こんにちは。えたばりゅです。
今回は、公園や家の敷地内などで、仔猫を発見した時どうすればいいのか。
というところをご紹介したいと思います。こちらの記事をご覧いただくことによって、もし万が一あなたが仔猫を発見した時も慌てず、適切な対処が可能になりますので、ぜひ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
元動物保護施設スタッフが教える「仔猫を見つけちゃった・・・。」こんな時取るべき対処法とは!?
猫たちの出産シーズンは他の動物たちと同じく、春先が多いのですが、夏から秋にかけても出産することが比較的多いんですよね。そして、猫たちが出産場所として選ぶ場所は、工場の跡地や空き地、家であれば軒下や庭の植樹の茂みなど、比較的安全に子育てができる場所を選びます。
ですので、比較的街中の家屋などでも、生まれたての仔猫を発見する確率は多くなります。ただ、ここで
そもそも野良猫はよく見るけど、野良犬は最近ほとんど見なくなったよね。これってなんで?
という疑問が思い浮かんだのではないでしょうか。まずこの辺りの理由からご紹介していきましょう。
野良猫はよく見るけど、野良犬はほとんど見かけなくなった理由
これは、犬と猫を保健所が捕獲対象としているかどうか。
という事で、はっきり分かれているんです。野良猫たちはたとえ、外部から捕獲要請があっても保健所が出向き、捕獲することはありません。逆に犬に関しては外部からの通報があった場合、保健所が現地まで出向き、捕獲しなければならない決まりがあります。
現代ではあまり野良犬たちを見かけなくなったのはこのような経緯があります。
それではなぜ、犬と猫、で差が生まれたのでしょうか。
野良猫が保健所の捕獲対象に該当しない理由1.飼い猫である可能性
猫の飼育方法については、様々な病気のリスクを軽減するためと交通事故に遭ってしまうリスクをなくすため、僭越ながら私も、完全室内飼育推奨を発信しており、その旨は度々このブログでもアップさせていただいているのですが、飼い主様のお考えで、外に自由に出入りできるような飼育方法、いわゆる外飼い方法を選択していらっしゃる飼い主様ももちろんおられます。
こういった外飼いの猫を、保健所が捕獲し、殺処分してしまうと大きな問題になりますよね。
それに、猫の場合は飼い猫であっても、首輪をしていないケースもあり、首輪の有無だけで飼い猫か、野良猫かを判断することはとても難しいんです。
一判断材料として、警戒心の有無もありますが、外飼いの猫たちは飼い主様にのみ、懐いているケースもあり、これでもやはり、判断することはできません。
野良猫が保健所の捕獲対象に該当しない理由2.狂犬病の存在
保健所において捕獲義務の有無の差があるのは、ほぼこれが理由といっても過言ではないですね。
狂犬病は人にも感染危険があり、感染すると致死性が極めて高い凶悪な病気でもあります。狂犬病という名前の通り、当然犬たちもこの病気にかかり、感染すると自我の崩壊から凶暴性の増大を伴い、もちろん致死性は極めて高いです。
日本では、この狂犬病。昭和32年を最後にこれまで、発症例はありませんが、世界では、いまだ狂犬病ウィルスは猛威を振るっており、全世界で完全に狂犬病ウイルスが駆逐されたわけではございません。そして、キャリアとなりえる動物は、イヌ科の動物でだけでなく、蝙蝠やマングース、アライグマなどもキャリアとなりえます。
そして、現代は世界各国グローバル社会。そのようなキャリア動物が、船舶や航空機に紛れていても何ら不思議はない世の中です。
毎日膨大な量の外国船や航空機が日本に入ってきている現在、国内に浸入することを完全シャットダウンするのは不可能に近いですよね。長らく日本で発症例がないにもかかわらず、狂犬病ワクチンの法令での義務摂取がいまだ解除されなかったり、犬が保健所の捕獲対象になっている理由はこのことが大きいと思います。
