こんにちは。えたばりゅです。
今回は昨今の外来種問題としても、深いかかわりを持つ、淡水のパワーファイター、カミツキガメというカメの仲間をご紹介しようと思います。このカミツキガメについては、毒は持ち合わせておりませんが、その強靭なあごのパワーはもちろん、カメのイメージとしては思いもよらないような瞬発力を兼ね備えているんですね。
この「日本の危険生物カテゴリ」の記事では、そんなカミツキガメたちをはじめ、日本の危険生物たちを紹介し、お互いののために、接触をできる限り避けるにはどのようにすれば良いのか、万一刺されたり咬まれたりした時にはどうすればいいのか、などの対処法をご紹介させていただきたいと思います。
中には、対処が遅れると命に危険が及ぶような、猛毒を持つ動物たちや、人のチカラなど到底及ばないようなパワーを持っている動物たちも日本には生息しております。このコーナーではそういった危険で警戒すべき動物たちにスポットを当ててご紹介させていただき、動物、人、お互いの安全のために極力遭遇を防ぐための方法などをご紹介したいと思います。
ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
カミツキガメの一咬みを甘く見てはいけない!超瞬発力と強靭な顎の力を備えた超攻撃型のカメ
カミツキガメは、英語名は「Snapping turtle」、学名は「Chelydra serpentina」という、カメ目カミツキガメ科カミツキガメ属に属するカメの仲間で、本来は南北アメリカの湿地帯や沼地、河川に生息いるカメの仲間なんですね。
カミツキガメとは一種を表した言葉ではなく、カミツキガメ科のカミツキガメ属に属するカメの総称になります。約50cmほどまでに成長することもある、淡水のカメとしては中型~大型クラスになり、普段は川底などでじっとしているのですが、それはカミツキガメの戦略。
エサが近づいてくるのをじっと待ち構え、射程距離に入るや否や、瞬時に獲物を目にも止まらない瞬発力で捕らえます。そして一度捕えられた獲物はその万力のような強靭なあごの前になすすべもなく飲み込まれていくというわけです。カメというと、かなり動作が緩慢なイメージがありますが、このカミツキガメの瞬発力は凄まじいものがあり、魚や水生昆虫はもちろん、小さな水鳥なども食べることがあります。
このようにみると、生粋の肉食動物と思われがちですが、他にも果実や水生の植物、藻なども摂取し、生きるに秀でた食性を兼ね備えているんですね。
ペットブームが元でカミツキガメが日本にも定着
カミツキガメは先にもお伝えした通り、本来の生息地はアメリカ大陸。日本には生息していない種なのですが、今から約70年ほど前にペットとして大量に日本に持ち込まれ、飼育に困った飼い主が近隣の河川や池などに放流し、元々アメリカとは気候が似ていることから、日本の環境に順応し、繁殖をしているとされており、主に関東地方を中心に繁殖・定着が確認されています。
少し前までは、かなりの数のカミツキガメが日本に入ってきたとされておりますが、2000年に特定動物に指定されてからは、飼育に届け出が必要になりその流入も少なくなりました。しかしながら、主に千葉県印旛沼(いんばぬま)近隣ではすでに定着しており、繁殖が繰り返されているとされております。
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カミツキガメを見かけても絶対に触っていはいけない!
