こんにちは。えたばりゅです。
今回はトラやヒグマなど、北半球に住む各地の最強生物たちと食物連鎖の覇を競うタイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)の溢れる魅力と意外な一面を超絶徹底的にご紹介したいと思います。そして、ハイイロオオカミは陸生捕食動物の中では、間違いなく狩りの実力はトップクラスに君臨し、驚異の成功率を誇っているんです。
こちらの記事を読み終えるころには、あなたもタイリクオオカミの魅力にドッッップリとハマってしまうこと請け合いですので、ぜひ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
タイリクオオカミ 最強の覇を競う驚異の狩りの成功率と意外な性質を徹底紹介!
タイリクオオカミは、英名を「Gray Wolf」、もしくは「Timber Wolf」 。学名を「Canis lupus」という、ネコ目イヌ科イヌ属に属する哺乳類です。
言わずと知れた飼い犬たちの祖先ですね。別名でハイイロオオカミという呼ばれ方もしております。体の大きさはイヌ科としては最大クラスを誇り、メスよりもオスの方が大型になる傾向があります。
タイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)はイヌ科最大の大きさ
タイリクオオカミはオオカミの仲間の中ではもちろんの事、イヌ科の動物では最大の巨躯を誇り、最大クラスのオスで体高は約90cm、頭から尻尾までの全長は2mに迫ることもあります。
また、「恒温動物は同種でも高緯度地に生息するものが大型化する傾向にある」という、ベルクマンの法則にもれず、このタイリクオオカミも北の方に生息するものほど、大型化する傾向があり、現在記録に残っている最大のタイリクオオカミはウクライナに生息していた、体重86kgのオスの個体が最大とされております。
北半球に幅広く生息するタイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)たち
オオカミの仲間は世界各地に生息しておりますが、このタイリクオオカミがオオカミの種類の中でも、生息範囲がかなり広く、その亜種が北半球のアメリカ大陸北部と中部の一部、ユーラシア大陸、ヨーロッパ大陸などに生息しております。
タイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)とシンリンオオカミの違いって?
タイリクオオカミの他によく知られているオオカミとして、シンリンオオカミというオオカミがおりまして、動物園などでも比較的よく出会うことができますよね。
風貌もタイリクオオカミとそっくりなため、この違いに戸惑ったりすることもあるかと思いますが、それもそのはず。シンリンオオカミとはカナダの一部などに生息しているタイリクオオカミの一種になるんですね。要するにタイリクオオカミの亜種ということになります。
他にも
- アラスカオオカミ
- シベリアオオカミ
- ホッキョクオオカミ
- ヨーロッパオオカミ
- チョウセンオオカミ
- イタリアオオカミ
といったタイリクオオカミの亜種たちが各地で生息しております。
近代まで日本にも生息していたタイリクオオカミ、ニホンオオカミとエゾオオカミ
日本にもかつて、本州、四国、九州にはニホンオオカミ、北海道や千島列島にはエゾオオカミという、タイリクオオカミの一種が生息していましたが、どちらも開発による生息地域の破壊で徐々に生息範囲が奪われ、それに伴い餌となる動物も激減してしまった結果、オオカミたちは生きる術として家畜を襲うようになりました。その結果、国を挙げて駆除されてしまい、そこにさらにジステンパーなどの致死率の高い病が流行したことが追い打ちをかけ、残念ながら20世紀初頭には姿を消してしまいました。
しかしながら、今度はこれで天敵を失ったニホンジカやエゾシカが爆発的に増え、現在ではニホンジカやエゾシカが開発により住処を追われ、農作物を摂取するといった問題が深刻化しております。
こういった食物連鎖の崩壊といえる事象は日本だけでなく、アメリカでも同じような事態が起きたのですが、アメリカでは絶滅してしまった地域である、イエローストーン国立公園やアリゾナ州、そしてニューメキシコ州などでもオオカミの再導入が実施され、その生態系が見事に回復したという実証がなされました。
