こんにちは。えたばりゅです。
今回は、映画レビュー記事でございます。コンテンツはゴジラー1.0。
今作及び他作品ゴジラのネタバレ要素が含まれますので、まだご覧になっていない方はご注意をば。。。
ではでは、早速参りたいと思います。
ゴジラ-1.0 絶望にして原点回帰 即映画館へGOレベル!
実写版ゴジラとしては前回の庵野秀明監督シンゴジラに続き、約7年ぶりの作品となった今作。今年はゴジラ生誕70周年という節目もあり、そういった面でもかなり注目された作品なんですが、今回監督を務めたのは、山崎隆監督。作品は「AWLAYS 三丁目の夕日」シリーズが有名ですが、その他にも戦争映画やアニメやゲームの実写映画も手掛けられており、代表的なところでは「永遠の0」や「アルキメデスの大戦」、「寄生獣」、「DESTINY 鎌倉物語」、「ドラゴンクエスト ユアストーリー」などなど、映画のジャンル的にも豊富なコンテンツを手掛けられております。
そして、今回のゴジラ作品も初めてではなくてですね、三丁目の夕日では冒頭少しですが、ゴジラがゲスト出演していたり、映画ではないものの、ゴジラ・ザ・ライドという西武遊園地で行われたアトラクションの監督も務められております。
そんな山崎監督が手掛けられた今回のゴジラはどのようなゴジラだったのでしょうか。
今回のゴジラ立ち位置
ゴジラの立ち位置は結構作品やシリーズごとに分かれていて、ヒトと明確に敵対する、ヒトの味方ではないものの結果的にそうなっている、明確にヒトの味方として描かれるヒーロー的存在といった感じで、存在定義も生物から神に近い存在、また少し変わったところでは残留思念の集合体など、その設定は様々。
ゴジラが明確に人間と敵対する作品は敵怪獣が出てこない作品が多いですね。
そして今回描かれているゴジラは恐怖の対象。作品タイトルも「-1.0」とありますが、これには戦後直後のすべてを失って文字通りゼロとなってしまった日本がゴジラによりさらにダメージを被り、マイナスとなってしまうという意味が込められています。
しかも間接的とはいえ、ゼロにしたものが更に日本をマイナスに追い込むことにも加担といってしまってはちょっと悪意がありますが、関わっているところがまたこの作品の深みを感じました。
ゴジラを明確に人間と対峙する恐怖の対象として描かれたのは、原点である初代ゴジラ(初ゴジ)はじめ、1984年ゴジラ(84ゴジ)、ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃(GMKゴジ)、シンゴジラなどが代表的ですがアニメ作品のゴジラも敵対する存在として描かれておりますね。
そして70周年の節目となる今作のゴジラも原点回帰よろしく明確に人間と敵対するゴジラとして描かれているのですが・・・
なんというか、今回のゴジラはこれが歴代のゴジラの中でも敵対するだけでなく恐怖をガッツリ与えてくるところもかなり色濃く出ているゴジラで、人間がなすすべもなく蹂躙されるシーンが生々しく描かれているんです。ただ、これはある意味どのゴジラも当てはまるものだと思うのですが、カメラが人側の視点に立っている描写が結構あるため、これが色濃く出ていた気がしますね。
少しネタバレをするのであれば、ゴジラが熱線を吐いた後、その直接的な威力はもちろん、2次的に襲ってくる災害レベルの恐ろしさを伴う威力など。
なので、その恐怖感が歴代ゴジラの中でも感じやすいといいますか、如実に体験できるかなり見どころのある作品となっております。
ゴジラのスペック
ではゴジラ-1.0のスペック、いわば単体としての強さはどんな感じなのか、このあたりに触れていきましょう。
今回のゴジラは体高約50m、体重約2万トンと最近のゴジラでは半分程度の大きさとなっておりますが、これは時代背景に合わせた大きさというか、今回の舞台は第二次世界大戦終了直前から直後が舞台の映画なので、当時はそれほど大きな建造物もなくこの大きさでもゴジラの大きさを十分に感じることができます。また、個人的な意見ですが、今回人に恐怖と絶望を植え付けるゴジラとしては絶妙というか、駆逐艦を襲うシーンも、たぶん現実にゴジラのような生物がいたとしたらこのように沈めてしまうんだろうなっていうイメージがかなりリアルに感じることができました。
