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セミの鳴き声時系列 初夏から晩夏にかけて夏を彩るセミリレー!

こんにちは。えたばりゅです。

夏を代表する昆虫、・・・といっても、夏は昆虫たちの本領発揮の季節なので、様々な昆虫がいると思いますが、やはりカブトムシやクワガタといったスター昆虫がやはり思い浮かびますが、セミも夏を彩る昆虫としてイメージされるのではないでしょうか。実はこのセミ、その種類によって鳴く時期が異なるんですね。

なので、鳴いているセミたちの鳴き声に耳を傾ければ、一見変わらない暑い夏でも、刻々と移り変わりつつある季節を感じることができるんです。今回はそのあたりも含めて、初夏から初秋にかけて活発に活動するセミたちを時系列に分けてご紹介していこうと思います。ではでは、早速ご紹介していきましょう。

初夏から初秋にかけて活発に鳴くセミたちを時系列でご紹介!移り行く季節をセミたちの鳴き声で知ろう

セミというと、都市部でも比較的目にする機会が多く、緑地公園のような場所はもちろん、ちょっとした街路樹でも盛んに鳴いているので、同じ夏を代表するカブトムシやクワガタと比べても、かなり身近な昆虫といえますよね。

日本に生息するセミといえば、体の大きさのイメージ通りの元気でにぎやかなクマゼミ、日本のセミの鳴き声の代表的イメージであるミンミンゼミ、かなり特徴的な鳴き声のツクツクボウシ、涼やかな夏の癒し系、ヒグラシなど、様々なセミたちが暮らしております。

こういったセミたちは鳴く時期がそれぞれ異なっており、超暑い夏の中でも、しっかりと季節は進んでいるんだよ。

ってなことを教えてくれているんです。ではでは、早速そんな夏のナビゲーター、セミたちを鳴く時期によって時系列に分けてご紹介していきましょう。

梅雨時から初夏にかけて鳴くセミたち:ニイニイゼミ、ヒグラシ

では、トップバッターはまずニイニイゼミ。ニイニイゼミ(学名:Platypleura kaempferi)は体長約2cmほどの小型のセミで、日本では北海道から沖縄本島にかけて生息しています。

ご覧のように、体が木の幹や枝に溶け込む保護色となっており、体も小さいことから鳴いている声は聞こえるものの、その姿が少し確認しづらいセミですね。

ニイニイゼミは、アジサイの花がまだ咲いている梅雨時から羽化をはじめ、6月の下旬から7月にかけて活発に活動します。なので、ニイニイゼミが鳴き始めると夏が始まるという合図で、夏の到来を教えてくれるセミといえます。

街中でニイニイゼミが鳴き始めて、少し時期が進むと、山間部ではあの夏のオアシスにして癒し系、ヒグラシが活発に活動を始めます。ヒグラシ(学名:Tanna japonensis)は日本を含め、東南アジアにかけて広く生息しているセミで、日本では北海道から鹿児島県の奄美大島にかけてその姿を見ることができます。

日本のセミの中でも、一際美しい鳴き声を奏でるセミで、暑い夏に納涼感を与えてくれるセミとしても有名ですよね。ヒグラシは秋蝉や晩蝉といわれるように、秋に鳴くイメージがあるセミなのですが、実際にはニイニイゼミとほぼ変わらない時期に活動を始める、初夏の時期に活動するセミなんですね。

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ニイニイゼミと同じく、6月の終わりごろから鳴き始め、8月に入る頃にはその鳴き声を聞くことは段々と少なくなってくるセミです。

そして、次にご紹介する、これらのセミが鳴き始めるといよいよ夏本番。

夏本番に活発に鳴くセミたち:アブラゼミ、クマゼミ、ミンミンゼミ

夏本番のトップバッターはアブラゼミ。アブラゼミ(学名:Graptopsaltria nigrofuscata)は、日本に生息するセミの中でも特徴的な羽を持っていて、他の日本のセミは羽の色は透明なのですが、アブラゼミの羽は茶色に白い斑点模様がついています。

アブラゼミは初夏を過ぎたあたりから羽化をはじめ、夏真っただ中の7月~8月にかけて盛んの早朝と夕方に特に活発に鳴くセミです。ただ、結構活動時期の長いセミで、先ほどごご紹介した、ニイニイゼミやヒグラシと比べると、その鳴き声を聞く期間は長く、9月でも比較的よくその鳴き声を耳にすることができます。