日本でのオオカミ再導入計画
オオカミの再導入計画は日本でも実際に協議されており、大分県や北海道などがオオカミの再導入を検討した経緯があり、その対象としてタイリクオオカミに白羽の矢をたてる事が検討されております。
ただ、これにはもちろん反対意見もありましてですね。また、かつてのマングース計画のように思うように機能せず、失敗に終わることも危惧されています。これに対し、日本オオカミ協会はニホンオオカミはハイイロオオカミの亜種に過ぎず、その導入については、マングースなどの外来種の導入とは全く異なり、生態系への悪影響は心配ないとしているようです。
ただ・・・このような崇高が学者の方々や有識者の方々が論じられているところに私のようなものが意見を挟むのは甚だ僭越ではありますが、あえて口を挟ませて頂くと、
ニホンオオカミやエゾオオカミはタイリクオオカミの一種であることは間違いないのですが、現在生息している、タイリクオオカミとニホンオオカミではその体格にかなりの差があるんですね。
- ニホンオオカミ:体長約1.3m(尻尾含む)、体重約15kg
- タイリクオオカミ:体長約2m(尻尾含む)、体重約80kg
という感じで、大人と子供ほどの差があります。そして、これだけ大きさが違うと、やはり体力、力ともに歴然の差がありますので、イエローストーン国立公園のように同じような体格のオオカミが導入されるのとはまた事情が少し違ってくると思うんです。
もちろん、イエローストーン国立公園やアリゾナ州などのように成功実証例があり、ハイイロオオカミもかなり警戒心が強く、人間の前には積極的に姿を現さないので、オオカミ再導入は生態系の回復手段としてはかなり有効といえる手段であると思いますが、ニホンオオカミとタイリクオオカミの体格の差などから、日本の再導入には更なる熟考が必要なところといえそうですね。
日本の地にオオカミが蘇る。。。いや、私もオオカミは大好きな動物ですので、至極憧れるところではあり、実現を切望せざるを得ないというのが本音ですが、それによってオオカミが以前のように悪の対象、いわば悪者扱いされる事態は何としても避けたいところ。
まぁ、日本国内にオオカミを再導入する計画については、今後の議論を楽しみにするとして、このような大きさなので、タイリクオオカミは各地の頂点捕食者とその地位を2分しているような存在になるんです。
では、次にタイリクオオカミの優れたハンターとしての実力を余すところなくご紹介していきましょう。
驚異の狩り成功率!タイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)の捕食動物としての実力が凄すぎる
タイリクオオカミは先ほど申し上げた通り、イヌ科の動物としては最大の体格を誇っており、こちらも狩りをするうえでは重要な役割を担っておりますが、タイリクオオカミにはその他にも、2つ有能な捕食者としての優れた能力を有しているんですね。そのパックによっては、なんと80%を超えるような狩りの成功率をたたき出していることもあるんです。
タイリクオオカミの有能な捕食者としての能力1.群れをつくる
タイリクオオカミも他のイヌ科の仲間の例にもれず、リーダーのつがいを最高地位とする群れを作って生活する社会性動物で、通常約5頭ほどのパックという群れを形成して生活しております。
タイリクオオカミはこの群れという強みを生かし、狩りは群れで協力して行いますので、イノシシや鹿はもちろんの事、自分たちよりもはるかに大きい体格差のある、ヘラジカなども狩ることができます。
タイリクオオカミの有能な捕食者としての能力2、凄すぎる持久力
タイリクオオカミはじめ、イヌ科の動物は、非常に自給力に優れた動物で、ライオンやトラなどネコ科動物が瞬発力を爆発させて獲物をしとめるタイプなら、オオカミやリカオンなどイヌ科の動物は、果てしない持久力で獲物を追い詰めるタイプという感じですね。
タイリクオオカミは獲物を狩る際、その持久力を如何なく発揮し、30kmほどのスピードであれば、なんと約7時間もの間、休むことなく獲物を追跡することが可能です。また、タイリクオオカミのトップスピード、約60~70kmでも、約20分もの間、そのスピードを維持することができると考えられております。
