こんにちは。えたばりゅです。
今回は、フロリダパンサーというネコ科動物にスポットを当てて、ご紹介したいと思います。あまり聞きなれない名前の動物ですが、ちょっとね。かなり危ない状況といいますか。ぜひともその存在を知ってもらいたい動物なんです。
良ければ最後までお付き合いいただき、フロリダパンサーの危険な状況を知っていただけますと幸いです。
絶滅が必至!?フロリダパンサー 北アメリカ東部に残された唯一のピューマを守れ!
まず、フロリダパンサーがどういった動物か、簡単にご紹介させていただくと、英名は「Florida panther」、学名は「Puma concolor coryi」というネコ科ピューマ属に属するネコ科動物で、名前に「パンサー」とあるものの、ヒョウの仲間ではなく、その学名が示す通り、私たちがよく知っているピューマの亜種となる動物です。
体長は約1m~1.3m(尾を入れると約2m)、体重は最大でも約70kgほどとピューマとしては、小型な種といえます。
ピューマといえば、ジャガーと並び、アメリカ大陸を代表するようなネコ科動物で、生息地域の広さでいえば、ジャガーよりも広範囲に生息していることで知られていますが、実はピューマは北アメリカ東部地域では、ほぼほぼ姿を消してしまっており、フロリダパンサーはその中で唯一北米東部で生き残ったピューマなんです。
ただ、そのフロリダパンサー自体も今はその名前の通り、フロリダ州のごく一部の場所で生き残っているのみで、更に唯一残った生息地でも、開発などの分断によりフロリダパンサーの種としては、致命的とも言われるダメージを受けてしますんです。
こちらはIUCN(世界自然保護連合)のpumaの種としての保全ランク
こちらをご覧いただくとお分かりいただける通り、pumaという種としての保全ランクは現在のところ、LC(軽度懸念)、いわゆる絶滅の可能性は今のところないというランク付けなんですが、これはあくまで北アメリカから南アメリカにかけての広大な地域に生息している種全体の話。アメリカ合衆国東部に点のごとくポツンと生息地域がこちらでは示されていると思うのですが、これがフロリダパンサーの生息地というわけなんです。
いかがでしょう。これを鑑みてもフロリダパンサーというピューマの亜種がかなり危うい状況というのがお分かりいただけるのではないでしょうか。
生息地域が分断されたことによる近親交配の追い打ち
ただでさえ、数が少ないうえに個々の生息地域が分断されてしまった結果、遺伝子がかなり近い個体同士の交配、いわゆる近親交配が分断された地域内のフロリダパンサーの間で進んでしまったんですね。
近親交配は遺伝的に異常がある個体が生まれる確率が高く、身体的に何かしらの異常が生じる可能性が高くなってしまうんですね。加えて、遺伝子が似通ってしまっているため、病原菌やウイルスに対する耐性がかなり低く、近親交配で生まれた個体は寿命も短くなってしまうんです。
フロリダパンサーもやはり例外ではなく、生まれた幼獣の半分以上にも上る個体が生後1年を待たずに死亡してしまったり、また無事に育った個体も何かしら身体的特異点を持っているなどがありました。
このようなことがフロリダパンサーにさらに追い打ちをかけ、一時はその数が30頭ほどになってしまい、そのような状態では、遺伝子に多様性を持たせることはほぼ不可能ですので、絶滅も時間の問題とされていたんです。
30頭といえば、今野生絶滅が危ぶまれている種が多くいるネコ科動物の中でも特に絶滅が危険視されているアムールヒョウよりも悪い数字。ですので、種の回復は絶望視されていたんです。
しかしながら、このフロリダパンサーの窮地を救う者が現れるんですね。
フロリダパンサーの窮地を救うピューマ
それは他でもない、同属のピューマ。その中でも、フロリダパンサーに非常に近いテキサス州に生息するピューマが、フロリダパンサーを救うべく、フロリダの地に放たれました。その結果、壊滅的状態となっていたフロリダパンサーの遺伝子は、回復の兆しを見せ、テキサス州のピューマとの交配を行ったフロリダパンサーは、遺伝子も健全で、その寿命もかなり回復されたんです。
その結果、30頭ほどだったフロリダパンサーの個体数は100頭以上に回復したんですね。
もちろん、100頭ではまだまだ十分というには程遠い個体数であり、またピューマはじめ、ネコ科動物たちに必須な広大な生息地域の確保という、かなり重要な問題も残っているものの、人間が原因で壊滅的被害を被ってしまったフロリダパンサーに一筋の光が差したという感じでしょうか。
生息地域が分断されるまでは、フロリダパンサーは稀に、こういった外部のピューマと交配し、遺伝情報が虚弱化するのを防いでいたのですが、生息場所を追われたことにより、それが困難になってしまっていたんですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、北アメリカ東部に唯一生き残ったピューマ、フロリダパンサーをご紹介させていただきました。まだまだ予断を許さない状況ではあるものの、少し光明が差し始めていることも事実。
是非、あなたにもその存在を知っていただければと思い、今回の記事をアップさせていただいたのですが、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
何とかフロリダパンサーが自力で存続ができるまで回復できるよう、一緒に絶賛応援していかねばですね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。