魅惑の野生動物たち

【ミステリアスドッグ】ディンゴ 天使のような可愛さと悪魔のような非情さ2つの顔の真の素顔に迫る!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、ディンゴというイヌ科の動物にスポットを当てて、その魅力に迫っていきたいと思います。実はこのディンゴ、両極端といっても過言ではないような、2つの顔を併せ持つとてもミステリアスな動物なんです。ではでは、早速そんなディンゴの素顔に迫っていきたいと思います。

天使と悪魔2つの顔!?超ミステリアスアニマルなディンゴの素顔とは!?

まず、ディンゴのご紹介を軽くさせていただくと、英名を「Dingo」、学名を「Canis lupus dingo」というイヌ科イヌ属に属するイヌ科の動物で、オーストラリアなど生息地域によっては、リカオンと同じく「Wild Dog」と呼ばれることもあります。

分類においては、シンリンオオカミなどと同じく、タイリクオオカミの亜種として現在は位置づけられていますが、イエイヌの品種の1つと考えられることもあったり、イエイヌやタイリクオオカミとは独立したディンゴ属に分類されたりすることもあり、まだ決定的にココという位置づけはされていないみたいですね。

というのも、ディンゴのルーツは約3000年~4000年前にオーストラリアに入った人々が連れてきた犬が野生化したのがその起源と考えられていて、イエイヌと非常に近い遺伝子を持っているんですね。なので、今でも分類に関しては様々な説があるというわけなんです。

こちら白いディンゴ。ディンゴの毛色は茶褐色が大半ですが、中にはこんな白い色をしたディンゴもいるんです。

食性は肉食傾向の雑食でカンガルーやウサギなどの哺乳類から鳥類、爬虫類に至るまで様々な動物を捕食していて、この他に果実など植物由来のものも食べたりします。

ディンゴ 意外と広いその生息地

ディンゴといえば、タイリクオオカミやリカオンと比較すると少しマイナーなイメージがありますが、それでもドキュメンタリー番組や動物番組などでもクローズアップされ始めたこともあって、最近はオーストラリアに生息している野生の犬としてそのイメージが定着しつつあるのではないでしょうか。

でも実はディンゴの生息地は意外と広くて、オーストラリアはもちろん、東南アジアにも生息しているんですね。先ほど、ディンゴのルーツをチラッとお伝えしましたが、東南アジアにいたディンゴを当時オーストラリアに連れてきたのが、現在オーストラリアに生息しているディンゴの祖先と考えられているので、元々ディンゴは東南アジアにいた動物といえます。

そして、当時オーストラリアの陸地の生態系の頂点として君臨していたフクロオオカミ(タスマニアタイガー)との生存競争を制し、現在はディンゴが大陸の頂点を担う存在として君臨しているというわけなんです。

ディンゴがフクロオオカミとの生存競争を制した理由

フクロオオカミは日本に生息していたフクロオオカミと同じく、比較的近年に絶滅してしまった動物なのですが、オオカミと名はついているものの、カンガルーやコアラと同じ有袋類なんです。

ただ、名前にオオカミの文字が含まれている通り、その姿はオオカミに酷似していて、食性も肉食。そして、その体長も約1mほどとディンゴとほとんど同じ。ではなぜ、ディンゴがフクロオオカミとの生存競争を制することができたのでしょうか。

実は両者の明暗を分けたのは狩りのスタイルと考えられているんです。フクロオオカミはオオカミやリカオンのように、群れで狩りをすることがなく、単独でワラビーやネズミなどを捕食していたのに対し、ディンゴはやはりオオカミの亜種ということもあり、狩りは群れで行うんですね。

なので、単独で狩りをするフクロオオカミと比べると、その狩りの成功率は必然によくなるというわけなんです。また、フクロオオカミと獲物をめぐっての争いになった際も、群れという数の面でも有利に働き、ディンゴが獲物を獲得することが多かったんです。このようなこともあり、フクロオオカミは段々とオーストラリア大陸から姿を消していき、ディンゴの生息していないタスマニア島に追いやられてしまったんですね。

そして、そこに人間が追い打ちをかけて絶滅してしまったというわけなんです。

ワンコと野生動物 2つの顔を持つディンゴ

いや・・・それにしても、見れば見るほどディンゴは、私たちがよく知るワンコの姿そのものですよね。イエイヌの品種の1つっていう説が出るのもメッチャわかる気がします。

また、姿だけでなくルーツがイエイヌなんで、古来より先住民に飼育されていたこともあって、ディンゴは現在でもペットとして飼われていたりすることもあるんです。

ちなみにこちらが人に慣れたディンゴの姿。

かわいいでしょ。っていうか、もはやワンコですよね。

まぁ、タイリクオオカミも古来から場所によっては人間と共存してきた動物なんで、タイリクオオカミもこんな風に人間に慣れることはよくあるんですが、ディンゴの姿はよりイエイヌのイメージに近いので、どうしてもワンコっていうイメージがついてしまいます。

しかしながら、もちろんディンゴは厳しい自然界で生き抜く野生動物らしい非情な一面も持っていて、狩りを行う時はそんな姿が如実に表れるんです。

これはディンゴがカンガルーなどの獲物を捕食する動画。動物が捕食される内容が含まれるので、苦手な方はご注意くださいね。

いかがでしょう。やはり、こうしてみると姿かたちはワンコでも、オオカミらしい一面といいますか、野生動物として生き抜くための非常に厳しい性格も持ち合わせていることがお判りいただけるのではないでしょうか。

数が減りつつある「純血種」のディンゴ

イエイヌやオオカミは遺伝子的に非常に近い位置に属しているので、両者の交雑が可能ということは割とよく知られていて、事実ウルフドッグ(オオカミ犬)といった、タイリクオオカミとイエイヌのミックスもいて、ライガーやレオポンといったネコ科動物たちのミックスとは違い、その個体が子孫を残すこともできます。

ディンゴもそういったイエイヌとの交雑は可能で、ディンゴの生息地域は人間の生活圏とも重なるので、結構イエイヌとの交雑が進んでいて、今や純血のディンゴのほうが少ないという説もあり、ディンゴという種で考えると、少しその状況が深刻といえるんです。

こういったこともあり。IUCN(国際自然保護連合)ではディンゴという種をVU(絶滅危惧 Ⅱ類)にランクしてその危急性を訴えているんです。

ディンゴはその数こそ、多いものの、こういった別の面からのリスクにさらされている動物といえますよね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は天使と悪魔の2つの顔を持つミステリアスなディンゴというイヌ科動物をご紹介させていただきました。見た目そのものはワンコでも、野生動物という別の一面があったり、その一方で、人に慣れてワンコそのものという一面もあったり、この辺りもある意味オオカミの一員らしいディンゴが持つ素顔といえそうですよね。

また、姿が全くと言っていいほど同じでも、実は厳密にはディンゴではなく、ハイブリッドで、種の存続としては、危うい状況になりつつあるというのも、静かで大きな危機というか、他の危急種たちとは別の観点からの絶滅の危険性をはらんでいるといえます。

生息数や生息地域だけではなく、こういったところでも保全が必要ということをディンゴは教えてくれているのかもしれませんね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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