また、狂犬病の有無関わらず、犬の場合は猫に比べ、人に与えうる危害の可能性が猫に比べ、大きいことも理由の一つと考えられます。犬種によっては、その犬の攻撃を受け、人が死亡するケースもありますが、猫に攻撃され人が死亡するという事は、ほぼないですよね。このようなところだと思います。
このような理由から、両者に捕獲義務の差が生まれ、街中にほとんど野良犬という存在が見られなくなってきたというわけです。
では、野良猫においての疑問が解消されたところで野良猫たちの仔猫を発見した場合、どうすればいいのか。というところの具体的な行動について、段階に沿ってご紹介していきましょう。
野良猫の仔猫を発見した時行うべきこと1.人の手によって捨てられた形跡があるかどうかを調べる
まず確認が必要なのは、その見つけた仔猫たちが人の手によってその場所に連れてこられた、あるいは捨てられた痕跡があるかどうかという事です。その判断材料として、段ボールや箱に入っている。その中に毛布など防寒具が添えられているなど。
なぜこのような確認が必要かというと、母猫が現在しっかりと子育てを行っており、ただ単に現在留守にしているだけ。という可能性があるからです。
母猫も子育て中何も食べず、仔猫たちに付きっきり。というわけではなく、自分が栄養を補給するため、あるいは仔猫たちに与えるエサを取りに行くことももちろんあります。他には人の気配が近づいてきたので、身を守るために隠れたであったりとか、用足しなど。様々な理由で仔猫の元を離れることは多くあります。
そのような場合、しばらくすると母猫が帰ってくる可能性は高く、安易に仔猫を触ってしまい、人の匂いがついてしまうと、母猫は警戒して、飼育放棄をする可能性があります。ですので、仔猫の周りに人の形跡が見受けられないのであれば、しばらくそのままにし、様子を見ていただけるといいかと思います。
もし人の痕跡が遺されている場合、もしくは1、2日様子を見ても母猫が子育てを行っている気配がない場合、母猫の飼育放棄、または交通事故などにより母猫が死亡している可能性が考えられますので、次の段階になります。
野良猫の仔猫を発見した時行うべきこと2.仔猫に外的異常の有無を調べる
具体的に申し上げると、どこかに外傷がある、目ヤニや鼻水が出ている、鳴き声などを一切発していなく弱っている感じがする、など。外傷を負う原因は、イタチやカラスなどの外敵に襲われたりするケース。また、溝などに転落し、外傷を負うケースなど、色々な可能性があります。
目ヤニや鼻水が出ている場合は、いわゆる猫風邪などに感染している可能性があり、放置しておくと失明したり、最悪の場合は命を落としたりします。
このような場合は、様子を見ておくともちろん、命にかかわる可能性があります。通常であれば、1の段階は不可欠なのですが、もし仔猫に何らかの異常がある場合は、やはり緊急性がありますので、近隣の動物病院に診察してもらい、とりあえずの応急処置だけでもしていただけると、その仔猫たちが助かる可能性はぐっと高まります。
そして、このような外的異常が見受けられる場合は、仔猫の場合、残念ながら野良生活に戻ることは難しいですので、里親を募る、ご自身で面倒をみる決意をするなど、今後の生活の確保をしてあげる必要があります。
ただ、仔猫はその成長具合にもよりますが、まだ目も開いていないような状態の仔猫の場合は、2~3時間おきの人口授乳が必要であったり、このような大きさの場合、排泄がまだ自身でできないので、肛門などを刺激して排泄を促す必要があったりなど、そのお世話には、かなり繊細な飼育行程が要求されますので、もしこのようなご経験がおありでないならば、経験豊富な方にご相談されるのがいいかと思います。
ここで、ご自身が仔猫を飼育できる環境下においでであれば問題ないのですが、ペット不可の住居にお住まいであったり、もしくはペットは飼えるけれども、先住のペットの兼ね合いで迎え入れが難しい場合がありますよね。
そんな時は、次の段階に入っていきます。
野良猫の仔猫を発見した時行うべきこと2.民間の保護施設に連絡する
