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【屈指の猛毒クラゲ キロネックス】その武器は数分で絶命の猛毒意外にも2つあった!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、オーストラリア近海に生息する恐怖のクラゲ、オーストラリアウンバチクラゲ(キロネックス)にスポットを当てて、その恐怖を存分に、タップリと、味わっていただこうと思います。

危険生物の宝庫と呼ばれるオーストラリアでも、1、2を争う程危険視されているクラゲの実体とは・・・。

ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

キロネックス 人間も約1分で絶命の瞬殺猛毒クラゲが持つ規格外の毒以外の2つの武器とは!?

オーストラリアウンバチクラゲは英名を「Sea Wasp」、学名を「Chironex fleckeri」という、ネッタイアンドンクラゲ科ハブクラゲ属に属するクラゲの仲間で、インドネシア近海からオーストラリア北部の暖かい海域に生息しています。

日本では、オーストラリアウンバチクラゲという標準和名よりも、属名の「キロネックス」という名前のほうが有名ですよね。

毒だけではない!キロネックスが持つ恐怖の2大スペシャルウェポン

キロネックスという名前からして、もうちょっと何かしら背筋が寒いものを感じてしまいますが、実はキロネックスには毒の他にも、他のクラゲにはない特有ともいえる恐怖の2大スペシャルウェポンを兼ね備えているんです。まずはそのあたりをご紹介していきましょう。

キロネックスのスペシャルウェポン1.クラゲとは思えないほどの高い遊泳能力

クラゲといえば、日本でも多くの種が生息していて、防波堤などからでも確認出来たり、海水浴に行って海を泳いでいると、近くに漂っているのをよく見かけますよね。また、水族館でユラユラと漂っている姿はどこか癒される気持ちにもなったりします。

このようにクラゲといえば、泳ぐというよりも海中に漂うといった形容が相応といえるような泳ぎ方をするイメージが強く、クラゲが高速で泳ぎまわるっていうのは、ちょっとイメージできないですよね。

しかしながら、このキロネックスですよ。おおよそクラゲとは思えないほどの高い遊泳能力を持っていて、獲物を探して海中を活発に泳ぎ回るんです。その泳ぐスピードは5km/hに達するといわれております。

ちなみに人間がプールなどで、競技の際泳いでいるスピードが一般的な速度で約5km/h程度といわれておりますが、海で泳ぐ際は遊泳する方が多いと思いますので、もちろんこの速度よりも遅くなっているでしょうから、クラゲだからと安心していると、あっという間に追いつかれてしまいます。

キロネックスのスペシャルウェポン2.そんなに要る?って思う程の沢山の目

これは能力というか、体の構造なのですが、ほとんどのクラゲが目という器官を持たない中、キロネックスは何と24個もの目を持っていているんです。どこについているかというと、傘の端の部分に6個づつ、キロネックスはいわゆる立方クラゲという、傘の部分が立方体のような形状をしているクラゲなので、その4つの角の部分に6個づつの目を持っているんです。

この目を存分に駆使して、海中をくまなく監視して獲物を見つけているんですね。ただ、キロネックスはじめ、クラゲには脳のような器官がないので、その目で認識した映像をどのように処理しているのか、そのあたりについてはまだ詳しいことは分かっていないんです。

このような、ミステリアスな一面も持つキロネックス。

では、その真骨頂、最強武器ともいえる、毒の強さに迫ってみましょう。

キロネックスの毒は人も一瞬で絶命させる、悲しくなるほど最恐の猛毒

キロネックスの毒は、コブラやサソリなど、超絶猛者ぞろいの有毒生物の中でも特に危険といわれていて、刺されると一瞬で耐えがたいほどの激痛が襲ってきます。一説によると、真っ赤に熱したアイロンを押し当てられるような灼熱感を伴う痛みとのこと。そして、瞬く間に体がマヒし、心臓に毒が作用して、絶命してしまうんですね。この毒は獲物となる魚介類はもちろんのこと、私たち人間にも極めて強く作用し、刺された場所、範囲などによっては1分ほどで絶命してしまうこともあり、特に体力が少なく体が成長段階にある子供には特に注意が必要といえます。

ちなみに持っている毒の量もかなり多く、キロネックス一体で成人60人ほどを死亡させるほどの毒を有していると考えられているんですね。

なので、一応解毒剤はあるものの、打つ前に手遅れになることも多く、場合によっては岸にすら辿り着かせてもらえず、全身がマヒして、死んでしまうこともあるんです。

・・・いや~・・・、これはちょっと恐怖ですよね。激痛でのたうち回って、とどめに心臓を止められるのは考えただけで震えが来てしまいます。

危険極まりない毒というのは、キロネックスのためにあるような言葉といっても差し支えないですよね。

キロネックスの恐怖を格段に引き上げるその体の特徴

このように、毒の凶悪さはもちろんのこと、その即効性から地球上で最強の毒を持つと噂されるキロネックス、やはり生息地では殺人クラゲとしてかなり恐れられていて、海水浴場では防護ネットなど対策は講じられているものの、接触事故は後を絶たないんです。

