ属に属するクマの仲間で、インド、ネパール、ブータン、バングラディシュ、スリランカに生息しており、スリランカの個体群は大陸から離れていることもあって、亜種レベルにまで分かれています。どちらも主に草原や林地帯を好んで生活の場としていますね。
体長は、平均的に約1.5m、体重約100kg超というところですが、他のクマと同じく、オスのほうが大きくなる傾向があり、大型のオスで約2m近く、体重は150kg近くにまでなることもあります。一方メスのほうは約1m、体重も約90kgほどと、オスに比べると一回り小さい感じですね。
このようにクマとしてのサイズ的には、中型のクマという感じですが、ナマケグマの特徴は何と言っても、寝起きすぐかのような、このボッサボサの体毛。
このようなフォルムと、その名前から、「ワシ、動くの嫌いなんよね。。。」的なイメージがしてしまいますが、いやいや。実は超アクティブで、こちらをめちゃくちゃ和ましてくれる習性を持ったクマなんです。
ナマケグマの超アクティブな証拠1.小熊を背中に乗せてズンズン移動
以前ご紹介した、スペシャル美声の持ち主、ハシグロアビもヒナを背中に乗せて移動する習性があるとお伝えさせていただきましたが、このナマケグマも親子で移動する時、母熊が小熊を背中に乗せて移動する習性があるんです。
こちら、ナマケグマの母熊が小熊を背中に乗せて移動している様子。
いかがです?メッチャ和みますよね。おそらく、トラなどの強力な捕食者から身を守りやすくするために編み出した習性だと思いますが、何とも可愛い光景です。
ちなみにナマケグマはよくこういった行動をするのですが、他のクマたちにはほとんど見られない行動で、クマの中では非常に珍しい、ナマケグマならでは。といっても過言ではない特徴ですね。
ナマケグマの超アクティブな証拠2.大好きな蜂蜜のために果敢に木登り
ナマケグマも他のクマと同じく、食性としては雑食なのですが、その主食は、アリなどの昆虫類や卵、果実や花など。このほか、木登りが得意な習性を生かして、もう1つの好物であるハチミツを獲るために、木によく登ったりするんです。
この後、この蜂の巣をゲットできたかどうか気になるところですよね。ハチにとっては、災難降りかかるっていう感じで総出で撃退しようとしていますが、クマが相手となると、やはりちょっと分が悪いかな・・・。
ナマケグマの超アクティブな証拠3.時には1頭で複数のトラと渡り合う
最後にこちら。ナマケグマの生息地には、ナマケグマより体が大きいベンガルトラも生息していて、ベンガルトラの獲物のラインナップには、このナマケグマも含まれているんですね。でも、ナマケグマは他の多くの草食獣たちのように、襲われると逃げるしか手段がないって言うわけではなくて、襲われても果敢に反撃し、時には1頭で複数のトラを撃退することもあるんです。
こちらは、襲われたナマケグマが果敢に反撃し、ベンガルトラを退ける動画。
いかがでしょう。一度は抑え込まれたので、危ないかなと思ったのですが、強力な筋力と分厚い皮下脂肪を駆使して、見事に盛り返しましたよね。
もちろん、自然の摂理なので、捕食されてしまうこともありますが、ナマケグマはトラにとっても結構リスクの高い相手。なので、あまり積極的にはクマを襲うことはないんです。
ナマケグマの超アクティブな証拠4.冬眠しない
私たち日本人にとっては、クマは冬眠する動物として認識しているのが一般的ではあると思うんですが、ナマケグマは日本に生息するクマとは違い、冬眠しないんですね。というのも、ナマケグマが生息している地域では、年間通して食べ物を摂取することができるので、冬眠する必要がないんです。
他にも冬眠しないクマたちをこちらの記事で詳しくご紹介しているので、良ければこちらの記事も併せてお読みいただければ幸いです。
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いかがでしょう。ナマケグマ。・・・結構って言うか、その名前に反してかなりアクティブでしょ。
しかしなんで、こんなにも活動的なクマがナマケグマなんて名前を付けられてしまったんでしょうか。
ナマケグマという名前の由来
これは、ナマケグマが木登りが得意なところにその由来があって、ナマケグマは木に登った時、その頑丈な爪を生かして、枝にぶら下がることができるんです。その姿が、ナマケモノを彷彿させたことから、「Sloth Bear(ナマケモノの様なクマ)」となったと考えられています。
そして、和名はこのナマケモノという言葉の一部を取って「ナマケグマ」と呼ぶようになったと考えられています。
超アクティブなのに、こんな名前が付いたのはこういった理由があるんですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、その名前に反して超アクティブ。もはや名前詐称なナマケグマの魅力をお伝えさせていただきました。このように、とてもアクティブで可愛い習性を持ったナマケグマなんですが、現在農地開発や開拓などが起因となる生息地の破壊が進んでいて、絶滅が心配されており、IUCN(国際自然保護連合)では、ナマケグマをVU(絶滅危惧 Ⅱ類)にランクしているんです。
こういったこともあり、インドでは保護政策が進められていて、個体数の回復に向けて取り組みが行われています。
何とか、安定的な生息数に回復するよう、絶賛応援していかねばですよね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。