知っておかないと犬の健康や命に関わること 愛犬・愛猫と良好な関係を築くために

老犬が介護が必要になる状況と有効な介護方法を全力紹介!【元動物保護施設が教える愛犬との充実生活】

こんにちは。えたばりゅです。

現在、医学は飛躍的に進歩しそれに比例して人類の平均寿命も延びてきています。日本人の平均寿命は調査が完了している2019年時点で、女性87.45歳、男性約81.41歳と過去最高を更新しました。

ただそれに伴い問題視されているのが、介護というもの。最近でも老々介護の問題がよくクローズアップされていますよね。そして、この介護という問題。実は人対人だけではなく、老齢期を迎えた愛犬も介護が必要になるケースが多いんですね。

そこで、今回は老齢期を迎えた愛犬の介護というところにスポットを当てて、介護が必要になりつつある前兆。どういったケースで介護が必要になるか。そしていざ介護が必要になった時の対処法を、そのケースに照らし合わせて、500頭を超える老犬や介護が必要になった犬たちと接し、その介護を行ったた経験からご紹介したいと思います。では、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

老齢期を迎えた愛犬が要介護になった時、その介護方法を症状別にご紹介!

 

先ほど冒頭で日本人の平均寿命が過去最高を記録したとお伝えさせていただきましたが、人の医療の進歩に伴い、獣医学の進歩も一昔前とは比べ物にならないくらい著しいいものがあり、人と共に暮らすペットたちの平均寿命も少し前に比べると飛躍的に伸びてきております。

犬や猫についていえば、その個体が持って生まれた寿命もありますが、順調に病気もなく年を重ねれば、20歳を超える子も多くみられるようになりました。ただ、それに伴い、だんだん問題になってきているのが人と同じく介護という問題。

猫たちにおいては身体や脳の構造に違いがあるのか、20歳を超えてももちろん青年期に比べると衰えはあるものの比較的、しっかりと歩いたりしており、寝たきりになったりすることはあまりありません。

その反面、犬は猫達に比べると、老齢期を迎えると介護が必要になるケースが多いペットです。また犬は認知症も発症することがあり、日本犬など犬種により、認知症になりやすい犬種もあります。では、老齢期を迎えた愛犬が介護が必要になる症状をご紹介していきましょう。

老犬介護が必要になるケース1.寝たきりになる

まず、介護が必要なケースでその大部分を占める寝たきりについてご紹介します。

犬が寝たきりになっていく過程として、まず老齢期になると昼間でも眠っていることが多くなってきます。そして、だんだんと日々の運動量も若かりし頃に比べると当然減ってきます。そしてその結果、まず後ろ足の筋力が低下してきます。なぜ後肢が先に弱るかというと、座っているときは前肢の筋力で体重を支えていますが、後肢は座っている間はその筋力をあまり必要としません。その結果、必然的に筋力運動の少ない後ろ足から衰えてくるというわけです。

そして後肢が動かないと、必然的に歩行が困難になります。残った前肢の筋力を用いて歩行させる歩行介助ツールを使用したとしても、後肢が自由に動いていた時期に比べると、愛犬が自らの意思で歩く距離も頻度も格段に少なくなってくるんですね。その結果、前脚の筋力もに衰えてしまい、自身の体重を支える事ができなくなり寝たきりになる。これが、一般的に犬が寝たきりになっていく過程です。

では、この寝たきりになることを防ぐ方法があるのかと申しますと、残念ながら、現状はそのような方法は存在しません。もちろん、寿命を迎えるまでしっかりと歩行することができる犬もいますが、これは稀なケースだと思ってください。大抵、犬たちは多くの場合、寿命を迎えるまでに期間の差はあれど、寝たきりの生活を送ります。

では、この寝たきりになるのをただ見ているしかないのか。いえいえ、寝たきりになるのを防ぐことは出来ませんが、その進行を遅らせることはできます。

愛犬が寝たきりになるその過程の速度を遅らせるためには

 

そもそもこの寝たきりになるのは交通事故や病(ヘルニアなど)などで無い限り、先ほど申し上げた通り運動頻度の減少などによる、筋力の低下が原因です。ということは、その筋力低下の進行をできるだけ遅らせてあげればいいという事です。それにはやっぱり運動が一番ですよね。

日ごろから少し多めの散歩を心がけることももちろん効果的ですが、それに加えて、おもちゃで一緒に遊んであげたりすることでも、愛犬はしっかり筋肉を使いますので、立派な運動になります。引っ張りっこやボール投げ。犬たちと楽しく遊ぶことでも筋力低下を遅らせてあげる事ができます。

このように老齢期に入るまでに、また初老を迎えてからも筋力を鍛えておけば、体重を支える筋力もそれだけ逞しくなります。その筋力が強いほど、体重を支えれなくなるまで筋力が低下するペースが緩やかになります。そして、シニア期に入っても、お散歩などはしっかりすることにより、さらに衰えを抑えることができます。もちろん老齢期に入っての過度な運動は、心臓などの重要な臓器の負担となりますので、必要な運動量などは獣医さんと相談しながら配分を決めてあげて下さい。

本来犬たちは運動することが大好きなペット。できるだけ長い期間自分の足で自由に歩けるようにしてあげたいものですよね。

老犬介護が必要になるケース2.昼夜逆転現象

先ほど老齢期に入った犬は、日中でも寝ていることが多くなるとご紹介しましたが、これが段々進行してくると、昼に寝すぎてしまい、夜寝ることができなくなって、昼と夜とが逆転してしまう事があります。

