こんにちは。えたばりゅです。
今回は春の昆虫のイメージ代表格、ナナホシテントウをご紹介しようと思います。ナナホシテントウといえば、成虫の丸っこいつるんとしたフォルムが人気で、昆虫が比較的苦手という方も、ナナホシテントウの成虫ならまだ大丈夫。
っていう方もおられるように、春のイメージと共に可愛い昆虫の代表格でもありますよね。
しかしながら、このナナホシテントウ。そのイメージとは裏腹に、結構獰猛なところもありましてですね。今回はそのあたりも踏まえて、意外と知られていないナナホシテントウの魅力お伝えしながら厳選したナナホシテントウの3つの真実をお伝えしようと思います。
可愛さウリのナナホシテントウは超絶肉食系!意外と知られていないナナホシテントウのヒミツ
ナナホシテントウは英語名を「Seven-spot lady bird」、もしくは「Seven-spotted lady beetle」、学名を「Coccinella septempunctata」という、コウチュウ目テントウムシ科に属するテントウムシの仲間で、アジアからヨーロッパ、アフリカ大陸にかけて、非常に幅広く生息しており、日本でも各地でみられ、私たちに一番なじみ深いテントウムシといえますよね。
体長は約0.5cm~1cm弱ほどで、赤いフォルムに黒い七つの斑点と胸部と頭部に白い斑点がトレードマークの何とも可愛らしいフォルムをしております。
ナナホシテントウの名前の由来
ナナホシテントウは漢字で書くと、「七星天道」という感じになるのですが、この名前がついた由来としては、テントウムシの仲間たちは飛び立つとき、花や草の先端まで登っていき、そこから羽を広げて飛び立つ習性があるんですね。
その時の様子が、まるで天に向かって真っすぐ道を進んでいるように見えることから、この名前がついたとされております。また、ナナホシテントウは縁起のいい昆虫としても知られており、特にヨーロッパではナナホシテントウをみると、幸せが訪れるというように言われております。
確かにこのような習性を持っているので、なんか縁起もよさそうですよね。星も七つですし。
ちなみに羽化したてのナナホシテントウは、黄色い色をしており、時間と共にあのなじみ深い色へと変わっていくんですね。
こちらが蛹から羽化して比較的時間が経過していないナナホシテントウ。いつもの色に比べると、赤いところが黄色いでしょ。本当に羽化してすぐの時は、この黒い斑点もないんです。
そんな絶賛縁起力と可愛さウリのナナホシテントウなんですが、実はその生態は結構獰猛だったりするんですね。
意外と知られていないナナホシテントウのヒミツ1.可愛いフォルムに似合わず、けっこう獰猛
獰猛な昆虫といえば、やはり日本だとスズメバチやカマキリの仲間が思い浮かびますが、実はナナホシテントウも体は小さいものの、結構これらの昆虫に肩を並べるくらい獰猛だったりするんですね。
ナナホシテントウの食性は幼虫、成虫共に肉食。それも腐肉食性ではなく、バシバシ獲物を狩る捕食性の昆虫なんです。獲物となるのはアブラムシやハダニ。オオスズメバチは数匹で数万のミツバチを壊滅状態にしてしまいますが、実はこのナナホシテントウも負けてはおらず、ナナホシテントウ一匹いれば、ひまわりや菜の花にワラワラといらっしゃる、アブラムシを瞬く間に平らげてしまうこともあるんですね。
特に幼虫は成虫のように羽が生えていないので、その場にいるアブラムシを食い尽くすことでも知られているんです。そして、アブラムシの数が少ないと、ナナホシテントウの幼虫は何と共食いを始めてしまうこともあるほど。
英名やその姿からはちょっと想像できない感じですよね。
このようにナナホシテントウはそのイメージとは裏腹に結構獰猛な性格をしていることでも知られているんです。
意外と知られていないナナホシテントウのヒミツ2.実は夏は眠っている
テントウムシというと、春から夏にかけて活発に活動しているイメージがありますよね。でも、実はナナホシテントウ、真夏の時期は冬眠ならぬ、夏眠をしていることが多いんですね。というのも、夏の気温が上がる時期は餌となるアブラムシの活動もかなり抑えられ、その数も激減するんです。
なので、エサの少ない夏場はナナホシテントウも草の陰などで夏眠して、涼しくなる秋口にアブラムシが増え始めると、またナナホシテントウも活動を始めるんです。
ちなみにテントウムシは冬眠することでも知られていますよね。郊外などでは冬場になると天道虫が集団で窓の桟(さん)など寒さをしのげる場所で冬眠しているのを見かけたりするのではないでしょうか。
このナナホシテントウも、冬場になり、気温が落ちると、冬眠して次の春に備えたりするんですが、冬眠しているのは主に秋口に羽化したナナホシテントウなんです。ナナホシテントウは成虫になると、休眠期を含め、約4、5か月で寿命を迎えますので、春に羽化したナナホシテントウは残念ながら、冬を迎えることなく、寿命を迎えるんです。
意外と知られていないナナホシテントウのヒミツ3.実は臭い
・・・といっても、可愛さウリのナナホシテントウの名誉のために申し上げておくと、決して四六時中臭いというわけではありません。
その臭さを発揮するのは、ナナホシテントウが自衛手段に出る時。いかな単騎で恐ろしい数のアブラムシを壊滅させるナナホシテントウとはいえ、その体長は大きくても1cm足らず。なので、他の生き物たちに襲われることもよくあるんですね。
そんな外敵から身を守るためにナナホシテントウは2つの自衛手段を持っています。その1つが偽死。いわゆる「死んだふり」です。
小さい頃にナナホシテントウを触ると、足をたたんで全く動かなくなってしまった経験はないでしょうか。あれはナナホシテントウの外敵から身を守る手段の一つで、死んだふりをすることにより、外敵が自分から興味を無くすのを待っているんです。
そしてもう一つが、足の関節から出される黄色い分泌液。こちらが、結構嫌な匂いがする代物でしてですね。嫌な臭いだけならまだいいのですが、この分泌液にはアルカロイドが含まれており、多くの生き物たちにとって有害な物質なんです。
このアルカロイドは、もちろんナナホシテントウの体内にも含まれておりますので、鳥なども積極的にテントウムシを襲うことはないんですね。ナナホシテントウの色も私たち人間からしてみれば、可愛らしく綺麗な色ですが、この色は実は他の生き物たちに対しての警戒色でこのような体色をしていると考えられています。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、可愛い昆虫の代表的存在、ナナホシテントウの意外と知られていない真実に迫りつつ、その魅力をお伝えさせていただきました。可愛い外見に似合わず、アブラムシを単騎で壊滅状態に追い込むっていうのはオドロキだったのではないでしょうか。
そんなアブラムシも対抗手段を持っていないわけではなくて、ある種のアリに水から分泌する甘い液を与える代わりに、テントウムシから自分を守ってもらったりもしているんです。
ニホンミツバチはオオスズメバチを集団で蒸し殺すという対抗手段を持っている一方、アブラムシは自身が攻守ともに脆弱なので、ボディガードを他の昆虫に頼むというもの、なかなか優れた自衛手段といえますよね。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。