そして、今回のゴジラはスーツアクトではなく、フルCGのゴジラなんで、重厚感溢れるそのフォルムとは裏腹に結構アグレッシブなイメージを受けましたね。なんというか、個体のゴジラとして生き物らしいというか、当たり前ですが、自身の全身の扱い方が自然というか、スーツアクトも味があって好きなんですが、もしゴジラっていう生き物が実在したならば、こんな動き方するだろうなっていうのがよくわかるっていうか。いやはや、映像技術の発展。ただただ素晴らしいの一言ですね。
日本上陸後、憎悪と闘争心むき出しに咆哮するゴジラ・・・
シブい。シブすぎる。かっけぇ。マジ全身鳥肌レベル。
今作ゴジラの熱線の威力
そして、ゴジラ最大の武器にしてゴジラを最強たらしめる代名詞といってもいい必殺の熱線。これはやっぱりゴジラ好きとしては気になるところ。最近は口から吐くだけでなく、体内放射・体外放射なども加わり、作品によっては宇宙空間にいる敵怪獣に対して正確に熱線をヒットさせる、地球の中心はおろかその裏側まで貫通させるといった、その威力はもちろん、射程距離に関してもインフレ感が絶大なんですが、今回は熱線を吐くまでに少し時間がかかり、吐いた後に少し充填期間が必要な分、一発のその威力は当たった瞬間巨大なキノコ雲が立ち上り、辺り一面をまっ平にする衝撃波が襲い、そのあとに黒い雨が降るという原子爆弾のような威力。ゆえに歴代ゴジラの中でもトップレベルの破壊力かなと。
熱線を吐く兆候として、背びれが光るのは歴代ゴジラ共通の特徴ですが、この兆候にもこれまでのゴジラとは一味違う段階が加えられているので、見どころの一つとしてこれはぜひ映画館でご覧になってみてください。
ゴジラ-1.0に込められたメッセージ
実写版のゴジラにはその作品ごとにメッセージが込められていて、そのメッセージは反戦や環境汚染、環境破壊など様々なんですが、今回のゴジラも反戦のメッセージが込められているといえます。
アクターの方のセリフとしてそういった反戦メッセージがあからさまに出てくるということはないと記憶しているんですが、戦争は多くの命を奪うっていうだけでなく、甚大な物質的被害はもちろんのこと、人の精神的な面でも深刻なダメージがこれだけでてしまうんだよっていうシーンや描写が盛り込まれていて、戦争を知らないで育った私のようなものでも、決してやってはいけない行為というのを明確に教えてくれました。
「生き残ってしまった」
こんな感覚に苛まれるのってどんなにツラいか。
この映画、個人的な意見ですが、マジで神作品ですね。
ゴジラ-1.0 個人的な惜しい点
ちょっといいことずくめなレビューばかりなんで、個人的にちょっと残念に感じたといいますか、惜しい点も挙げておきたいと思います。
それは・・・
ゴジラが出てくるシーンが少ないということ。ゴジラ好きとしてはもうちょっとゴジラの登場シーンが多ければなお一層よかったのですが、今作は少しゴジラ登場シーンが少ないんですね。
ただ、これは人間視点での描写というか、人側のドラマも豊富に盛り込まれている作品なので、そのあたりの副産物として致し方ないのかなと。
実際その人側のドラマを豊富に盛り込んでくれているので、ゴジラマイナスワンの世界にドップリ入ることもできましたし。
今回のマイナスゴジラもひょっとして・・・ コンテンツネタバレ注意
※ココからは、映画のコンテンツに若干深めに触れているレビュー内容があります。
ご注意ください。
あと、これは残念と言いますか、気になった点。それはゴジラの防御力がちょっとゴジラにしては弱いこと。というのも、砲撃などで結構外傷を負っている描写があったんですよね。あと、もっかい観ないとはっきり言えないですが、熱線を吐いた後口周りが若干ただれていたような気もしましたし。(2回目観てきましたがやっぱりただれてました。)
先ほどご紹介したほどの熱線の威力ってのもあるんですが、基本生き物はもちろんのこと自身の相手に対する攻撃で自分もダメージを負うといった諸刃の剣的なことを避けるようにシステムされているので、自身の吐いた熱線でダメージが出るってのもちょっとアレですし。これまでのゴジラを考えると、いかな高威力な駆逐艦のミサイルや米軍製の爆弾とはいえ、それくらいのもので結構な傷を負うのはちょっと物理防御が弱いような気がします。