アブラゼミが鳴き始めると、そろそろ梅雨も終わりということで、気象庁もアブラゼミの初鳴きを梅雨明け宣言の指標としているんですね。

そして、アブラゼミと同じく夏の最盛期に活発に活動するのが、クマゼミとミンミンゼミ。

クマゼミ(学名:Cryptotympana facialis)は関東の太平洋側から南西諸島にかけての主に太平洋側に生息しているセミで、日本に生息しているセミの中では最大クラスの大きさになります。

北日本には生息していないものの、西日本ではかなり馴染み深いセミで、セミというと、このクマゼミを連想するほど。その鳴き声も、日本に生息するセミの中ではトップクラスににぎやかで、夏の最盛期にはシャンシャンシャンというような鳴き声で、暑い夏を演出しています。

鳴く時期はアブラゼミと同じく、7月の初めから9月にかけてで、特に夏最盛期の7月下旬から8月にかけて最も活発に活動します。

そして鳴き声といえば、先にご紹介したヒグラシと同様、日本の夏を代表する風物詩的存在となっているミンミンゼミ。

ミンミンゼミ(学名:Hyalessa maculaticollis)は北海道の南部から九州にかけて生息していて、その鳴き声は夏を彩るアクセントとして、様々な場面で取り上げられていたりもします。

ただ、同じ夏の最盛期に鳴く、クマゼミやアブラゼミと比較すると、街中よりも山間部を好む性質を持っているので、あまりその鳴き声自体は直接耳にすることは少ないかもしれませんね。この辺りは、ヒグラシとよく似ている性質を持っているといえます。

まことに僭越ながら、私も幼少のころあまり聞かないミンミンゼミの鳴き声を聞くと一気にテンションが上がってましたw

鳴く時期は7月上旬から8月にかけて。なので、9月、場合によっては10月辺りまで活動するクマゼミやアブラゼミと比較すると、活動時期は短めといえそうですね。

夏の終わりから初秋にかけて鳴くセミ ツクツクボウシ

クマゼミやアブラゼミ、そしてミンミンゼミたちの最盛期が過ぎ、段々とこれらのセミたちの鳴き声が少なくなってくると、いよいよ夏の終わりを告げるツクツクボウシの登場です。

ツクツクボウシ(学名:Meimuna opalifera)は北海道から鹿児島県のトカラ列島にかけて生息しているセミで、体長は約3cmほどと、ニイニイゼミより若干大きいですが、日本に生息しているセミの中では、小型種ですね。

ツクツクボウシも比較的山間部を好む種なので、クマゼミやアブラゼミと比較すると、その鳴き声を聞くことは少ないものの、ヒグラシのようにほぼ街中では見られないということはなく、街中でも緑地公園や木々の生い茂った場所ではその鳴き声を聞くことができます。

7月の終わりごろから徐々に羽化が始まり、8月の終わりから9月ごろ、他のセミたちと交代するように活動の最盛期を迎え、場所によっては10月の中頃まで鳴くことがあるんですね。

なので、ツクツクボウシは夏を締めくくり、秋の訪れを告げるセミの中では、リレーのアンカーのような存在といえます。

このように、セミたちは夏の間でも、鳴く時期が異なっていて、それぞれが鳴くことによって季節の移り変わりを教えてくれているんですね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、日本に生息する有名どころのセミたちの最盛活動時期を時系列に沿ってご紹介しさせていただきました。

もちろん、これは傾向なので、個体によってはクマゼミが梅雨の終わりごろに鳴いていたり、ヒグラシが8月の夏最盛期に鳴いていたりすることももちろんあるんですが、セミたちの鳴き声によって季節の移り変わりのある程度の指標が分かるって言うのがお判りいただけたのではないでしょうか。

なかでも、アブラゼミの鳴き声が梅雨明けの指標にされているっていうのはオドロキでしたよね。

また、今回ご紹介したセミたちの他にも、夏どころか春の終わりごろから鳴き始めるその名もハルゼミやクマゼミの近縁種である、エゾゼミなど様々なセミたちが季節の移り変わりを演出してくれております。

時にはちょっと耳に障るな。なんてことも感じてしまうこともあるセミたちの鳴き声ですが、ココは是非ぜひそんな季節の移ろいをセミたちの鳴き声で感じていただけましたらと思います。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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