日本の固有種手帳 個性あふれる日本在来種たち

清流の使者サワガニは純淡水に生きるものとしての宿命を背負っていた!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、日本固有のカニ、サワガニをご紹介したいと思います。清流の使者として、日本の水質の知るうえで、とても役立ってくれているサワガニ。実は、他のカニにはあまり見られない特徴も兼ね備えていたりするんですね。

ではではそのあたりも含めて、早速サワガニの魅力に迫っていきたいと思います。

日本の綺麗な水の象徴サワガニのあまり知られていない特徴とは

サワガニは英語名を「Japanese Freshwater Crab」、学名を「Geothelphusa dehaani」という十脚目カニ下目サワガニ科サワガニ属に属するカニの仲間で、青森県から鹿児島県中之島までと新潟県佐渡ヶ島、島根県壱岐、長崎県隠岐や男女群島、鹿児島県種子島などの周辺列島などに生息しています。

サワガニは言わずと知れた日本固有のカニですが、日本で見られるカニの仲間では唯一、一生を淡水域で過ごす純淡水生のカニとしても知られているんですね。

足を含めた体の幅は約7cmと、カニの仲間としては小柄ですが、約食性は他の多くのカニと同じく雑食。小型の水生生物や昆虫、ミミズなどの他、藻なども好んで食べており、エサが少なくなり水温、気温共に下がる冬季には、岩陰の中で冬眠し、次の春が来るのをじっと待っています。このような生活サイクルを送りながら、サギやカワセミなどの鳥類、イワナなどの魚類、ヒキガエルなどといった天敵に襲われず、天寿を全うすればその寿命は約10年ほどと考えられています。

そしてサワガニといえば、茶褐色の体に赤い足といった姿がよく知られていますが、他にも青色をしたものや、紫がかった色のものもいて、結構その体色はバリエーションに富んでいるんですね。

こちらが、青色のサワガニ。地域によっては、シミズガニなんて呼ばれていたりもします。

サワガニがいれば、水質は良好!水質調査の優秀な調査員

こちらオスのサワガニ。オスはこんな感じに左右どちらかのハサミが大きくなっているんです。一説ではサワガニのオスは大きくなっているハサミが利き腕という風にも考えられています。通常、大きくなっているのは右側が多いので、ということはサワガニも日本人と同じく、右利きが多いことになります。

ちなみに私は左利き。

スイマセン。関係ないハナシでした。

それにしても、英語名の「Japanese Freshwater Crab」といい、和名のサワガニ(沢蟹)といい、なんか清流の申し子のような名前ですよね。この名前に相応しく、と申しますか、サワガニは水質変化には非常に敏感な種で、サワガニがいれば、その地域の水質は良好といわれており、地域の水質を調査するうえでの指標生物として、重要な役割を担ってくれているんですね。

ちなみに、その種の生物がいれば、その場所の水質は綺麗という生物はサワガニの他にもおりまして、ヘビトンボ、カワゲラなどがおりまして、あの刺されると超かゆくなり、地域によってはブヨ、ブトとも言われていますが、そのかゆさは蚊以上の蚋(ブユ)も実は、サワガニと同じく、その地の水質が良好である指標生物となっているんです。

そして、サワガニ以外にきれいな水の代名詞となっている、ゲンジボタルですが、こちらは同じ指標生物でも、その地の水質は少し汚れているという指標になっているんです。

意外でしょ。

このようにその地の水質を知るうえでは、かなり重要な役割を担っているサワガニですが、実は他のカニではあまり見られない特徴を持っていたりするんです。

サワガニの特徴 サワガニはプランクトンの期間を持たない

サワガニは純淡水生である事は冒頭でお伝えさせていただいた通り、これも他のカニとは異なる大きな特徴といえるのですが、もう一つ、サワガニはそれに付随する形で、他のカニにはあまり見られない特徴を持っているんです。

実はサワガニにはプランクトンの期間がないカニなんですね。通常、カニやエビは生まれて間もなくは、ノープリウスからゾエアというプランクトンの期間を経て、親と似た形状に変態(変化)していくんですが、サワガニはこの期間を卵の中で行い、生まれ出るころにはすでに稚ガニとして孵化するんですね。

裏を返せば、他のカニたちは一部例外たち入るものの、このプランクトンの期間を経て、海中を漂い、海流に乗って、この期間中に広い範囲を移動するのですが、サワガニはプランクトンの期間がない為、あまり長距離を移動することがないというか、物理的に難しいんです。

なので、その地域によって、分化した個体群が生まれていているんです。もしかしたら、将来的にサワガニはかなりの亜種に分かれていくかもしれませんね。

沖縄地方のサワガニの仲間たち

サワガニは青森から、一部周辺島々を含む鹿児島県中之島までが、生息域とお話しましたが、実は北海道にはサワガニはいないものの、中ノ島から南側では、サワガニから分化したと考えられている亜種、いわば親戚たちが暮らしているんです。

亜種はヤクシマサワガニやオキナワオオサワガニ、アラモトサワガニ、サカモトサワガニといったように、地域ごとの地名や発見者の名前をその名に関していることが多く、また先ほどご紹介したサワガニの特性もあり、かなり生息地域が限られていて、ほとんどの亜種が準絶滅危惧から絶滅危惧Ⅰ類(近い将来絶滅する危険がかなり高い種)の絶滅危惧に分類されているんですね。なかには、ヒメユリサワガニのようにかなり危急性が高いものもいて、その保護の重要性が訴えられているんです。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、里山の清流の使者サワガニの他のカニにはあまりない特徴も含めて、その魅力をお伝えさせていただきました。地域ごとの分化傾向は地上性の昆虫などによくみられる傾向なのですが、ある意味同じような特性を持っているサワガニも、やはりその地に暮らす者同士で交配を繰り返していくので、分化が進んでいるのでしょうね。

もしかしたら、将来亜種から別種へと進んでいく個体群が現れるかも。そう考えるとロマンですよね。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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