このカミツキガメ。あごの力が非常に強く、前述の通り口を閉じるときの瞬発力も相当なもの。おまけにその顎の力は万力のように強靭です。手を触れようものなら一瞬でその名の通り、咬みつかれます。
そして、このカミツキガメ。カメだからといって決して甘く見てはいけないんですね。カメは動作が緩慢なイメージがありますが、それはかなり大型のガラパゴスゾウガメなどのリクガメのイメージ。水生のカメたちは、カミツキガメでなくても、実はかなり素早く動きまわるんですね。
よく川岸や池のほとりで、日向ぼっこをしているカメに近づこうとすると、一瞬で逃げられることはよくありますよね。ですので、カメの動作が緩慢だというイメージは、あの童話のイメージやゾウガメ達がゆっくりと歩くしぐさをTVなどで定着したイメージ。
カメは基本素早い動物。と認識していただけましたと思います。そしてカミツキガメはさらにすっぽんの数倍はあろうかという、強靭なアゴの力で人間の指は簡単に咬みちぎることが可能ですので、印旛沼はもとより利根川水系でレジャーを楽しむ際は特に注意が必要といえます。また、見かけても絶対に触ったりしないようにしてくださいね。
そして、カミツキガメの仲間でも、もっとも大きな種もこの日本で定着する可能性があるんです。いわばカミツキガメたちのボス的存在とでも言いましょうか。その御仁はワニガメ。それではそのワニガメについてもご紹介させて頂こうと思います。
カミツキガメのボス的存在ワニガメ、見た目はもはやガメラ
ワニガメは英語名を「Alligator snapping turtle 」学名を「Macrochelys temminckii」という、カミツキガメ科ワニガメ属に属する種で、こちらも本来はアメリカ(ワニガメは主に北アメリカ)の湿地帯や沼地に生息しております。その大きさは大きなもので甲羅の長さが、80cm以上にも及び、頭や尻尾を合わせるとゆうに1mを超え、体重は100kgを超えることも珍しくない淡水に清楚良くするカメとしてはかなり大型のカメです。このワニガメも他のカミツキガメと同じく、雑食なのですが、他のカミツキガメの仲間たちと比べると、その食性は肉食に傾倒しております。
いかがでしょう。ガメラでしょ?? 因みにガメラはこのワニガメがモデルになったといわれています。こちらは数年前に千葉県柏市で捕獲されたワニガメですが、その大きさがお分かりいただけたかと思います。またその寿命も万年・・・とまではいきませんが、長く生きる個体では100年を生き抜くといわれており、飼育には向かないカメであることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
目下ワニガメは現在特定生物に区分されており、飼育には自治体の許可が必要なんですね。では、許可が下りれば飼育が可能か。まさにその通り。ですが、飼育申請は数万円。そして、マイクロチップは義務化されており、こちらも決して安くはない金額。おまけにワニガメを満足させるような設備投資。そして、健康管理に飼育管理。初期費用に加え、毎月出ていく諭吉殿の人数はかなりの人数になるかと思います。
ワニガメの必殺技にして懐刀 口の中の疑似餌
このワニガメ。口の中にワーム(ミミズ)のような器官を持っており、それを起用に動かすことにより、まるでワームが動いているかのような動きを再現します。そして、それにおびき寄せられて近づいてきた魚などを電光石火の速さでとらえます。その動きは本当にワームそのもの。まるでワームを口の中で飼っているようにも見えます。まぁ・・・百聞はなんとやら。そのワームルアーの動きをとくとご覧ください。
いかがでしょう。もはや口の中で動くワームですよね・・・
因みにこのワニガメ。日本では外来種として、警戒されている動物ですが、本国アメリカでは生息地の破壊などで、その数は減少しており、現在はIUCN(国際自然保護連合)では残念ながらVU(絶滅危惧 Ⅱ類)にランクされ、絶滅が心配されているんですね。
日本では外来種として、見つけられたら即刻駆除という悲しい道を辿る動物が本国では絶滅が危惧されているのは何ともやるせないですよね。私たちもワニガメやカミツキガメが本国で安心して暮らせるよう、出来る限りのことをして行かねばですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は淡水の外国系パワーファイター、カミツキガメの仲間をご紹介させていただきました。外来種問題は、現在どの国においても根強い問題になりつつありますが、やはり元をたどると飼育放棄などの飼い主の問題が大きな要因を占めていることも事実。
カミツキガメに対してワニガメは比較的その性格は穏やかですので、積極的に人に襲い掛かってくることはないですが、興味本位で近づいたりすると大けがを負う可能性があるので、ワニガメにしろ、カミツキガメにしろ、お互いのためにも、もし見かけても絶対に、近づかない、触らないようにしていただけましたらと思います。
では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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