このように持久力自慢の草食動物たちもオオカミの圧倒的な持久力の前には歯が立たないことも多く、先に限界点を超えた草食動物が、このように追跡してきたオオカミに囲まれるケースも多くあります。
私たち人間が最高速度を持続できる時間は短距離トップアスリートでもほんの数秒といわれておりますので、タイリクオオカミの全力持久力がいかにすごいかが分かりますよね。
では次にあまり知られていないタイリクオオカミたちの特性をご紹介していきましょう。
タイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)の意外な性質
オオカミという種類の動物たちは私たち人間にとっても、非常に密接に絡み合っている動物といえますが、その認知度の一方であまり知られていない特徴もあるんですね。
タイリクオオカミの意外な性質1.摂取する意外な食べ物
オオカミといえば、肉食というイメージが定着しており、タイリクオオカミも然り。。タイリクオオカミが獲物といる動物たちの例を一部ご紹介すると、ウサギなどの比較的小さな草食動物も捕食しますが、タイリクオオカミは群れという強みを生かして狩りをするので、鹿やイノシシ、そして時にはアメリカバイソンやヘラジカなどの超大型の草食動物も襲うことがあるんです。
このようにタイリクオオカミはやはり肉を食べる肉食動物というイメージが私たちにも定着しておりますが、実は果実も食べるんです。
ですので、厳密には超肉食傾向の雑食ということになりますが、普段は肉から栄養源を摂取するので、分類的には肉食に分類されております。
また、稀に飼い犬のように草を食べることもありますが、これについては消化不良などから胃の内容物を吐き戻すためにみられる行為であり、栄養補給のための摂取とは異なります。
タイリクオオカミの意外な性質2.近縁種との交配が可能
タイリクオオカミの意外な特性として、他の近縁種との交配が可能であり、その近縁種との交配で誕生したその子孫も、繁殖能力を有することで知られております。
これは一代限りで繁殖能力を有さない、ライガーやレオポンなど、ネコ科の近縁同士の交配と違う点といえますね。
タイリクオオカミと近縁種の交配例としては、オオカミとシェパードやシベリアンハスキーなどのイエイヌ類との交配で生まれる、ウルフドッグが有名ですよね。
この他にもタイリクオオカミはコヨーテなどといったイヌ科の動物と交配が可能で、タイリクオオカミとコヨーテの間で自然交雑され誕生したのがアカオオカミとされる説もあります。
タイリクオオカミの意外な性質3.人に慣れる
まぁ、これは犬の祖先ということもあり、ご想像がつきやすいかと思いますが、タイリクオオカミはかなり警戒心が強い動物ではありますが、野生動物としては珍しく、人に慣れやすい性質を持ち合わせております。
幼獣の頃から、人と一緒に接することにより、人に慣れイエイヌと似たような生活も行うことができます。
慣れるとこんな感じでまるで飼い犬のような仕草を見せてくれることもあるんですね。
可愛すぎる・・・(T▽T)
あ・・・いや、失礼しました。
こちらの動画についてはほのぼのとした内容になっておりますので、どうぞ安心してご覧ください。
もちろん、慣れるといっても、必ずしも慣れるということではなく、また馴れるにしても根気よく接する期間が必要です。
大丈夫だとは思いますが、動物園などで見かけても絶対にオオカミたちがいる柵の中には入っていかないようにしましょうね。
いや~・・・それにしても、この動画のタイトルにもありますが、こうやって人間と比較すると改めてタイリクオオカミの大きさが分かりますよね。。。
最後に
いかがだったでしょう。今回はオオカミたちの代表格にして、飼い犬たちの祖となるタイリクオオカミをご紹介させていただきました。
いかがです?かなり有名なそのネームバリューに反比例して、魅力的な再発見があったのではないでしょうか。タイリクオオカミも他の動物たちと同じく、人間に翻弄される、少しツラい経緯もありますが、これから先は、適度な距離を保ちつつ、私たち人間も上手くタイリクオオカミと共存していかねばですね。
では今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。