こんにちは。えたばりゅです。
自然界にたくましく生きる野生動物たち。強い者、優美な者、様々ですが、その姿と生きざまは、もはやカリスマといっても過言ではありません。
このコーナーは、そんな自然界に生きる様々な魅力あふれる野生動物たちにスポットを当ててご紹介するコーナーです。こちらでご紹介する動物が好きなあなたに楽しんでいただき、またさらに、その動物に興味を深めるコンテンツになっていますので、ぜひ最後まで楽しんでいただければと思います。
今回ご紹介するのは、ウスバカマキリというカマキリの仲間。
実は、このウスバカマキリ。他のカマキリたちとは少し違った、魅力的な特徴も兼ねそなえているんですね。では、さっそくご紹介していきましょう。
ウスバカマキリ 他のカマキリとは一線を画すその特徴とは
え・・・でもカマキリって、そのあたりに結構居ない??
って思われたかもしれませんね。
確かに、同じカマキリでも、
- オオカマキリ
- ハラビロカマキリ
- コカマキリ
といった種類、特にオオカマキリは比較的街中でも、少し広い公園や、草の茂った空き地などに行けば、比較的よく目にする昆虫であります。
しかしながら、今回ご紹介するウスバカマキリは日本ではかなり希少な昆虫になりつつあるんです。
ではまず、ウスバカマキリの基本的なスペックをご紹介していきましょう。
ウスバカマキリの基本スペック
ウスバカマキリは、学名を「Mantis religiosa」という、カマキリ目カマキリ科に属する昆虫で、他のカマキリと同じく、肉食で他の昆虫などを捕食して生活しております。
体長はオスが約5cm、メスが約6cmほどの大きさとなっており、カマキリのサイズとしては中型サイズというところでしょうか。
ウスバカマキリの特徴
ウスバカマキリはこの写真ように、オオカマキリと同じく緑色型の他、褐色型が存在し、他のカマキリたちと同じく、夜になると目が黒く変色します。
また、姿かたちも、オオカマキリやチョウセンカマキリによく似ており、一見すると見分けがつきにくいです。
さらに後述しますが、生息地もこの2種と結構重なっているんですよね。
では、どういった特徴でウスバカマキリと判断できるのか。
それは、前脚(鎌の部分)の内側にその秘密があるんです。
このように、ウスバカマキリの前脚の内側には楕円形の黒い模様が付いており、ここがオオカマキリやチョウセンカマキリとは違った特徴なんです。
オオカマキリは、こういった黒い楕円模様はなく、前脚の付け根が黄色、またはエンジ色になっており、チョウセンカマキリは付け根が山吹色となっており、ここでこの3種を見分けることができます。
また、こういった模様の違いほど決定的な特徴ではないですが、ウスバカマキリが持つ、もう一つの素晴らしく魅力的な特徴をご紹介したいと思います。
他のカマキリとは一線を画すその優美さ
実はウスバカマキリ、とても美しいフォルムをしているんです。
カマキリというと、やはりオオカマキリのようにドシッとした重量感、迫力たっぷりのカマキリを想像しますよね。
こちらがオオカマキリのメス。上のウスバカマキリに比べ、重厚感がありますよね。
このように日本に住むカマキリの多く、特にメスはドシッとした体格をしており、飛ぶことはほぼできません。
羽の使い道といえば、もっぱら外敵が近づいてきたときに、自分の身体を大きく見せるための威嚇として使用します。
しかしながら、このウスバカマキリはすらっとした体形をしており、
オス・メスともに飛翔することが可能。
こちらは、ウスバカマキリが飛翔する姿が動画に収められておりますので、良ければご覧になってみて下さい。
いかがでしょう。その飛翔する姿も、どこか優雅さが垣間見え、気品漂う姿ですよね。
このように、オス、メスともに飛翔できるというのも、ウスバカマキリの持つ他のカマキリたちとは違った特徴といえます。
ウスバカマキリの生息地
ウスバカマキリはオーストラリアやヨーロッパなど、世界的に広く分布しており、世界的に見ると、最も一般的なカマキリなんですね。
なので、単に「カマキリ」というと、世界的にはこのウスバカマキリのことを指すことが多く、日本での認識とは少し違いますね。
ちなみに、日本で単にカマキリといえば、チョウセンカマキリ、もしくはオオカマキリを指すことが多いです。
その日本でのウスバカマキリの生息地は、北海道南西部から南の地域に幅広く分布しております。
と、ここで、こういった疑問が湧いたのではないっでしょうか。
え・・・。ウスバカマキリって本当に珍しいの??
先ほど、冒頭で希少になりつつあるカマキリとご紹介させていただきました。
しかしながら、ウスバカマキリは世界的に、もっとも一般的なカマキリであり、日本でも北海道から南には生息していることは先ほどお伝えさせていただきました。
ではなぜ、中々出会うことができないのか。
それには、こんな理由があったんです。
ウスバカマキリ 日本の生息地域によっては絶滅危惧種
実はこの、ウスバカマキリ。
世界的には一般的ですが、日本ではオオカマキリなどに比べると、
元々その個体数は少なめ。
しかも、北海道南西部より南に生息しているとはいえ、かなり地域が限定されます。
さらに、生息地の破壊などにより、場所によっては、絶滅危惧種に指定されているんですね。
ウスバカマキリの日本国内における地域別保全状況については、
- 大阪府
- 兵庫県
が最も絶滅の危険性が高い絶滅危惧Ⅰ類
- 青森県
- 茨城県
- 群馬県
- 岐阜県
- 愛媛県
が次に危険性の高い絶滅危惧Ⅱ類
- 山形県
- 石川県
- 島根県
も準絶滅危惧種に指定されており、生息状況は悪化しております。
このように地域によってはウスバカマキリはかなり数を減らしており、手厚い保護が必要なことは間違いない事実。
特にⅠ類に分類されている兵庫県と大阪府は要注意ですね。
ちなみにⅠ類がどれほど危険かというと、野生での自立生息が難しいほど、数が減っている状態となります。
最後に
いかがだったでしょう。今回はメジャーな割に少し出会うのが難しいウスバカマキリをご紹介させていただきました。
勇猛果敢で、いろんな意味でオスキラーなイメージ(交尾時にオスはメスに美味しくいただかれる場合があります。)のあるカマキリですが、このように少し上品な雰囲気漂わせるカマキリもいるとは、本当にカマキリといっても奥が深いといえるのではないでしょうか。
そんなウスバカマキリ。ぜひ日本でも一般的なカマキリといえるように生息数を回復させたいものですよね。
では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。