こんにちは。えたばりゅです。
今回はスマトラサイという非常に珍しいサイの仲間をご紹介したいと思います。サイといえば、アフリカに生息するシロサイやクロサイ、そしてインドなどに生息しているインドサイなどが有名どころですが、この他にも2種類のサイの仲間が生息しているんです。
今回は、その1つであるスマトラサイにスポットを当てて、ご紹介しようと思います。というのも、このスマトラサイ、実は古代のサイの地を脈々と受け継いでいる種と考えられているんですね。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
超希少種!古代のサイの血を受け継ぐスマトラサイの生態に迫る!
スマトラサイは英語名を「Sumatran rhinoceros」、「Asian twohorned rhinoceros」、または「Hairy rhinoceros」、学名を「Dicerorhinus sumatrensis」という、ウマ目サイ科スマトラサイ属に属するサイの仲間で、食性は植物食、シロサイやクロサイなどと同じく、草や木の葉を食べるほか、生息地域が熱帯雨林ということもあり、果実なども食べたりします。
体長は約2.8mほどと、シロサイなどと比較すると小柄で体重も大きい個体で約1tほど、現生のサイの仲間の中では、一番小柄なサイなんですね。また角も2本映えておりますが、他のサイと比較するとその長さもかなり短く、前の長い方で約50cmほど。この短い角もスマトラサイの特徴といえます。
そして、スマトラサイには角の長さの他にも、他の差異にはあまりない特徴を兼ね備えているんですね。
スマトラサイには体毛が生えている!
そうなんです。実はスマトラサイには、他の多くの哺乳類のように体毛で覆われているわけではありませんが、体毛が映えているんですね。特に耳やお尻の辺りはより顕著に映えている傾向があり、これは他のサイにはほぼ見られない特徴なんです。
それにしても、スマトラサイの生息地は、ボルネオ島やスマトラ島などの熱帯地方の森林地帯。熱帯雨林だと体毛が生えていると、体温が逃げにくいイメージがありますが、なんでスマトラサイには毛が生えているんでしょうか。
実はスマトラサイは太古に生息した古代種の血を色濃く受け継いでいる
スマトラサイに体毛が生えている理由としては、古代に生きたケブカサイという古代サイの血を色濃く受け継いでいるからだと考えられているんです。
ケブカサイとは、氷河期に生息していたサイの仲間で、マンモスやオオツノジカなどと共にユーラシア大陸に生息していました。その名前の通り、ケブカサイは全身が長い体毛に覆われていて、これで厳寒の氷河期において、自身の体温が逃げるのを防いでいたと考えられているんです。
シロサイやクロサイ、そしてインドサイにジャワサイといった現生のサイはこのケブカサイから派生していったと考えられているんですが、中でもスマトラサイは現生のサイの仲間の中でも原始的な種と考えられており、現生のサイの中では一番ケブカサイに近縁であると考えられているんです。
このように脈々と代の血を受け継いでいると考えられているスマトラサイですが、現在、非常に絶滅が危ぶまれているんですね。
スマトラサイは現在絶滅に一番近いサイ その数はたった80頭
サイの仲間は、その角が原因で乱獲されており、どの種も現在絶滅が心配されているのですが、そんな際の中でも、スマトラサイは絶滅に一番近いサイという風に考えられていて、全世界にたった80頭しか生息していないと推測されているんですね。
このようなこともあり、IUCN(国際自然保護連合)ではスマトラサイはCR(絶滅危惧 ⅠA類)にランクして手厚い保護の必要性を訴えているんです。
ただ、数が致命的といわれるほどに激減してしまっているのでオスとメスが出会う確率が非常に少ないことに加え、スマトラサイは飼育個体でも繁殖に成功することは非常に少なく、今までほとんど成功事例はないんです。
このような事態なので、インドネシアなど生息地域では国を挙げての保護政策が執り行われておりますが、繁殖プロジェクトは難航しており、残念ながらマレーシアのスマトラサイは最近絶滅してしまいました。
このような状況でも密猟は後を絶たず、スマトラサイはじめ、他のサイたちは現在も密猟者によって殺害されているんですね。
その理由はサイの角。この角が、装飾品として利用されたり、漢方など東洋医学において、薬用効果があると信じられているためなんですね。とはいえ、サイの角の成分は私たち人間の髪の毛や爪と同じケラチンで出来ているので、そういった効能はないとされているんです。
サイのためにも、私たち消費者はそういったものは求めないようにしていかないとですよね。
最後に
いかがだったでしょう。今回はスマトラサイという、非常に希少な差異をご紹介させていただきました。古代種の血を色濃く受け継いでいるというのは、やはりロマンを感じてしまいますよね。
そんなスマトラサイも、現在は非常に絶滅が危ぶまれております。何とか絶滅してしまわないよう、私たちもできる最大限のことをやっていかねばですね。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。