加えると、今回のゴジラ誕生の状況を鑑みると、あの威力のものを食らって、エラーが起きたとはいえ、消し飛ばずに異常進化した生き物がたかだか爆弾程度の攻撃の威力ででダメージを負うかなってのも気にかかるし。
確かに驚異の再生能力が備わってるんで多少は顧みずってことも考えられますが・・・
・・・
ひょっとして、これ、ゴジラ、わざとやってたのかな。
シンゴジラとはつながりはないオリジナルの作品ですが、シンゴジラもラスト、尻尾から小型の進化形態が飛び出す直前でした。
それをマイナスゴジが自身の皮膚、すなわちゴジラ細胞をまき散らすためにわざと・・・って言ったらちょっと語弊があるかもしれませんが、ソレ前提で防御力が弱くなっているとしたら・・・
いや、考えすぎですかね。単なるゴジラ好きのファン補正かな。はたまた・・・
そしてラストの典子さん(今回のヒロイン)のシーンのアレ。
1回目の鑑賞ではラスト感動すぎて、気づきませんでしたが、2回目の鑑賞でラストシーンに入り込んでいたところ
アレ・・・
背中が・・・
今回のマイナスゴジラもひょっとして・・・
気になります?ならばこれはもう映画館へGOするしかないですねw
恐怖が更に強調!ゴジラマイナスカラー
2024年1月に公開されたゴジラマイナスワンのグレースケール(モノクロ)版、ゴジラマイナスカラーも観てきました。
内容についてはマイナスワンと同じなので、内容に関するレビューは省きますが、こちらもカラー版に負けず劣らずの傑作でした。色の情報が極端に減った影響なのか、ゴジラの恐怖感がカラー版よりもさらに増してる感じがしました。
そして、アクターの方々の演技もカラー版よりも鬼気迫るものを感じることができましたし、ゴジラシリーズの中でも恐怖感が推しな一面があるゴジラマイナスワンの相性はマジ抜群。時代背景的にもバッチリマッチしているので、こちらも個人的にはぜひ見てほしいなと思います。
更に絶望感を味わうのであれば、マイナスカラー版がおススメかなと思います。
最後に
いかがだったでしょう。今回はゴジラ最新作「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」の映画レビューをさせていただきました。僭越ながら、私一度見た映画はあまり映画館でのおかわりはしないんですが、今回の作品はおかわりをココロに決めております。
おかわり時にまた感じたことがあれば、追記させていただきますね。熱線後の口の状態も気になりますし。
あ、そうそう今回の「ゴジラ-1.0」はゴジラ生誕70周年という節目の作品でもあり、作品には初代のリスペクトと思しきオマージュも多数ちりばめられております。もちろん、初代を観ずとも今回の作品は十二分に楽しめますが、ご覧になった後には初代ゴジラを観てみるとこれまた一層ゴジラの世界を楽しむことができると思います。
ではでは、今回はこのあたりで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
追記:先ほど少し触れましたが、2回目行ってきました。1回目は通常版、2回目は比較もかねてIMAX版で鑑賞させていただいたんですが、通常版でも十分ゴジラの迫力と恐ろしさ(魅力)は感じられますが、やはりゴジラっていう特性上IMAXだとその効果がよりマシマシになる感じですね。
あんまパンフレットとか買わないタチなんですが、今回買っちゃいましたw
コードネーム、No.30・・・
このあたりもなんか最高。
更に追記:2024年1月にモノクロ版マイナスゴジラが公開されるようですね。モノクロゴジラは数あるゴジラの中でも初代とゴジラの逆襲のみ。こちらのゼヒ観に行かねばですね。※こちらも観に行きました。感想は記事内ご参照をば・・・
更に更に追記:ゴジラマイナスワン。なんとアカデミー賞ノミネートされたようで、これは邦画はもちろんアジア圏では初の快挙とのこと。本当におめでとうございます。この勢いでアカデミー賞も蹂躙してほしいですね。この場をお借りし、お祝い申し上げます。
更に更に更に追記:祝アカデミー賞視覚効果賞受賞!!本当におめでとうございます!
更に更に更に更に追記:2024日5月3日よりアマゾンプライムで配信開始!マイナスカラーとシンゴジのオルソも同時配信、後過去作ゴジラシリーズもまたプライム復活でゴジラカーニバルしているので、是非ぜひゴジラに浸ってみては?