こんにちは。えたばりゅです。
今回は、まさに生きた針山といえるヤマアラシにスポットを当てていきたいと思います。ヤマアラシは鉄壁の防御力と同時に必殺の攻撃力を同時に手に入れた、動物界の中でも唯一無二ともいえる存在。
ではでは、早速ヤマアラシの鉄壁かつ、必殺の針山のヒミツをご紹介しながら、意外と知られていないその魅力に迫っていきたいと思います。
陸上最強生物!?鉄壁の防御と必殺の攻撃を一度に手に入れたヤマアラシの意外に知られていない特徴とは!?
まずヤマアラシのご紹介を軽くさせていただくと、実は大きく分けて2種の動物がヤマアラシと呼ばれておりまして、1種はヤマアラシ科に属するヤマアラシ、そしてもう1種はアメリカヤマアラシ科に属するヤマアラシがヤマアラシと呼ばれており、どちらも外見上はヤマアラシのトレードマークともいうべき、刺々しい姿をしているのですが、分類的にはそんなに近い動物ではありません。
なので、この2種の「ヤマアラシ」の姿は収斂進化の賜物といえるんですね。
とはいえ、どちらも同じようなフォルムをしておりますので、英名も和名もどちらも同じ名前で呼ばれております。ちなみにヤマアラシの英名は「Porcupine」となります。
こちらがアメリカヤマアラシ科に属するヤマアラシ。私たちがよく知るヤマアラシと比べると、ちょっと顔つきとフォルムが違うでしょ。体長はどちらも50cm~80cmほどですが、アメリカヤマアラシの仲間は樹上生活に適した体つきをしており、その種類によってはとても長い尾を持っています。
鉄壁の防御と必殺の攻撃の両立を実現させたヤマアラシのトゲ
そして何と言ってもヤマアラシの最大の特徴は背中に生えている、あの見るからに痛そうなトゲではないでしょうか。あのトゲは針毛(しんもう)と呼ばれる体毛が変化したもので、ヤマアラシの背中から尾にかけて後ろ向きに映えております。
そして、外敵に襲われそうになった時は、このトゲを逆立てて、果敢に相手に突進するんです。
ヤマアラシのトゲにはライオンやトラ、ヒョウ、クマなどの超実力捕食者もお手上げ
毛というと、なんか柔らかそうなイメージがありますが、もちろんこの針毛は見掛け倒しではなく、毛といえど、文字通り抜けやすい性質ながら針のような強度と鋭さを誇っていますので、相手に触れると同時に突き刺さる構造になっているんですね。
そして、この針毛は相手に刺さるとヤマアラシの体内から離れ、相手に刺さった状態になります。刺さった際抜けないということはないんですが、実はこのトゲには目に見えない小さな「かえし」がついており、ライオンやトラ、クマなどのようなものをつかむ構造になっていない脚では抜くことは非常に困難なんですね。
ですので、襲うと逆に返り討ちに遭い、顔が棘だらけになってしまうことも多く、このトゲの傷が元で感染症にかかりったり、目に突き刺さったりして、狩りができなくなり、絶命してしまうこともあるんです。
ですので、フィッシャーやピューマなど一部の例外を除き、よほどのことがない限りはこういった各地の頂点捕食者たちも、ヤマアラシを襲うことはありません。
ただ、ワニやニシキヘビなどの爬虫類には時折襲われ、捕食されることはあるんですが、食べたほうも無事で済まないことがよくあり、ヤマアラシを丸飲みにした後、そのトゲが胃や腸に突き刺さり、死んでしまうこともあるんです。
世界各国にその勢力を広げたヤマアラシ
実はヤマアラシには意外に知られていないもう一つの特徴がありまして、結構生息域が広いんですね。日本にはヤマアラシは生息していないものの、上記でご紹介したような、非常な防御手段を持っているヤマアラシですので、外敵に捕食されることも少なく、その生息域はかなり広範囲に渡っており、ヤマアラシ科のヤマアラシはよく知られる生息地であるアフリカ大陸はもちろん、インドやヨーロッパ、アジア諸国、そしてボルネオ島やパラマン諸島など、東南アジア諸島にも生息しております。
そして、別種であるものの、同じフォルムを持つアメリカヤマアラシを含めると、地球六大陸のうち、ヤマアラシが生息していないのは、古代より隔絶され独自の進化形態を遂げた動物たちの多いオーストラリアと極寒の地、南極のみということになります。
種の生息範囲は、その種がどれほど有効な生存手段と順応性を持ち合わせているかの指標ともなりますので、ヤマアラシの持つ防御手段は種の存続という観点でも非常に有効な手段といえそうですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は鉄壁の防御と必殺の武器の両立を見事に実現させたヤマアラシをご紹介させていただきました。ヤマアラシは、草食性ですので、有毒生物を捕食して危険に陥ることもないですし、背中の針がほとんどの敵を退けてくれますし、ひょっとすると、陸上最強の生き物かも・・・。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。