個性あふれる日本在来種たち

日本の全野郎憧れの的オオクワガタを一緒に守っていこうぜ!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、野郎の憧れの的、我らがオオクワガタのご紹介をさせて頂こうと思います。子どもはもちろん、大人まで幅広い年齢層を虜にする魅惑の昆虫オオクワガタ。もうこの名前を聴くだけでなんかテンション上がりますよねw

ただ、憧れが強い分、ちょっと危惧すべきところもありましてですね。

では、早速そんなオオクワガタの魅力とオオクワガタに迫りつつある現状に迫っていきたいと思います。

子どもはもちろんいい年した野郎のココロも鷲掴みにする黒きダイヤオオクワガタをレッツプロテクト!

~深き森林に君臨する幻の黒きダイヤ~

オオクワガタは学名を、「Dorcus hopei binodulosus」、英名を「Giant stag beetle」という、コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属に属するクワガタの仲間で、日本に生息するクワガタの中でもオスが最大約7,5cm メスが最大約5cmと最大級の大きさを誇るクワガタです。飼育下ではそれ以上の大きさになることもあり9cmを超えるものもいるようですね。

生息する場所は比較的標高の低い山林の落葉広葉樹林。主にブナ林や台場クヌギ(人為的に伐採された木の切り株などからまた新たに芽や幹などを伸ばしたクヌギ)での目撃例が多く、その木の洞(うろ)を好んで生活の場としています。

こちらが凛々しいオスの姿。

そして、こちらがかわいいメスの姿。

ご覧の通り、オスは立派なハサミ状の大アゴがその最大の魅力となります。一方、メスはご覧の通り全体的に丸みを帯びたフォルムで、このツルンとした容姿がなんとも可愛らしいですよね。

オスに関してはその大あごの形状などから、比較的他の種類のクワガタとの選別は簡単(ただし、同じ越冬タイプのヒラタクワガタやコクワガタではけっこう比較難易度は高め)ですが、メスはどの種類のクワガタも、ほぼ同じようなフォルムなので、私たち素人目にはなかなか見分けが付きにくいですよね。判別目安として、オオクワガタのメスは他の種と比較して、外羽根のところの筋が割とはっきり確認できるのが特徴です。

魅惑のオオクワガタ その性格と生態

オオクワガタの活動時期は初夏から初秋にかけてで、その寿命は、約4年ほどとされていますが、飼育環境では5年以上生きる事例も多くあります。幼虫からさなぎの時期を経て成虫へと変貌します。ちなみにオオクワガタなどのクワガタ類はじめ、コウチュウ目に属している昆虫は、幼虫の姿と成虫の容姿がまったく異なるのが特徴で、ちなみに幼虫から蛹の時期を経て成虫となる姿を「完全変態」といいます。

こちらがオオクワガタの幼虫の姿。ご覧の通り、幼虫期はいわゆるイモムシ型をしており、成虫の頃とは全く違う姿をしているんです。

そして、完全変態を遂げ、成虫になると、気温が下がる冬季は冬眠状態に入ります。ちなみにクワガタの種類には、ノゴギリクワガタやミヤマクワガタに代表される、成虫になるとその晩秋には寿命を全うする種と、このオオクワガタやヒラタクワガタ等に代表されるクワガタのように越冬する種があります。越冬するタイプは木の洞などに入り込んで越冬しやすいように平べったいフォルムをしているのも大きな特徴といえます。

オオクワガタは主に夜行性ではありますが、活発というよりは、住処を決めて、その場で生活することが多く、飛翔することもあまりありません。その性格もかなり臆病な性格で少しでも危険を察知すると、木の洞などにすぐに隠れてしまいます。摂取するものも普段は樹液を栄養源としており、超攻撃的なフォルムを持つ割にはその性格は穏やかな傾向にあります。ただし、他の多くの動物たちがそうであるように、産卵期に関しては例外で、特にメスは超肉食系女子に変貌 。より多くの栄養源を確保するため、タンパク源を求めるようになるんです。ぶっちゃけていうと他の昆虫を捕食したり同種の死骸を食べたりすることもあるんですね。

