こんにちは。えたばりゅです。
今回は、クマの仲間では最大クラスの大きさになるヒグマの仲間、コディアックヒグマをご紹介したいと思います。
元々クマは体が大きい動物というイメージがあるんですが、このコディアックヒグマに関してはその巨大度合いが半端なくてですね。こちらの記事をご覧いただくと、コディアックヒグマのデカさに驚愕すること請け合いですので、是非ゼヒ、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
陸上捕食動物最大級!圧巻の1t越え!コディアックヒグマの超巨体に驚愕
コディアックヒグマは学名を「Ursus arctos middendorffi」、英名は、「Kodiak bear」、「Kodiak brown bear」、「Alaskan grizzly bear」などと呼ばれているヒグマの亜種で、アラスカの沿岸部、コディアック諸島にのみ生息しております。
食性は他のヒグマの仲間と同じく、肉食傾向の強い雑食。
ではでは、早速コディアックヒグマの巨大さとその巨体の秘密に迫っていきたいと思います。
捕食性陸上動物では現生地球最大クラス!コディアックヒグマの巨大さとその秘密に迫る
日本でも、北海道にエゾヒグマというヒグマの仲間が生息しており、こちらのヒグマも日本では最大の捕食性陸上動物の座に君臨。その体長は最大クラスで2m以上、体重は約500kg以上にも成長することがあり、過去にはこのエゾヒグマによる痛ましい事件も発生しております。
しかしながら、エゾヒグマが最大というのも、それは日本という限られた狭い範囲でのお話。エゾヒグマもこのコディアックヒグマに比べると、ヒグマとしては小柄な部類。
クマの仲間で最大の種類といえば、オスは最大体長約2.5m。最大体重約800kgに達するホッキョクグマが有名で、記録に残っている最大個体で約1tと、現生の捕食性の陸生野生動物では地球最大の大きさを誇っております。他の主要な種の最大クラスの陸上捕食性野生動物と比較しても、
- ネコ科最大:アムールトラ(体長約2.5m、体重約300kg)
- イヌ科最大:タイリクオオカミ(体長約1.8m、体重約90kg)
- クマ科最大:ホッキョクグマ(体長3m、体重約1000kg)
と、クマの仲間が頭一つ抜きんでていることがお判りいただけるのではないでしょうか。特に体重においてはほかの種よりもかなり突出しているのがよくわかりますよね。
そして、今回ご紹介している、コディアックヒグマはそのホッキョクグマと肩を並べる巨大さにまで成長し、時にはホッキョクグマをも上回る巨体に成長することがあります。
コディアックヒグマも他のクマの仲間と同じく、メスよりもオスの方が大型化する傾向があるのですが、コディアックヒグマのオスの平均体長は約2.4m。体重は約500kgと、日本のエゾヒグマの最大クラスに匹敵する巨大さで、最大クラスになると、その体長は約3m。体重は約700kgという巨大さ。
そして、現在記録に残っている最大体重は飼育個体なのですが、アメリカのノースダコタの動物園で飼育されていた、クライドというオスのコディアックヒグマ。そのピーク時の体重は何と約1090kgという驚愕の重量を誇っておりました。
そして、コディアックヒグマが現在記録に残っている中で、最大とされる個体はアラスカ州コディアック島に生息していたオスの個体で、その体重はなんと圧巻の1134kgというクライドを凌駕する巨体。また、1976年に公開された映画「グリズリー」で暴れ狂う恐ろしい巨大熊を演じた名優「テディ」というコディアックヒグマの体長は3.4mという驚異的な大きさであったとされております。
一般的に野生個体よりも、運動量が少なく、食料が安定供給される飼育個体の方が重量的に重くなる傾向がありますが、このように条件さえ合えば、野生個体もクライドに匹敵する、あるいはそれを凌駕する大きさにまで成長する可能性もあるんですね。
ちなみに、コディアックヒグマと同格の体格を持つクマ科最大種のホッキョクグマの最大個体は、約1002kgとされております。
こちらは別の飼育個体のコディアックヒグマですが、その大きさがよくわかる動画がありましたので、ご紹介しておきます。
え~・・・っとですねw
いうまでもないと思いますが、絶対にマネはしないようにお願いしますね。
それにしても、ただただ驚愕の巨大さ。なぜコディアックヒグマは他のヒグマの仲間たちに比べて、大きくなっていったのでしょうか。
コディアックヒグマ その巨大さの秘密
コディアックヒグマが他のヒグマの仲間と比べ、大型化した理由としては様々な要因が複雑に絡み合っている可能性があると思うのですが、その1つとして、摂取している食べ物が挙げられます。
コディアックヒグマが生息しているコディアック島周辺ではサケが多く生息しており、産卵のため卵を抱えた鮭が無数に遡上しているんですね。他のヒグマもサケは主食の一つとなっているんですが、他の種類のヒグマの生息地はコディアックヒグマに比べ、内陸部になっており、ヒグマたちが捕食するころにはサケたちは川を遡上するため、莫大なエネルギーを消費し、その体に含まれる栄養素は遡上前と比べ、かなり消費されてしまっております。
ちなみに、サケは産卵のため、遡上を始めると餌を一切口にしなくなるんですね。
それに比べ、コディアックヒグマの生息地はアラスカ州沿岸部の海に近い場所に面しており、遡上前の栄養価抜群のサケたちを食べ、しかもそれを冬眠前に大量に摂取するため、大型化が進んでいったと考えられております。加えてコディアック島には初秋ごろにベリー系の実が旬を迎え最も糖度、すなわちカロリーが高くなることが分かっており、サケの遡上時期と重なることから、豊富なエサに囲まれていること、これもコディアックヒグマの体を支える一助となっている可能性も示唆されております。
いや、いかに遡上前の栄養価の高いサケたちとは言え、アザラシを主食としているホッキョクグマと同等の体格維持を支えているとは、本当にサケの持つ栄養価にもただただビックリですよね。また、産卵前の鮭を食べているのは他の地域にいるヒグマたちもそうであり、ベリーや木の実など高カロリーの食べ物があるのはコディアック島に限ったことではなく、日本のエゾヒグマにもその食性は当てはまります。
生息域がヒグマの中でも最北端クラスであるアラスカのコディアック島。こういった中でのこの圧巻の巨体はやはりベルクマンの法則も関係しているのかもしれませんね。
最後に
いかがだったでしょう。今回はクマ、ひいては陸上に住む捕食性の野生動物としては地球最大クラスの大きさを誇るコディアックヒグマとその巨大さの秘密についてご紹介させていただきました。
ちなみに現在までで知られている最大のクマは氷河期に生息していたショートフェイスベアの仲間で、アルクトテリウム・アングスティデンス(Arctotherium angustidens)というクマ。現代では残念ながら絶滅してしまったクマの仲間ですが、現生に生息しているクマの中ではメガネグマが近縁種ということが分かっています。
~巨大熊の系統を脈々と受け継ぐメガネグマの魅力を綴った記事はこちら~
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その体長は約3.5m。体重は1.6tと、もはや笑うしかないといった感じの巨大さ。立ち上がると一般的な一軒家の2回の窓からこちらを覗けるような巨体ですが、もしかしたらこれに匹敵するコディアックヒグマやホッキョクグマもひっそりと暮らしているかもしれませんね。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。