魅惑の野生動物たち

無敵の猛牛(ブル)アメリカバイソン 成長すればほぼ敵なし!

こんにちは。えたばりゅです。

自然界にたくましく生きる野生動物たち。強い者、優美な者、様々ですが、その姿と生きざまは、もはやカリスマといっても過言ではありません。

このコーナーは、そんな自然界に生きる様々な魅力あふれる野生動物たちにスポットを当ててご紹介するコーナーです。こちらでご紹介する動物が好きなあなたに楽しんでいただき、またさらに、その動物に興味を深めるコンテンツになっていますので、ぜひ最後まで楽しんでいただければと思います。

では、さっそく今回の野生動物、アメリカの不朽の猛牛アメリカバイソンをご紹介していきたいと思います。

ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

アメリカバイソン アフリカの親戚とよく混同されるちょっと残念な雄々しき猛牛

アメリカバイソンは、英名を「American bison」、学名を「Bison americanus Brisson」という、ウシ科バイソン属に属する牛の仲間で、カナダからアメリカ合衆国にかけて生息しております。その体長はオスは約3.5m 。体重約800kgにもなり、今迄での記録に残る最大の体重は約1.7tと、驚愕の大きさを誇ります。

このように大きく立派な体格を携えた、アメリカに住む荒くれもの。成長しきってしまえば、ほぼ無敵の存在であります。


動画に映っている車と比較していただくとバイソンのその大きさがお判りいただけるのではないでしょうか。

幼獣期のアメリカバイソンは、オオカミやクーガー(ピューマ)に捕食されることはあるものの、成長し、気力・体力共に全盛期の成獣には、これといった天敵は存在しません。ただ、群れからはぐれた個体や老齢、病などで体力が落ちている個体はオオカミやグリズリーには稀に捕食されることもありますね。バイソンといえば、荒野に住んでいるイメージが強いですが、実際には森林地帯や草原地帯などの緑が豊かな場所に生息しております。

そして、このバイソン。よくアフリカに住んでいる親せきとよく混同されることがあるんです。

アメリカバイソンの叫び バッファローと呼ばないで

その親戚とはアフリカにすむ、アメリカバイソンに勝るとも劣らないような、巨大な猛牛で、アフリカスイギュウと呼ばれるウシ科の野生動物。通称バッファローと呼ばれています。アフリカスイギュウはその名の通り、アフリカに生息しており、その体長はアメリカバイソンとほぼ同等で、約3.5m。体重約800kgほどになります。その気性も荒く、日本では特定動物に指定されており、個人間での飼育などには厳しい制限が設けられております。

最大の特徴は湾曲した大きな角。この角を用いて天敵のライオンなどを撃退することも多くあります。

こちらがそのアフリカスイギュウ。

そしてこちらがアフリカ・・・じゃなかったw アメリカバイソン。

いかがでしょう。このように並べてみると、その容姿の違いが一目瞭然であることがお判りいただけるのではないでしょうか。混同してしまう理由として、アフリカとアメリカ。場所は全然違いますが、文字にすると「フ」と「メ」だけの違いであり、そんなに興味がない方からすれば、生息地を気にすることもなく、また両者ともに巨大で立派な体躯を誇り、その性格も勇猛であることが、混同される原因かなと考える次第でございます。

ちなみにバッファローについてはこちらの記事でその魅力をふんだんにお伝えしておりますので、バッファローについてのコンテンツをご所望であればこちらの記事をぜひご覧いただければと思います。

バッファロー ライオンやトラも一目置く荒くれ草食系のもう一つの顔

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そのイメージとは違う意外な性格

アメリカバイソンといえば、やはり勇猛果敢な猛牛というイメージが強く、実際交配気に差し掛かると、メスをめぐってオス同士が争う姿も良く目撃されております。

アメリカバイソンが争う姿は迫力満点ですが、その争いが熾烈化して命に関わる争いになることはほとんどなく、多くの場合、何度か角を突き合わせることでその優劣は決着します。

とはいえ、やはり野生動物なので、あまり近づきすぎると、自らを守るため、こちら側を攻撃することはあり、実際に現地ではアメリカバイソンに近づきすぎた観光客が襲われ、けがを負う事故も起きておりますので、猛牛というアメリカバイソンが持つ性格のイメージはあながち伊達ではないということが分かります。

実は2種類いるアメリカバイソン

現生のバイソンは欧州に生息するヨーロッパバイソンとアメリカ大陸に生息するアメリカバイソンに大別されるのですが、アメリカバイソンは更にヘイゲンバイソンとシンリンバイソンという2種類のバイソンに分けられているんです。その姿も、微妙に違い、シンリンバイソンはヘイゲンバイソンよりも肩がガッチリ盛り上がった体系をしていて、ヘイゲンバイソンよりもさらに大型になることが多く、かつて生息していたステップバイソンという現生バイソンよりも大きなバイソンにその姿がは似ているとされているんです。

こちらがヘイゲンバイソン。

そしてこちらがシンリンバイソン。

ヘイゲンバイソンと比較して肩の盛り上がりが顕著なのが画像からも伝わってきますよね。

また、ジャイアントバイソンというバイソンが氷河期の北米に生息してたことが分かっており、こちらに関しては出土骨格が一部のため正確な数値は確定していないものの、出土した頭部の化石から推察されている体長はなんと最大5m近く、体重はなんと2tに上った可能性があるんですね。

これが全身骨格などの出土により確定すれば、既知のウシ科の動物では史上最大クラスになることになります。

・・・デカすぎますよね。

地域で進むバイソン再生計画 オオカミと同じく再導入される

かつてはこのアメリカバイソン。アラスカやメキシコの北部にかけて幅広く生息しておりましたが、開拓時代に突入してから、多くの生息地で絶滅してしまいました。

かつて、オオカミも人が連れ込んだ家畜を襲う害獣として、駆逐された経緯がありますが、それに伴い、オオカミがいることで保たれていた生態系が崩壊。各地で農作物などを野生動物に摂食される事態が頻繁に起こったため、イエローストーン国立公園はじめ、様々な場所にオオカミが再導入されました。その結果、生体系は徐々に落ち着きを取り戻してきております。

これと同じことが、バイソンでも起きてしまったため、現在はアメリカバイソンの再導入が各地で行われている背景があります。

なぜアメリカバイソンが駆逐されたか。

その経緯として、当時の白人がたちが連れてきた牛と食物や場所を競合するため、駆逐された経緯があります。開拓時代に突入する前には、約600万頭いたと推定されるアメリカバイソンの生息数も、1890年にはたった1000頭ほどに激減してしまった経緯があります。その後、保護政策が施行され、現在に約3万頭ほどに回復していると考えられています。

ちなみにIUCN(国際自然保護連合)が定める、アメリカバイソンのレッドリストはこのような区分になっております。

しっかりと保全を発信し、また同じ過ちを起こさないようにしたいものですよね。

最後に

いかがだったでしょう。今回はアメリカの雄々しき猛牛、アメリカバイソンをご紹介させていただきました。

アフリカバッファローと混同されたりと、少しその認識には残念感が否めないものの、こちらのアメリカバイソンもすばらしい動物であることがお判りいただけたのではないでしょうか。こういった素晴らしい動物。将来はかつての生息数である、600万頭ほどには回復してほしいものだと思います。保全に向けて僭越ながら、私もできることを精一杯行っていかなければです。それでは、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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