こんにちは。えたばりゅです。
今回は、捕食する動物の名前が付いた猛禽類たちをご紹介したいと思います。昆虫から哺乳類に至るまで、非常に多様な獲物を標的に狩りをしている猛禽類たち。
でもその中には、その猛禽類がある特定の獲物を狩るイメージが強すぎて、その獲物の名前が付いてしまった猛禽類がいるんです。その中には猛禽類とは、ほぼほぼ結びつかないような超意外な動物を狩る猛禽類もいたりしたりしまして、そのあたりも楽しんでいただけると幸いです。
ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
特定の獲物を狩る様子が有名になり過ぎてその獲物の名前が付いてしまった猛禽類たち
特定の獲物を選り好んで捕食する。つまりは偏食ということになるんですが、偏食というと、やはり海の王者であるシャチが有名ですよね。
方や、ワシやタカ、ハヤブサやフクロウといった、いわゆる猛禽類に属する鳥たちは、中には、コンドルやハゲワシのように腐肉や死肉をメインに食べるものもいいるものの、そんなに獲物を選り好みせず、多様な獲物を狩っているイメージがあります。
しかし中には、その特定の動物を狩るイメージが強いあまり、狩る動物の名前が付いちゃってる猛禽類たちもいるんです。ではでは、早速その仲間たちをご紹介していきましょう。
獲物の名前が付いた猛禽類1.サルクイワシ(フィリピンワシ)
サルクイワシはフィリピンに生息しているフィリピン固有のワシで、全長は1mを超えることもあり、猛禽類の中ではオウギワシと並んで最大クラスの大きさを誇っております。
標準和名はフィリピンワシというのですが、英名でも「Philippine Eagle」のほか、「Monkey-eating Eagle」と呼ばれていたりもします。
サルたちにとっては、恐ろしいの一言に尽きるような名前が付いている通り、サルクイワシは巨大な体にもかかわらず、樹間を器用に飛び回り、木の上にいるサルを鋭い鉤爪と強靭な握力が宿っているその脚で木から引きはがし、捕食してるんですね。
サルクイワシは、開発や乱獲などで著しく数が減少していて、現在かなり絶滅が心配されており、IUCN(国際自然保護連合)が定めるレッドリストではCR(絶滅危惧 ⅠA類)に分類されています。
こちら、フィリピンワシが撮影された動画がありあましたので、共有させていただきます。
獲物の名前が付いた猛禽類2.ヘビクイワシ
ヘビクイワシはアフリカ大陸に生息している猛禽類で英名を「Secretary Bird」といいます。秘書官が持つ羽ペンを思わせるような頭の冠羽が特徴で英名の由来伴っています。
その姿は、長い脚にオレンジ色に彩られた面立ちといった和名と相反する美しい姿をしており、アフリカの美女なんて言う呼ばれ方もしております。
ただ、その和名は決して飾りではなく、アフリカでも屈指の猛毒を有したコブラやパフアダーを蹴り殺して食べてしまうほど。
ヘビクイワシというような強烈な名前が付いてますが、ヘビ専門に狩りを行っているというわけではなく、小型哺乳類や昆虫、鳥類なども捕食してるんですね。
実は、ヘビを食べる猛禽類は意外と多く、日本にいるトビやイヌワシ、クマタカなどもアオダイショウなどのヘビを捕えて食べることもあります。
では、なんでヘビクイワシだけがこのような名前になったのか、その理由としては、やはりその美しい姿からは想像もつかないような強烈なキックを何度も毒蛇の頭部に浴びせ、殺してしまう姿があまりにも鮮烈すぎたからとされております。
獲物の名前が付いた猛禽類3.サンショクウミワシ(フラミンゴイーグル)
サンショクウミワシは別名フラミンゴイーグルともいい、主にアフリカ大陸に生息している猛禽類で、英名は、「African Fish eagle」、翼開長が約2mに達する大型のワシの仲間になります。
英名の通り、メインとなる獲物は魚。では、なぜフラミンゴイーグルと呼ばれるのか。これは、フラミンゴに似ているっていうわけではなくて、サンショクウミワシの生息地域にはタンザニアも含まれており、この地域にはソーダ湖っていう、水質が強アルカリ性の魚がいない湖があるんですね。
そこにはフラミンゴの餌は豊富にあるので、フラミンゴが多く生息しているんです。この地域にいるサンショクウミワシは魚の代わりに、ここにいるフラミンゴをメインに捕食するため、フラミンゴイーグルと呼ばれてたりもするんです。
獲物の名前が付いた猛禽類4.魚鷹(ミサゴ)
ミサゴは日本でも海岸や湖のほとりなどで見ることができますので、もしかしたらご存知かもしれませんね。ミサゴも先ほどご紹介したサンショクウミワシと同じく、メインに捕食するのは魚類。
