愛犬・愛猫と良好な関係を築くために

元動物保護施設スタッフが教える愛犬を甘やかしすぎることで発生する重大なリスク

こんにちは。えたばりゅです。

最近SNSなどでも、超絶可愛い仔犬や仔猫の写真が拡散されていたり、TVなどでも、まるでぬいぐるみのようなモコモコの仔犬や仔猫が画面をちょこちょこと動き回っていたりして、あのような姿を見ると本当に癒されますよね。

あのように仔犬や仔猫が可愛く動き回る姿を見て、ペットと共に暮らされる決心をされる方も多いと聞きます。

でも、やはり画面越しに眺めるのと実際に接するのでは、その可愛さは数万倍も違い・・・

そしてあまりにも可愛いのでついつい甘やかしてしまう・・・。

ペット暮らしあるあるですよね。

でもその甘やかしが後々のシャレにならない落とし穴になることも・・・

今回は特に仔犬の時に甘やかし過ぎてしまうと、後々どのような危険が潜んでいるかを、ご紹介させていただきたいと思います。では、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

愛犬を甘やかしすぎることに潜む危険 取り返しのつかない事態に陥ることも

人と同じく仔犬、または仔猫の頃には様々なことを学習しながら育ちます。

もし人の子どもを甘やかし放題で、欲しいものをすべて買い与え、好きなものばかりを食べさせ、子どもの欲求をすべてかなえるような育て方をされた子どもがどのような大人になるか。

これは想像に難くないのではないでしょうか。それと同じことなんですね。

そして、通常であれば仔犬、仔猫は幼少期の頃に犬としての、そして猫としての教育を母親から教育されます。犬であれば、社会性動物なので他の犬との接し方、そして序列関係などを、母親からはもちろん、一緒に生まれた兄妹たちとの遊びの経験を糧にして、育ちます。

しかし今ではそういった教育がなされないまま、親元を離れる仔犬も多く、他の犬との接し方を学ばないまま大きくなる個体も増えております。

それでは、大事な成長期に仔犬を甘やかしてしまった場合、後々どのような問題が起きるかをご紹介していきましょう。

愛犬を甘やかしすぎることで起きる可能性のある危険性CASE1. すぐに吠えるようになる

吠える、鳴くということは犬にとっての意思表示。

しかしながら、吠えると一口に言ってもその意思表示は様々であり

  • 自分が知らない気配やにおいを感じたとき
  • 何か自分の要求を伝えたいとき

など警戒している時はもちろん、自分の意志を伝えたい時にも吠えたり鳴いたりするようになります。中には幼少期に甘やかされて大きくなってしまったばかりに、自分の要求が叶うまで吠え続ける個体もいます。

こういったとき、何が問題か。

これはご想像に難くないのではないでしょうか。そう、ご近所トラブルです。例えば、自分が家でゆっくりしているときに隣の家の犬がずっと吠え続けていたらどうでしょう。もちろんご近所にはペットなどが苦手な方もいらっしゃいます。そんな方がずっと犬の吠え声や鳴き声を聞かされてるというシチュエーション。

間違いなくトラブルの予感がしますよね。

愛犬を甘やかしすぎることで起きる可能性のある危険性CASE2. 咬むようになる

咬むというのは犬としては極々自然な行為。犬の世界には法律というものはありません。犬同士で自分の欲求を満たしたいとき、相手がそれに従わない場合は実力行使になります。

すなわち、咬むということですね。

ただし、犬は猫と共に人間の伴侶動物としての選択をしてくれた動物。人間の世界で、この咬むという行為はトラブルを招くことが多いです。

幼少期に甘やかされて育った個体はわがままな性格になりやすく、自分の意思にそぐわない行為をされた時、安易に咬むようになってしまいます。またボス気質の強い子は、自身を甘やかしてくる飼い主さんを、不甲斐なく頼りないヤツ、すなわち、群れのリーダーには相応しくないと判断して、この群れを守るためには自分が取って代わるしかないと思ってしまうこともあるんです。