昼間に休んで、夜起きる。それは大抵、少しの間で収まることはありません。かなり長い間鳴いたり、ゴソゴソと音を立てることも多々出てきます。そして、これに先ほどご紹介した、寝たきりが加わりますと、愛犬は動きたいのに自由に動くことができず、その結果鳴いたりします。

こうなってくると、一般的に昼活動し、夜休むリズムが一般的である人の生活に支障が出てくるようになります。そして、家族間だけでの問題で収まっているうちはいいのですが、ご近所トラブルに発展することも。これは、出来る事ならばしっかりと防いであげたいですよね。

愛犬が昼夜逆転を起こさないために撮れる対策

これも意外と対策は単純なもので、要するにリズムが乱れかけているのを正常に戻す。これが重要になります。ではどのようにすればいいかというと、少しかわいそうですが昼間寝ているのを発見したら、撫でるなどして、起こします。そして、時折歩行補助ハーネスや車いすなどの歩行補助ツールを使い、出来るだけ運動させます。起きて身体が動いていれば、もちろんそれだけ体力が消耗され、夜に眠ることができるようになります。

意外とこの単純な作業で昼夜逆転が解消することが多いのですが、やはり、飼い主様によっては、この昼夜逆転で悩まれて、どうしていいか分からない状態になってしまう方もおられます。もちろんすべてのケースが、この方法で解消されるわけではもちろんないのですが、その効果は多くの子に期待ができます。昼夜逆転現象で悩まれている方は一度試す価値はあるかと思います。

やはり、介護が必要な子たちをしっかりとケアする為には、まず飼い主様の健康や精神がしっかりと安定していること。これが一番大事なことです。少しでも気になることや悩まれるようでしたら、行きつけの動物病院に相談されるのもいいですし、動物保護施設のような介護の経験がある施設に相談されることをお勧めします。

老犬介護が必要になるケース3.認知症を発症する

もう一つ、忘れてはならないのが認知症。人間の介護と同じく、愛犬が認知症を発症し、介護が必要になるケースは結構多いんですね。愛犬が認知症を発症するその初期段階として、今まで首をしっかりと上げて歩いていた姿勢がだんだんと頭が下がってきて地面に近づいてきます。

そして、認知症が段々と進行してくると、同じところをくるくると回ったり、壁に頭を押し付けたまま、その場で動かなくなったりします。通常であれば、愛犬頭に壁を押し付けたまま動かないという事はまずありませんし、そもそも頭が壁にぶつかる前に方向転換して、壁にあたらないようにします。

愛犬の認知症を防ぐ手立ては今のところない

この認知症においては、人のそれと同じく、残念ながら有効な薬剤もその治療法も現在のところはないのが現状です。壁などに当たって長時間動かずにいると、その場所によっては熱中症や低体温症の引き金になることもありますので、愛犬に認知症の症状が現れ始めたら、出来る限り仕草や動きには注意してあげるようにしましょう。

また、認知症になると、昼夜逆転になることが多くあります。認知症だけの場合ですと、愛犬は自身の足で歩くこともできますので昼間寝ているのを見つけたなら、触って起こしてあげ昼間はできるだけ起きてもらうようにしましょう。

そして、それまで外飼いをしていたとしても、認知症の症状が現れ始めたら、飼育環境を室内に移すようにしましょう。外は認知症が原因で愛犬が危険な状態になっていても気づきにくいですし、室内のほうが断然目に届きやすいですので。

最後に

いかがだったでしょう。今回は愛犬が老齢期を迎えて介護が必要になる主なケースとその対処方法について、500頭を超える多くの老犬と接し、老犬介護に携わった経験からご紹介させていただきました。

犬たちが寝たきりになってしまっても認知症になってしまっても、それだけはそれがもとで昼夜逆転になったとしても、これだけは言えることがあります。

愛犬たちの望みは、その飼い主様と生涯一緒にいること

これにつきます。ただ、これは犬に限ったことではなく、猫達やそのほかのペットたちにも間違いなく言えることである事は間違いないですが。

おそらく、今まさにそばに介護が必要になった老犬がいるのでこの記事をご覧いただいていて、もしかしたらその介護に少しだけ疲れてしまっているかもしれません。実際の介護は大変なことも本当にたくさんありますもんね。でもその子も間違いなく

こんなかわいい寝姿を見せてくれたり。

こんなかわいらしい表情を見せてくれたり。

こんな姿で笑わせてくれたり。

こんなふうに休日をゆっくり過ごしたり。

こんな屈託のない笑顔(寝顔)で一日の疲れも嫌なことも吹っ飛ばしてくれたり。

時にはこんなふうにつらい時寄り添ってくれたり。

私たち飼い主を助けてくれたことは間違いありません。そしてこんなときは、私たち飼い主はかけがえのない癒しや元気をもらいました。

そして、自らの体の自由が利かなくなった今も、その老犬特有の穏やかな仕草であなたを癒し続けてくれています。

さぁ、次は私たち飼い主の番です。私たちを沢山助けてくれ、いつもそばにいてくれた愛犬は、今あなたの助けを必要としています。最期に訪れる旅立ちの日の為、飼い主として後悔しないよう、愛犬に穏やかな余生を過ごさせてあげましょう。

この記事が今現在愛犬の介護を全力で頑張っている方の少しでも手助けになれば幸いです。では、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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