こんにちは。えたばりゅです。
今回は、古来より小さな猛禽類として親しまれている日本の在来種、モズについて、ご紹介したいと思います。
超愛らしい姿をしている一方、「早贄(はやにえ)」という、ちょっと人間から見ると残酷に映るような習性も持っていたりと、小さいながらもミステリー性あふれるモズですが、そんな中でも、モズ(百舌鳥)といわれるその理由と、この早贄という習性が意外と深い関係にある事が分かってきていてるんですね。今回はモズが持っている、その魅力に触れつつ、その関連性にも迫っていきたいと思います。
ではでは、早速そんなモズの魅力に迫っていきましょう。
「小さな猛禽」モズの早贄には超意外な理由があった!
モズは、英名を「shrike」、もしくは「Bull headed Shrike」、学名を「Lanius bucephalus」というスズメ目モズ科モズ属に属する鳥の仲間で、スズメ属に属していますが、一般的にワシやタカ、フクロウ、ハヤブサと同じく、猛禽類として認知されています。
その中でも、モズは翼開長約30cmほどと、スズメよりも少し大きいくらいの大きさで、こういった猛禽類と呼ばれる鳥類の中では一番体が小さいので、小さな猛禽なんて呼ばれ方をしていますよね。
日本ではモズは結構なじみ深い鳥ですが、国外にも生息していて、中国や朝鮮半島、ロシアの南東地域でもその姿を見ることができます。
モズの代名詞 様々な「さえずり」を駆使する、百の舌を持った鳥
実はモズは、その鳴き声も非常に特徴的な鳥で、非常に多彩な囀り(さえずり)をすることでも知られているんですね。モズは漢字で書くと、「鵙」なのですが、そのほかにも「百舌鳥」や「百舌」といったように書くことも多く、そのさえずりが非常に多彩なことから、「百の舌を持つ鳥」として、その名前の由来になったほど。
そんなモズの鳴き声の一部例が動画に収められていたので、ご紹介したいと思います。
こんなのや
こんなの。けっこう山間部に行くと耳にしたことがあるのではないでしょうか。あと、なんか「チュンチュン」なんて感じのさえずりもあったり、このあたりはさすがスズメ属に属している感じがしますよね。
このような多彩なさえずりは繁殖期のオスのディスプレイとして使用されることも多く、このさえずりの質が高いほど、オスは交配できる確率が高まることが分かっており、モズのもう一つの代名詞、早贄(はやにえ)ともちょっと深い関係がある事が分かってきているんです。
モズのもう一つの代名詞「早贄(はやにえ)」
モズは早贄という、狩りをした獲物を木の枝など、尖った場所に突き刺して保存する習性があり、その可愛い姿とは裏腹に、人間から見るとちょっと残酷にも映るような習性を持っています。
早贄を行う理由としては、コレ!って言う確説はないものの、保存している早贄を沢山消費したオスほど、メスにとって、魅力を感じるさえずりができる確率が高いとされていて、早贄がメスを獲得するための重要な栄養源となっていることが分かってきているんですね。
モズが早贄を行う理由
モズが早贄を行う理由は先ほど申し上げた通り、まだ解明はされていないものの、有力な説として、上記のような理由の他に
- 獲物の固定をするため
- 空腹時でない時に仕留めた獲物を保存しておくため
- 獲物の少ない時期の保存食として貯蔵するため
といったものがあります。また、この他にも理由という位置づけというものではないものの、積雪地帯ではモズはその年の降雪量を予測して、早贄を行う枝の高さを調節しているので、モズが低い場所の枝に早贄をしている時は、その年の降雪は少なく、また逆に高い位置に早贄をしている時は、積雪量が多いことがわかると考えられている地域もあります。
ちなみにこの「早贄(はやにえ)」という言葉の由来ですが、これはモズが枝に獲物を突き刺して、食べない様子が獲得した獲物を、まずは山やその神に生贄(いけにえ)として捧げているように見えたことから、早贄という言葉が生まれたと考えられています。
もちろん、モズには生贄という概念はなく、早贄を行う理由としては、上記のいずれかか、全く別の理由、もしくはこれらが複合的に重なっているのだと思いますが、確かに捕食動物が捕らえた獲物を食べずに、何かに突き刺して放置するっていうのは、捉えようによっては捧げものをしているようにも感じますよね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、小さな猛禽として古来より親しまれている日本の在来種、モズの魅力に迫ってみました。その中でも、モズが様々な声色を駆使できるっていうのは、ちょっと驚きでしたよね。
こうした特徴をみると、確かに百の舌を持つ鳥ってのも頷ける感じです。
二枚舌っていうと、なんか嘘つくヤツっていうちょっとマイナス的要因で使われますが、あんまりいいイメージはないですが、百の舌まで行くと、なんか見事なさえずりを駆使する、超実力派歌手っていう感じがしますよね。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。