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絶滅と野生絶滅の違いを超絶分かりやすく説明!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は生物保全基準のカテゴリ区分である「絶滅」と「野生絶滅」の違いをご紹介したいと思います。

どちらも絶滅という名前が付いているので、保全観点ではどちらも非常に危険性が高い評価になるのですが、絶滅と野生絶滅では少しニュアンスが違うんですね。

では、早速その違いについてご紹介していきたいと思います。

絶滅と野生絶滅の違いとは?その意味合いの違いをガッツリ説明

絶滅というのは、比較的よく耳にする言葉かと思いますが、野生絶滅はあまり耳慣れない言葉ですよね。

どちらも、絶滅カテゴリ区分に分類される生物たちの保全状況のランクを表したもので、IUCN(国際自然保護連合)が定めたものを基に、日本でも環境省や地方など公的な場所で、この区分ランクのほとんどのものが採用されているんです。

では、絶滅と野生絶滅のこの2つのカテゴリランクの具体的な違いのご説明に入っていきましょう。

保全カテゴリランク「絶滅」とは

もうこれは、恐竜や太古の生物がテレビなどでセットとなってクローズアップされているので、こちらについてはもうご存知かと思いますが、絶滅とは地球上に生息している種が、環境の変化や競合相手との生存競争の影響などといった原因で地球上から姿を消してしまった状態のことになります。

ランク記号は「Extinct」から最初の2文字を取った「EX」で表されます。

過去に起きた大量絶滅

絶滅といえば、恐竜たちのイメージが強いですが、実は過去には大規模な火山の噴火や隕石の衝突地球の気候の変動、地殻変動といった理由でその時代に生息していた8割以上の種が絶滅する大量絶滅というのが起こっており、現在分かっているだけでも過去に5回の大量絶滅が起きていたんです。

また、同じ絶滅でも人類が地球上に出現してから世界中に広まるにつれ、

  • 開発
  • 娯楽狩猟
  • 外来種の持ち込み

など人間の影響で絶滅した生物が急速に数を増やしており、人為的理由による動物たちの絶滅が非常に問題になっていて、現在自然界には6度目の大量絶滅が起きているという説もあります。

人為的理由で絶滅に追い込まれた動物たち

これは有史時代に入ってからはもちろんですが、先史時代から徐々にその影響は始まってしまっているんです。文字のない時代も人類の大陸進出はドンドン広まってましたもんね。

どのような動物たちがこれに該当するのか、その具体例の一例をご紹介させていただくと

  • ジャイアントモア:ニュージーランド、1500年代に絶滅
  • モーリシャスドードー:モーリシャス共和国、1600年代に絶滅
  • ステラーカイギュウ:ベーリング海、1700年代に絶滅
  • エゾオオカミ:日本、1800年代に絶滅
  • ニホンオオカミ:日本、1900年初頭に絶滅
  • リョコウバト:アメリカ、1900年初頭に絶滅
  • フクロオオカミ:オーストラリア、1900年代前半に絶滅
  • ニホンカワウソ:日本、2012年絶滅宣言
  • ピンタゾウガメ:ガラパゴス諸島、2012年絶滅

などといった非常に多くの動物や植物たちが絶滅しているんですね。当たり前の話ですが、一度絶滅してしまった種はもう二度と戻ってくることはありません。

人間の行動が大きな要因の一つとなり絶滅してしまった動物たちはこれらの記事でご紹介しておりますので、良ければこちらの記事も併せてお読みいただけましたらと思います。

※かなり多岐にわたる種がいますので、ご覧いただく方によってはかなり精神的に来る可能性もあります。故にこちらの記事については閲覧注意とさせていただきます。

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では次に野生絶滅のご説明に入っていきましょう。

保全カテゴリランク「野生絶滅」とは

野生絶滅とは絶滅とほぼ変わらないのですが、その種はわずかながら残ってはいるものの、野生下での生息個体が全くいない状態、いわば動物園やサファリといった動物の展示施設や飼育動物、公的機関などの人間の管理下においてのみ生息が確認されているカテゴリランクのことを指します。

