魅惑の野生動物たち

マダガスカルの大地を統べる頂点捕食動物フォッサの快挙と生態に迫る!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、マダガスカル島に生息するフォッサという動物にスポットを当ててご紹介したいと思います。あまり聞かない名前ですが、実はフォッサは多くの強豪ひしめく分野で、ある快挙を成し遂げた凄すぎる動物でもあるんです。

ではでは、そんなフォッサが持つ魅力に迫ってみたいと思います。

フォッサ 頂点捕食者の地位を獲得した唯一のマングースの身のこなしが見事すぎる!

ではまず、フォッサのご紹介を軽くさせて頂くと、英語名を「Fossa」、学名を「Cryptoprocta ferox」という、食肉目(ネコ目)マダガスカルマングース科フォッサ属に属する哺乳類の仲間で、マダガスカル島に生息している他の多くの動物と同じく、マダガスカル島にのみ生息しているマダガスカル固有種になります。

実はフォッサ含め、マダガスカル島に住んでいる動物たちはマダガスカル島は古くに大陸から分岐したという特性もあって、その多くがそこにしかない固有種なんです。この辺りは、多くの有袋類が暮らすオーストラリアや、私たちが住んでいる日本と同じ状況といえそうですね。

それにしても、注目すべきはその何とも不思議なフォルム。猫のような、はたまた犬にも似てるような・・・、でも体つきはマングースですし、場合によってはハイエナチックな感じもします。

このような実に不思議というか、魅力的なフォルムをしていますが、フォッサは分類上は前述した通り、マダガスカルマングース科という、マングースに近い分類に属していて、太古にマガダスカル等に流れ着いた、マングースの仲間から派生したと考えられているんです。ちなみに昔は、そのフォルムからネコ科の仲間として分類されていたこともあるんです。

フォッサの樹上での身のこなしが見事すぎる

フォッサはマングースに近縁ではあるものの、その生息環境が熱帯雨林やサバンナ地帯ということもあり、樹上生活をメインに行っていて、樹上での身のこなしが非常に優れており、細い枝から他の枝にジャンプして移動するなんてことはお手の物で、まるでリスのように頭を逆さにして木の幹を駆け降りることもできるんですね。

こちらは猿も真っ青になるような見事なフォッサの樹上の身のこなしが収められているのでご紹介しておきます。

いかがでしょ。もう見事すぎるとしか言いようがありませんよね。日本でもフォッサは上野動物園で見ることができますが、その環境上、活発に動いているフォッサの様子を見ることができることは少ないものの、フォッサがちょっと本気を出せば、容易くこんなことも出来てしまうんです。

上野動物園のマダガスカルエリアにて、目立たないながらも、固有種保全とホットスポットエリア改善の大切さを私たちに教えてくれていたフォッサ。先日数年ぶりにお邪魔したときにいなかったので、もしや・・・と思ったら、残念ながら、天国へと旅立たれたとのこと。

この場をお借りし、謹んでご冥福をお祈りいたします。

それではお話をマダガスカル島のフォッサに戻させていただき、フォッサはマングースの仲間では唯一ある快挙を成し遂げた動物なんですね

フォッサは頂点捕食者の地位を手に入れた唯一のマングースの仲間

外見的にもかなり独特の魅力あふれるフォルムをしているフォッサですが、ネコのように出し入れが可能な爪を持っている他、樹上生活をメインとしているのに水かきを持っていたりと、生態や身体にも非常に魅力あふれる特徴を兼ね備えているんですね。

また、その体長は約60cm、尾の長さを含めると1.5mほどに達することもあり、陸上生物としてはマダガスカル島最大の肉食動物として君臨しているんです。これは近縁のマングース科に属する仲間たちを含めても最大の体格で、フォッサはその大きな体と自身に備わった身体的特徴と木登り能力を存分に生かして、鳥やトカゲなどの爬虫類をはじめ、カエルなどの水辺に生きる動物など、幅広い生物を獲物として生活しています。

また、フォッサはワオキツネザルやインドリといった、原猿類の天敵としても知られていて、フォッサの好物の1種としてあげられているほど。木の上を得意としている原猿類もフォッサの巧みな追跡にはかなり手を焼いているんです。

このように、フォッサは自らに備わった能力と身体的特徴を存分に生かして、マングースの仲間としては唯一、その地域に暮らす陸生頂点捕食者としての地位を獲得した動物といえます。

陸生頂点捕食動物といえば、やはりネコ科動物、そしてイヌ科、クマ科に属する動物たちの専売特許ともいえる地位。

そんな中で、マングースに近縁のフォッサがその地位を獲得したというのは、まさに快挙といえるのではないでしょうか。

まぁ、マダガスカル島にはあのナイルワニも生息してるので、マダガスカル島最大最強の「肉食動物」にまでカテゴリを広げてしまうと、それはどうしてもナイルワニということになってしまいますが、マダガスカル島に生息する陸生動物の中では、間違いなくフォッサが頂点捕食者として君臨しているといえます。

数を減らしつつあるフォッサ

フォッサはこのように、マダガスカル島の陸上を支配している頂点捕食者としてその地位を固めておりますが、それと同時に多くの頂点捕食者が現在直面している問題に、フォッサも例外なく陥ってしまっているんです。それは絶滅が危惧されているということ。

フォッサはその食物連鎖の位置と、フォッサの広大な縄張りを必要とする特性上、元々の絶対数が多くないんです。それに加えて、マダガスカル島の近年の急速な開発や人間との摩擦によって、生息地域がかなり脅かされているんですね。このようなことが要因となり、IUCN(国際自然保護連合)が定めるレッドリストではVU(絶滅危惧 Ⅱ類)に分類されているんです。

トラやヒョウをはじめ、頂点捕食者には単独生活を主にしている種も多く、こういった動物たちにはその縄張りを維持できるような広大な土地が必要となります。フォッサもそのうちの1つで、マダガスカル島は日本と同じく生物多様性を維持するうえで重要な地域である、ホットスポットに指定されている地域。是非ともその生息環境も含めてフォッサの保全を発信していかねばですよね。

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最後に

いかがだったでしょう。今回は、マングースの仲間で唯一頂点捕食者の地位を手に入れた動物、フォッサをご紹介させていただきました。まぁ、マングースの仲間が属しているマングース科とフォッサやワオマングースなどが属するマダガスカルマングース科は近縁同士ではあるものの、結構古くから分岐した種同士。

なので、マングースの仲間と一括りにしてしまえば、専門家の方に怒られてしまいそうですが、同じマングースの名を冠している科に属する動物同士ということで大目に見ていただければと思います。ではでは今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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