その理由の一端として、キロネックスが持っている体の特徴があって、キロネックスの体は半透明で、海で泳いでいてもその姿を見分けづらいんです。またそれに加えて、戦慄の毒を発射するその触手は非常に長く、3m、時には4m以上に達することもあるんですね。なので、気づかないうちにキロネックスに接触してしまい、刺さされてしまうというわけです。

キロネックスがこんなに強い毒持ってる理由

キロネックスはそもそもなんで、こんなに強力無比な猛毒を持っているのでしょうか。それは、実は攻撃面に付随するんですが、自分の体を守る為でもあるんですね。

キロネックスはこれまでお伝えした通り、その生態や身体的特徴は他のクラゲを凌駕する部分が多くありますが、その体はやはりクラゲの仲間。防御力は皆無ですので、獲物が少し暴れただけで、その体や触手に傷がついてしまい、それが致命傷になってしまうこともあります。なので、獲物が暴れることなく、一瞬で絶命するよう、このような強烈な毒を有するよう進化したと考えられているんです。

それにしても他のクラゲはプランクトンを食べている種もいたりする中、キロネックスは何故に敢えて暴れるような獲物を捕食するよう進化したのでしょうか。プランクトンであれば、特に獲物が暴れることもないので、魚やカニと比較すると圧倒的に楽に獲物にありつけるはず。

このあたりは、キロネックスの進化の奥深さを感じてしまいますよね。

唯一キロネックスの毒が効かない相手 ウミガメ

このように、人間も一瞬で死に至らしめてしまうキロネックスですが、その毒に唯一対抗手段を持っている動物がいるんです。それは、キロネックスの数少ない天敵であるウミガメ。ウミガメはクラゲを捕食する海の動物として知られていますが、それはキロネックスも例外ではなく、キロネックスの最恐の毒もウミガメの前では歯が立たないんですね。

ただ、ウミガメたちは現在人間が投棄するビニール袋などプラスチックゴミの誤食や、海洋汚染が要因となってしまって、どの種も絶滅が危惧されているんです。中にはその数が致命的なまでに減ってしまっている種もいるんです。

このように、自然を汚すと、必ずしっぺ返しが反ってきますので自然は本当に大事にしないとですよね。

キロネックスから身を守るには

私たちの自業自得とはいえ、ウミガメからの助力も難しいといえる現状。ならば、もし万が一、キロネックスに出会ってしまったら、もう運命と思い、あきらめるしかないのでしょうか。

実はキロネックスから身を守る方法はありまして、それはできるだけ肌を露出させないということ。キロネックスの毒はキロネックスの触手に肌が触れると、一斉に猛毒を含んだ数十万もの刺胞が発射されて、相手の体内に毒を注入する仕組みになっています。

なので、キロネックスから出来る限り身を守るには、ウエットスーツやストッキングなどを着用して、出来る限り肌を露出させないというのが大事。万全とは言えませんが、肌を露出させているよりは、格段に致命傷に陥るリスクを軽減することができます。

こういった対策と研究が功を奏してか、毒による被害は現在軽症傾向で推移していることが分かっております。

もちろん、着ていたからといって完全に防ぐものではありません。万が一刺されてしまったら、一刻も早く病院に急いでくださいね。

キロネックスは日本にもいるのか

これだけの猛毒を持ち、その即効性も強烈なキロネックス。やはり日本にもいるのかどうか、ココはやはり私たち日本人として気になるところですよね。キロネックスは現在のところ、日本の近海では確認されていないんですのでご安心を・・・。

・・・といいたいところなんですが、実はそうも言えないようなところもあったりしてですね。

現在のところ、オーストラリアウンバチクラゲ(キロネックス)は確かに日本ではまだ確認されていませんが、近縁種のハブクラゲ(学名:Chironex yamaguchii)は日本の沖縄や奄美大島近海に従来から生息しているんです。

学名をご覧いただくとお分かりだと思いますが、ハブクラゲはキロネックスの親戚ともいえるクラゲ。キロネックスほど強力ではありませんが、ハブクラゲも時に人間を死に至らしめる強力な毒を持っています。

また、近年は温暖化の影響で、沖縄などの暖かい海域に生息している種がかなり北の海域にまでその活動範囲を広げていることが分かっており、ハブクラゲも北上してくる可能性も大いにあります。

それに加え、オーストラリアなどに生息していて、本来は日本は生息範囲に入っていないフグと同じ毒を持つ、危険なヒョウモンダコなどは日本の多くの海域で確認されています。なので、ハブクラゲはもちろん、キロネックスも海流に乗って、日本近海までくる可能性は十分にあり得るんです。

ひょっとすると、もう来てるかも・・・。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、地球最強の猛毒を持つと囁かれるオーストラリアウンバチクラゲ(キロネックス)の恐怖を存分に、タップリとご紹介させていただきました。その恐怖、存分に味わっていただけたのではないでしょうか。

まさに死のクラゲ足るに相応しい生態と能力ですよね。

先ほども申し上げましたが、現在は温暖化が進み、南方や熱帯海域に生息している海洋生物たちも日本近海で頻繁にみられるようになっています。もはや日本も安全とは言えない海域になりつつあるようですね。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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