こんにちは。えたばりゅです。
今回は、暑さと湿気マックスな夏を一気に涼しくしてくれるヒグラシをご紹介したいと思います。セミといえば、街中ではクマゼミやアブラゼミが有名で、ヒグラシの姿はあまり見かけませんが、少し郊外に出ると、早朝や夕方にはヒグラシが涼し気な音を奏でてくれて、蒸し暑い夏を一気に涼しくしてくれるんです。
今回はそんなヒグラシの魅力に触れつつ、ヒグラシの超意外な親戚などもご紹介したいと思いますので、是非ぜひ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
納涼の使者ヒグラシの涼やかな鳴き声とヒグラシの超意外な仲間をご紹介!
では、まずヒグラシのご紹介を軽くさせていただくと、ヒグラシは英語名を「Evening cicada」、学名を「Tanna japonensis」という、カメムシ目(半翅目)セミ科ヒグラシ属に属するセミの仲間で、体長は約3cmほど、羽の長さを加えると、約5cmになる日本に暮らすセミの中では中型のセミですね。
北海道から奄美大島までの広い範囲に生息しており、その中でも山間部を好んで生活の場としております。他のセミと同じく、幼虫の時期は地中で暮らし、羽化の時期が到来すると地中から這い出て、夜のうちに成虫へと羽化します。成虫へと羽化すると、オスはメスへのアプローチをするために鳴き始めるのですが、その鳴き声は美しく特徴的で、その鳴き声から別名「カナカナ」や「カナカナゼミ」という風に呼ばれたりもします。
そして、ヒグラシは漢字で書くと、「蜩」なのですが、「日暮」と書くこともよくあり、「日暮」と書かれるようになった由来としては、ヒグラシは早朝や夕方によく鳴く習性があり、ヒグラシが鳴くことによって日が傾き、暮れていく様子からこの名前が付けられたと考えられています。
この他、ヒグラシは「晩蝉」、「秋蝉」と書かれることもあり、秋の季語として使われることもあるんですが、実はヒグラシは蝉の仲間では比較的夏の初めごろに鳴き始める種類なんで、どちらかというと、夏の始まりをイメージさせる蝉なんですね。
ヒグラシが街中にいない理由
それにしても、クマゼミやアブラゼミは街中でもかなり見かけるのに、ヒグラシの姿はほとんど見られないのは一体なぜなのでしょうか。
これには、ヒグラシの習性が関係していて、ヒグラシはクマゼミやアブラゼミよりも木の生い茂った日陰の多い山間部を好む習性を持っているのですが、街中ではそういった環境がほとんどない為、ヒグラシの姿が街中では見られず、その鳴き声もほとんど効くことができないのはこれが理由と考えられているんです。
意外と長いセミたちの寿命
一般的にセミの寿命は短く儚いイメージがありますが、それとは裏腹に卵の時期も含めると、昆虫の寿命としては長い方で、ヒグラシでタマゴの時期が約1年、幼虫期が約3年ほどと考えられているんですね。ただ成虫へと孵化してからは、2~3週間でその寿命を全うするので、セミの寿命が短いイメージが定着したのは、この成虫の時期が短いことにあるといえそうですね。
食性は植物食で、幼虫期も成虫期も細い針状の口を木に刺して、樹液を吸って栄養分としています。
ヒグラシの真骨頂、美しく、超絶癒される鳴き声
そんなヒグラシですが、やはり他のセミたちと一線を画すのが、その美しく、涼し気で、どこかちょっと寂し気な雰囲気を漂わせるその鳴き声ですよね。山間部や奥地にある地に旅行やキャンプに出掛けた時、その美しい鳴き声に癒されまくったご経験はお在りかと思います。
これはもうヒグラシの真骨頂といっても過言ではないですよね。せっかくヒグラシをご紹介しているので、その真骨頂をぜひご堪能いただければと思います。
いかがです?やっぱ良いですよね~。
今年の夏は、また格別に暑いんで、一層ヒグラシの鳴く声が沁みる感じがしますw
そんなヒグラシですが、実は親戚には超意外なセミがいたりするんです。
ヒグラシの親戚は世界で最大の大きさを誇る巨大ゼミ
日本では、美しい鳴き声で人々を癒してくれているヒグラシですが、その仲間の中には日本のヒグラシとは全然違うイメージの仲間たちもいるんですね。そんなヒグラシの親戚の代表格が、世界最大の大きさを誇る、その名もテイオウゼミ。
テイオウゼミは翅の長さを含めると、なんと20cmに達することもある世界最大のセミで、幼虫期の時間もかなり長く、10年以上は地中で幼虫期を過ごすと考えられています。マレー半島のごく一部の山間部に生息していて、ボルネオ島にはクロテイオウゼミという別のテイオウゼミが生息しているんですね。
そんなテイオウゼミ、その巨大さもさることながら、やはり気になるのはその鳴き声ではないでしょうか。
巨大ながらも、やはりその鳴き声はヒグラシと似ているのでしょうか。ここにテイオウゼミの鳴き声が収められた動画がありましたのでご紹介したいと思います。
いや~・・・何と言うか、一言でいうと、全然違いますよねw
このように同じヒグラシ族に属する仲間でも、その種によって鳴き声はずいぶんと違うのもその特徴といえます。
それにしてもデカい。日本のクマゼミも大きいなと思いますが、テイオウゼミはその大きさをはるかに凌駕してますよね。ちなみにこの大きさなんで、英語名でも「Pomponia Imperator」の他、セミの皇帝「Emperor cicada」という風に呼ばれています。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、日本の夏を涼しく彩ってくれるヒグラシの魅力に触れつつ、超意外なヒグラシの親戚をご紹介しました。日本のヒグラシはとても涼やかな感じがするセミですが、世界には驚愕のヒグラシもいるってのがよくわかりますよね。
ただ、ひょっとして鳴き声に関しては、日本のヒグラシは鳴き声の美しさでは世界No1なのでは。と思ってしまう今日この頃。
日本にはヒグラシはじめ、スズムシやマツムシ、コオロギなど美しい鳴き声を奏でる昆虫たちが多いのも嬉しいところですよね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。