英名でも、「Osprey」の他、「Fish Eagle」、「Fish Hawk」といった呼び名があり、日本でも魚鷹(うおたか)と呼ばれたりもします。
もちろん爬虫類や哺乳類など、他の獲物を捕食することもありますが、ミサゴの脚は魚をとらえやすいよう、猛禽類の中では非常に特殊な進化をした要素を兼ね備えております。
獲物の名前が付いた猛禽類5.ハチクマ
ハチクマはロシアからインド近郊にかけて生息している猛禽類で、日本でも夏場を中心に見ることができます。ハチクマは漢字で表記すると、「蜂熊」。
これだと、ハチを狩るクマみたいですが、なんでこんな名前が付いているかというと、その姿がクマタカによく似ているんですね。実際にはクマタカとはまた違ったタカの仲間なのですが、ハチクマは「蜂熊鷹」とも書かれ、蜂を狩るクマタカということになります。
その名前の通り、蜂をメインに狩る特殊な食性を持っていて、とんでいるハチはもちろんのこと、巣を襲撃して、成虫から幼虫に至るまで、巣ごと壊滅させることもあります。
そしてその獲物のラインナップにはあのオオスズメバチも含まれているんです。
こちら、ハチクマがハチの巣にいる幼虫や蛹を食べている様子なんですが・・・
なんか気になりません?
どこが気になるかというと、なんで数万の大軍がいるハチの巣を襲撃して、こんな感じに平然として食べていられるのか。
この動画は養蜂上のミツバチの巣を食べている様子何ですが、相手がオオスズメバチでもこんな感じみたいなんですよね。
実は残念ながらといいますか、これについてはまだ詳しいことは分かっていないんです。有力な説としては、
- ハチクマにはハチ毒に対する耐性が備わっていて、毒が効かない、あるいは効きづらい。
- 羽毛がかなり密集していて、ハチの針がハチクマの皮膚まで届かない
などといった説があります。また、ハチクマが蜂の巣を襲撃すると、なぜかハチが抵抗しなくなったりすることもあるようで、ハチクマのハチに対する耐性は今後の発見が期待されるところですね。
では、オオトリに今回ご紹介した中では、一番意外な獲物を捕食し、しかもその捕食専門性が高いという猛禽類をご紹介したいと思います。
獲物の名前が付いた猛禽類6.カタツムリトビ 別名:後述
超意外な獲物でしょ。
残念ながらカタツムリトビは日本では生息していない猛禽類で、生息地域はアメリカフロリダ州から南米北部地域にかけての湿地帯に生息しています。
翼開長は約1mほどと、猛禽類としては中型・・・いや、やや小型かな。
そして気になるのはその食性ですよね。英名でも「Snail Kite」と呼ばれている通り、極々稀に稀にザリガニなどを食べるものの、その食性のほぼほぼは水生のカタツムリが占めております。
え・・・水生のカタツムリ?
って、なりましたでしょ。
そうなんです。カタツムリといっても、日本で梅雨時によく見るあのデンデンムシさんではなくてですね。カタツムリトビが主に主食としているのは、アップルスネイルという淡水性のでっかいヤツ。
ジャンボタニシといえば、よくおわかりいただけるのではないでしょうか。日本でも最近外来動物として時折取り上げられておりますよね。つまり、ここでの「Snail」は日本でいうタニシを指しており、このカタツムリトビはジャンボタニシを主食としているんです。
そして、こういったことから、このトビは日本では主に「タニシトビ」といわれております。
タニシトビはその鋭いくちばしを器用に使い、ジャンボタニシの肉を殻から引き出して捕食するんですね。
こちら、タニシトビのメスがジャンボタニシを器用に食べる様子の動画がありましたので共有させていただきます。
最後に
いかがだったでしょう。今回はその獲物を狩るイメージが強すぎるあまり、その獲物の名前が付いてしまった猛禽類たちをご紹介させていただきました。
といっても、タニシトビ以外は結構頻繁に他の獲物を捕食してたりもしてるのですが、フィリピンワシのように、その狩りの手法がダイナミックだったり、ヘビクイワシのように鮮烈だったり、ミサゴやハチクマのようにその獲物を獲得するためにある程度身体を特化させていたりと、その獲物を捕食するイメージがやはり強いのかもしれませんね。
ハチクマとタニシトビの画像がないのが申し訳ないところですが、画像が手に入り次第、その雄姿も併せてアップさせていただきたいと思います。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。