これは、恥ずかしながら、私もトナカイがレミング(ネズミの一種)を食べると知ったとき以来の超驚きでした。 やはり、子孫繁栄にはそれだけエネルギーが必要ということでしょうか。。。ちなみに、このアゴでは挟まれた時、見た目的にもちろんオスに挟まれたほうが当然痛そうですよね。しかしながら実際には、メスには挟まれたほうがかなり痛いです。別種ですが、経験から。

オオクワガタとコクワガタの珍しい亜種間での交雑種も存在

先ほどチラッとご紹介した、オオクワガタと同じ越冬タイプである、コクワガタという種類がいるて、こちらのほうは野生個体も多く、比較的よく目にされるどちらかといえば身近なクワガタなのですが、このコクワガタとオオクワガタの交雑種も、そんなに頻繁ではないですが確認されております。

ちなみに自然界でも、このように近縁種同士の交配は稀にあるようで、他に例を挙げると、ホッキョクグマとグリズリー、オオカミとコヨーテなどの交雑種などが知られています。人為的な要素では、ライオンとヒョウ(レオポン)やライオンとトラ(ライガー)、そしてオオカミとイエイヌ(ウルフドッグ)など。

また、人の他国間の往来が原因になり、本来その地域に生息していない種とその国の固有種が交配し、その固有種の血筋を脅かす問題も近年表面化されてきております。例に挙げるとハブとタイワンハブ、オオサンショウウオとチュウゴクサンショウウオ、タンポポとセイヨウタンポポなど。

その貴重さゆえ・・・

オオクワガタは日本のクワガタでは最大級の大きさを誇っていることに加え、先ほどご紹介したようにあまり活動的でない性格、そして元々個体数があまり多くないことなどから、多くの世代の野郎を中心に憧れの的となっており、「幻の黒いダイヤ」と称されるほどです。

ただ、そこには必ず、付きまとうものがありましてですね。それは、金銭価値。このオオクワガタも希少性やその人気の高さから、かなりの金銭的価値が生じてしまい、ただでさえ個体数が少ない中、販売・飼育目的での乱獲が進み、現在ではかなり数を減らしているのが現状です。

なので、現在環境省ではオオクワガタはVU(絶滅危惧 Ⅱ類)に分類していて、絶滅が心配される生き物として分類しているんですね。

ただし、これは日本国内という大きなカテゴリ上の状態であり、都道府県別に見るとその地域ではさらに深刻な状態の地域もあります。

オオクワガタ 日本のレッドデータ検索システム

色が付いていないのは、島根県・和歌山県・富山県・静岡県・高知県の5県のみで、あとの都道府県に関しては全て、その生息数は危険な状況といえます。(福島県・青森県については情報不足)このような生息数の減少の原因は、採集目的で生息地域に入った人間が、オオクワガタを見つけるためにその住処である木の洞を破壊してしまう、あるいは開発などによる生息地域の破壊や、海外から持ち込まれた亜種が飼育環境から逃げ出し、その亜種と交雑を行ったりする、いわゆる遺伝子汚染などが挙げられます。

やはり、オオクワガタの個体数を回復させるためには、まずはしっかりと生息地域・生息環境を確保することが、肝要になるかと思います。また、むやみに生息地域に押し入って、オオクワガタの住処である木の皮を剥いだり、ナイフなどで木を傷つけて無理やり樹液をその木から出すなどの行為は、オオクワガタの住む場所を奪うばかりでなく、他の昆虫や動物達にも多大な影響を及ぼす可能性があります。

また木を傷つけるという行為は、もちろんその木の寿命も縮めることになりますので絶対にしないようにしましょう。そしてオオクワガタを見つけても、ひっそりとその場で暮らしている存在。しかも、今は絶滅しかかっている保護が必要な存在となっておりますので、そっとしておくことを個人的にもお願いできればと思います。

最後に

いかがだったでしょう。静かな森でひっそりと暮らすオオクワガタ。その魅力あるフォルムに魅了されるのは無理もないところであるとは思うのですが、やはり今では希少な存在といえます。その生息数が回復するよう、見守って生きたいものですよね。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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