先ほどの人為的理由による絶滅種の具体例でご紹介したリョコウバトやピンタゾウガメ、フクロオオカミなどもこの野生絶滅から絶滅に移行した種なんですね。

ランク記号は「Extinct in the World」から「EW」で表されます。

野生絶滅にカテゴリ分けされている動物たち

ではどういった動物たちが野生絶滅に分類されているのか、動物たちの一例をご紹介させていただきましょう。

  • バーバリライオン(ライオンの亜種):アフリカ
  • キタシロサイ(シロサイの亜種):アフリカ
  • ヒトコブラクダ(ラクダの仲間):アフリカ、西アジア
  • アオコンゴウインコ:ブラジル

などといった種がいます。なかでもヒトコブラクダとかはかなり意外だったのではないでしょうか。テレビでもよく目にしますもんね。

ただ、個体数は多いものの野生の個体はもうすでに絶滅していて、現在は飼育や展示など管理下の生存のみになっているんです。(飼育個体の野生化は確認されている)

そして、キタシロサイ。こちらに関しては、現在のところ生存が確認されているのは血縁関係のメス2頭のみで、このままでいくと近い将来、この地球上から永遠にその種が途絶えることとなっています。

野生絶滅 種が残っていても実は絶滅とほぼ変わらない

野生絶滅は絶滅と違って種が残っているので、まだ可能性はあるんじゃと思ってしまいがちですが、ヒトコブラクダのような例を除き、ほとんどの場合は絶滅とほぼ変わらないんですね。

というのは、野生下で絶滅したということはその種のほぼほぼが姿を消してしまったということ。ということは必然的にその数はほとんどゼロに等しい状態になります。

また、私たち動物たちが健全に種を増やしていくためには、ある程度の違った遺伝子が必要になります。遺伝子が近い、いわば血縁の遺伝子ばかりでは流行り病に感染した時など、その遺伝子が対処できないことが多いんですね。

ですので、例え人間の管理下状況でその種が残っていたとしても、その種が絶滅の危機を脱するという可能性は残念ながら非常に低くなってしまうんですね。

また、一度人間が管理する状況下に置かれてしまうと、自然界に復帰するのは容易ではなく、特に捕食動物は狩りの仕方が分からず、獲物が獲れないという状況に陥ってしまう可能性もあり、より復帰が難しいとされているんですね。

その中でも、日本の絶滅危惧の代名詞的存在であるヤンバルクイナの仲間、グァムクイナは一度野生絶滅した状態から、保全プログラムが進みつつある数少ない成功例といえます。

絶滅に残された希望 絶滅種の再発見

先ほど、一度絶滅した種はもう二度と戻ってこないというお話をさせていただいたんですが、唯一の例外があるんです。

それは再発見されるということ。

そもそも絶滅宣言というのは、地球上くまなく、隅から隅まで調査して絶滅したか、否かを決定するのではなく、その種が長期間自然下で目撃されていない状態というのも絶滅の重要な判断材料になるんですね。

ですので、可能性は非常に低いんですが、一度絶滅宣言された種が再発見されることはあるんです。

絶滅種の再発見の例でいうと、シーラカンスが有名ですよね。この他にも先ほどご紹介したバーバリライオンも一度は絶滅したとされていたんですが、再発見され、現在モロッコ政府の管理下においで、厳重な保全活動が行われています。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、野生生物たちの保全カテゴリである、「絶滅」と「野生絶滅」の違いについて、ご紹介させていただきました。

自然界に起因する絶滅に関しては致し方ないところもありますが、残念ながら今のところ、人間由来による野生生物の絶滅は過去の大量絶滅を上回るスピードという見解も多くなされております。人間が原因で6度目の大量絶滅とか、しかもその大量絶滅が地球史上最大であるなんてことは、絶対に避けなければならないですよね。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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