そしてこの咬むという行為は、上記の吠えるといったものよりトラブルが複雑化する可能性があります。

なぜかというと、咬むというのは場合によっては殺傷行為になってしまうからです。特に咬むという行為に及んだのが大型犬クラスであった場合、この危険性はさらに増します。

そして、トラブルになるのは、人を咬んだ場合でもそうですが、ほかの飼い犬などのペットを咬んだ場合も、もちろん咬んだ犬の飼い主の責任は生じることになります。

ペットの犬が他の飼い犬をかみ殺した事例

1つ目は少し前の事件になりますが、とある高速道路のSA(サービスエリア)にあるドッグラン広場で4匹のアメリカンピットブルテリアがチワワを集団でかみ殺した事件。アメリカンピットブルテリアという犬種を知らない方のために少し説明させていただくと、簡単に言えばアメリカ版土佐犬というところです。簡略呼称のピットブルという方が知られているかもしれません。闘犬用に交配された犬種で土佐犬と同じく、様々な勇猛な犬種を交配させながら生まれてきた犬種。

土佐犬よりは一回り体格は小さいものの、顎の力も非常に強く、口もかなり大きいです。そして、体は全身筋肉の塊。チワワの方は説明するまでもないのではないでしょうか。いわゆる愛玩犬として交配された世界一体が小さい犬種です。

なぜこのような事件が起きたかというと、ピットブルの飼い主が小型犬用のドッグランにあろうことか、ピットブルを離し、自分はその場を離れてしまったのが事件の原因とされております。

高速道路のSAのドッグランといえば、おそらくチワワの方も飼い主とこれから遠出をする予定、もしくはその後だったことが予想されます。楽しい旅の思い出が忘れられない悲劇になった事例です。

2つ目は友人が教えてくれた事件。

友人の知り合いの犬(シェパードとボーダーコリーのMIX)が別の知り合いのミニチュアシュナウザーをかみ殺してしまった事件。こちらも高速道路ではないですが、同じドッグランというシチュエーションで起きてしまった事件です。

友人曰く、そのシェパードとボーダーコリーのMIXの飼い主は自分の飼い犬を日ごろからかなり甘やかしていたそうです。

詳しくはこちらの記事をご覧いただけましたらと思います。

おいらの忙しい一日

いかがでしょう。吠えるということはもちろん、咬むという行為がいかに深刻なトラブルになるかお分かりいただけたのではないでしょうか。ではこういった自我が出やすい犬種をいくつか紹介しておきたいと思います。

  • 柴犬などの日本犬
  • トイプードル
  • ミニチュアダックス
  • チワワ

日本ではよく見る人気の犬種ばかりではないでしょうか。実際にウチの愛すべき内弁慶、ミニチュアダックスのたれ目ちゃんこと、ラム君。今でこそお年が少し進んだので丸くなりましたが、迎え入れた当初は私以外の家族全員を咬んでおります。

もちろん、これらの例に挙げた犬種が出やすいといいましたが、他の犬種が全くでないかというと、もちろんそんなことはありません。こういった吠える、咬むといった行為は飼い主のある原因に起因するところがそのほとんどを占めます。

犬がこういった行為に及ぶということは飼い主をリーダーと認識していない

犬の問題行動は、

  • 十分な運動をさせていない
  • この飼い主がリーダーになれていない

ということでほとんどが片付きます。犬は人間と同じく群れを成して生活する社会性動物。そういった動物には人間含め、基本的に群れを束ねるリーダーが存在します。

犬の社会では人間以上に序列が厳しい世界。リーダーは絶対の存在なんです。

もしリーダーが老齢化などでその実力にそぐわなくなってくると現リーダーは淘汰され、次世代のリーダーがその群れを束ねることになります。

一見厳しい感じもしますが、群れのリーダーが頼りないと、群れの死活問題に直結するからです。

もし、飼い主であるあなたが群れのリーダーにふさわしくないと判断されてしまうと、犬たちは上記のような問題行動を起こすようになります。

こういったことをお伝えすると、犬に言うことを聞かせるために

  • 犬に対してヒステリックに叫ぶ
  • 力づくでいうことを聞かせようとする

という行為に及ぶ方がおいでですが、それは良きリーダーとは言えませんし、そもそも接し方としては間違っているの一言に尽きます。

例えば、あなたの会社の社長が事あるごとにヒステリックになったり、暴力で服従させようとしたならば、あなたはその社長を心底尊敬できるでしょうか。その社長が経営する会社ののために寝食を惜しんで勤務に励むでしょうか。もちろんそうではありませんよね。