現状で、ご自身が仔猫を育てるには難しい状況下におありな場合、お住まいの地域にある民間の動物保護施設までご連絡して頂けたらと思います。公的な施設ではなく民間と強調した理由は、いわゆる保健所や愛護センターとよばれる公的機関では、仔猫は残念ながら、即殺処分という道が待っているからです。
先ほど、保健所は猫の捕獲義務がないので、捕獲にわざわざ出向かない。
こう申し上げました。すごい矛盾ですよね。わかります。なぜ、捕獲義務がないのに殺処分されるのか。
それは、保健所に持ち込まれるから。
保健所は出向きはしないですが、持ち込まれると受け取らざるをいません。なぜかというと飼い猫の可能性は限りなく薄いから。実は、現在の日本の殺処分頭数の多くは、この持ち込まれた仔猫が大部分を占めているんです。その数は、犬猫殺処分総頭数の実に約60%以上。残念ですが、これが今の日本です。
ただ誤解していただきたくないのは、保健所や愛護センターで働く方々が好き好んで動物たちをボンボン処分しているという事では決してない事。問題にすべきは現状の日本のシステムであり、極まれに保健所内でも心無い輩がいるものの、その中でも少しでも命を繋ごうと日々懸命に勤務されておられる方がほとんどだという事です。
ここで、民間の動物保護施設にご連絡いただくその際、頭のお隅でも気に留めてけると嬉しいことをご紹介しますので、ご一読いただけましたらと思います。
民間の動物保護施設にご連絡して頂く前に
動物保護施設に連絡すれば、すぐに保護が可能と思われておられる方が多くおいでなのですが、すぐに保護は難しいことがほとんどです。動物保護施設には毎日このような犬猫などの保護相談、飼育放棄の相談などが膨大にあります。
相談対象のすべての個体をすぐに保護ができるならばもちろん、それがベストなのですが、その保護施設の規模にもよるのですが、どんな大規模な施設でも受け入れ出来る頭数には限りがあります。
その毎日の相談に加え、春先から晩秋まではこの仔猫たちの保護相談も加わり、受け入れまでの期間が必要になることは多々あります。
そして何を置いても犬猫はじめ、動物たちにとって、保護施設のような環境は決して良いものではなく、ストレスなどから体調を崩し、最悪死んでしまう場合もあります。
特に猫の場合、” 猫は場所に付く ” この言葉通り、環境の変化にはかなり繊細で、少しの環境の変化でもストレスを抱き、体調を崩したり、エサを食べなくなる事は少なくなく、その結果、保護したつもりが逆に命を縮めてしまう。こんなこともあります。
そのようなことから、出来る限り動物保護施設に来ずに済むよう、施設の受け入れ態勢が整うまでの間、保護主様のご自宅でお世話をしていただいたり、里親様を募っていただくなどのご協力が、猫問わず、犬にとっても、本当に重要なことになります。
もちろん、動物保護施設は行き場がなくなってしまった動物の命を継続するために存在しており、その命の継続には最大限努力はしておりますが、そういった現状もあるという事をご理解いただき、動物保護施設からそのような要請をさせていただいた際は、ご協力を仰げると本当にありがたく思います。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、公園や家の敷地内などで、仔猫を発見した時どうすればいいのか。というところを具体的な手順に沿ってご紹介させていただきました。
とはいえ、これは発見した子猫たちに特に異常が見受けられない場合の手順。もし、仔猫にケガがある、元気がないなどの外的異常がある場合、記事を参考によりいい手順に沿って仔猫たちを救っていただければと思います。
ちなみに、街中ではほとんど見られなくなりましたが、万が一仔犬を見つけたとき。その際もその対処方法はほとんど同じです。
今回の記事があなたの、アニマルライフの向上にお役に立てれば幸いです。では、今回も最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。