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トラの亜種系統に新説 トラの亜種は2亜種だった!?

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、ライオンと並び、世界最大級のネコ科動物トラの種別について、その分類をご紹介したいと思います。トラというと、縦じまの体毛が美しく神々しささえ漂わせている、まさに王獣という言葉がしっくりなネコ科動物なんですが、詳細を見ていくと、生息地によって細やかな違いがあり、数種の亜種に分類されているんですね。ただ、最近その亜種の分類に新たな説も浮上しているのですが、その最新の通説とは・・・。

ではでは今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

トラの亜種は全部で2亜種!?新たなその亜種系統分類とは!?

トラという動物はもう、もうココでご紹介するまでもなく、知らない人はいないといっても過言ではない超有名な動物ですが、一応軽くトラのご紹介をさせて頂くと、トラはヒョウ属に分類されているネコ科動物の仲間で現生のネコ科動物の中では最大級の大きさを誇っている動物でもあり、現在絶滅が非常に心配されている動物でもあります。

いわずと知れた純肉食性の動物で、その獲物は非常に多岐に渡り、魚類やカメなどの比較的小さな動物から体重700kg以上にもなるスイギュウまで様々な大きさの獲物を捕食して生活しており、時にはヒグマやワニといった、捕食性の動物も獲物にすることがあります。

そんなこともあり生息地では頂点捕食者として君臨しているわけですが、現在トラはユーラシア大陸やその隣接する島国などに生息していて、通説では近年に残念ながら絶滅してしまったジャワトラ、カスピトラ、バリトラの3亜種含めると8亜種いる(いた)とされているんです。

現在生息しているトラの亜種

現在生息しているトラは全部で5亜種に分かれていて、

  • インドやネパール、ブータン、バングラデシュに生息するベンガルトラ
  • 朝鮮半島やロシアの一部に生息している最大種アムールトラ
  • タイやミャンマー、中国の一部などに生息しているインドシナトラ
  • スマトラ島に生息する最小種スマトラトラ
  • かつて中国に生息していたアモイトラ(野生個体は絶滅と認識。現在他亜種との交配個体が飼育環境にて現存)

が現生のトラの亜種と考えられております。

ところがこの現在5亜種とされてる分類を2亜種とする新たな説が浮上しているんですね。

新説 トラの2亜種説

その新たな説とは生息している地域によって、トラの亜種を5種から2種に圧縮する説というもの。その根拠はDNA解析での系統が2種に大きく分かれるものの、他はさほどその差異がないというところからトラの亜種は2つなのではないか。という観点から浮上した説でございます。

そしてその新たな亜種は

ユーラシア大陸生息群:Panthera tigris tigris(ベンガルトラ、アムールトラ、アモイトラ、インドシナトラ、カスピトラ)

スンダ列島生息群:Panthera tigris sondaica(スマトラトラ、ジャワトラ、バリトラ)

という2つの亜種にまとめるというもの。

こうしてみると、大まかに亜種の中でも大型種と小型種に分かれている感じがしますよね。なかでも、アムールトラとアモイトラ、カスピトラを同系統、スマトラトラとジャワトラを同系統としている説とされております。

トラの亜種 最新研究では結局ほぼほぼ元鞘に落ち着く

こうして浮上した新たな説なのですが、2018年の新たな遺伝子研究の発表では、同系統にひっくるめるにはその遺伝子にそれぞれ差異が見受けらることから、現在はこれまで通説とされていた5亜種(8亜種)という説に落ち着き、この亜種系統が広く支持されている感じですね。

そして、さらに絶滅亜種のカスピトラと現生のアムールトラはほぼほぼ同一種ということが、これまた新たに発表され、この2亜種はこの説が有力とされつつあります。

恐竜たちのフォルム然り、最新の研究では以前とは違う新たな通説が生まれるのが多いですが、こうやって元の説に落ち着いて、そこからさらに。っていうのも、本当に奥深いところであり、面白いところだと感じてしまいます。

最後に

いかがだったでしょう。今回はトラの亜種の系統で浮上した新たな説をご紹介させていただきました。恐竜たちに代表される絶滅種に関しては、日々新たな発見があり、そのフォルムや生態が日々アップグレードされているのは、広く知られるようになりましたが、トラなどの現生動物も、日々研究がなされていて、こういった新たな発見があるのも、非常に面白いところでもありますよね。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

 

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