寝食を惜しむどころか、おそらく、転職を考えられるのではないでしょうか。

これは犬も同じなんです。

良きリーダーの条件とは・・・

  • 毅然とした態度で、物事に動じない
  • 穏やかである
  • 有事には何があっても群れを守る意思がある

などなど

やはり、こういった雰囲気を持つ飼い主をリーダーとして仰ぎたい。

これは犬でも一緒なんですね。

ですので、仔犬の時からのこういった教育は重要といえるんです。これは、何も仔犬だけでなく保護施設などから成犬を迎えた場合も同じことが言えます。

よく咬まない子、大人しい子という要望をお聞きしたりしますが、

一番大切なのは飼い主様がよきリーダーとなっていただくこと。

これに尽きます。

飼い主様が良きリーダーになれていなければ、どんな大人しい犬も吠えるようになりますし、咬まない犬も場合によっては咬むようになってしまうんです。

・・・とまぁ、いかにも自分の経験則でものを言っているよう(実際それもあります)ですが、これは、僭越ながら私が勝手に師と仰いでいるあるお方のお言葉でもあります。

その方とはご存知の方も多いのではないでしょうか。アメリカのカリスマドッグトレーナー、シーザーミラン氏。

そのお方についてはこちらの記事で詳しく記載しておりますので、よければご覧ください。

シーザーミランというカリスマドッグトレーナーがマジカリスマな件

いかがでしょう。リーダーになることの大切さがお分かりいただけるのではないでしょうか。

最後に僭越ながら、私の個人的意見として、犬や猫などのペットとの生活で良好な関係を保つために大切なことをご紹介したいと思います。

愛犬や愛猫たちと良好な関係を続けていくためにはペットを擬人化しないことが大事

ペットは家族の一員。それは私も同じ意見であり、全く相違はございません。

実際に私も現在の愛すべき内弁慶、ラム君ももちろん大切な家族ですし、それはこれからも揺らぐことは絶対にありません。

ただ

犬は犬であり、猫は猫である。

そのほかも動物も然りでございます。

は??何当たり前の事言ってんの?

と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしこの認識がない方、意外と多いんです。

例えば、「○○ちゃん、ずっと言ってるのに同じこと繰り返す」とか、「そこら中に用足しをする」とか。

当たり前なんですよ。

犬なんですから。猫なんですから。

いわば、できなくて当たり前。そして、犬や猫たちにとって用足し(マーキング)は本来自分の行動領域(テリトリー)を他に示す重要な指標でもあるんです。

これを自分の感覚、いわば人の感覚で当てはめて考えるから、同じことを繰り返されたり、意にそぐわない行動をされてしまうとイライラするし腹立しくなる。それをしてくれるようになるまでは根気よく接することが大事なんです。

大事な家族であることは紛れもない事実。

ただし、犬や猫などペットを人間と同族として考えてはいけません。

同族でなくとも家族にはなれるはずです。家族というものは人間という一種族をもって構成されるっていう法律ももちろんありませんしね。

そして、家族である以上、しっかりと人間社会になじめるようにしてあげるのも飼い主様の責任です。ペットを人と同じ感覚で考えるから上手くいかないことや悩み事も増えるわけでございます。

生物史上一番脳を発達させた動物、私たちヒトという種ですら、同じ過ちを何度も繰り返すのに、ペットがそれをするのは至極当たり前と思うのですが、いかがでしょうか。

最後に

いかがだったでしょう。今回はペットを甘やかすことによって起きる後々の代表的な問題2点をご紹介させていただきました。

甘やかすことによってもたらされる問題は対人ばかりでなく、大事なペットたちの健康をも害することがあります。

例えば、欲しがるのでついつい人が食べるコロッケや唐揚げ、お菓子などを与えてしまう。

これはその時はペットたちは喜ぶかもしれませんが、後々に治療不能な糖尿病などをはじめ、重篤な病気の元となる可能性もあり、結果大切なペットの寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。

やはり、大事な家族。しっかりとした、本当の愛情を持って接していかないとですね。では今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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