こんにちは。えたばりゅです。
今回は、ハクトウワシというワシの仲間にスポットを当ててその魅力を踏まえつつ、そのイメージとは裏腹の、とある意外な事実についてもご紹介したいと思います。
ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
ハクトウワシ アメリカ合衆国の国鳥という名誉ある立ち位置に降りかかったとある疑惑
では、まずハクトウワシのご紹介からさせていただくと、ハクトウワシは英名を「Bald Eagle」、学名を「Haliaeetus leucocephalus」という、タカ科ウミワシ属に属する猛禽類で、合衆国、カナダ、アラスカなど北アメリカ大陸のほぼ全域に生息しており、日本でも北海道で稀に見ることができます。
ちなみに英名では「Bald」なんて名前がついていますが、ご覧の通り頭部も豊富な羽毛におおわれており、見事な白に彩られた頭部が特徴的なワシで、翼を広げると約2mにも及ぶ雄大な姿をしております。
ただ、このハクトウワシのトレードマークともいえる白い頭は幼鳥の時からずっとというわけではないんです。
ハクトウワシは成熟するまでは頭は白くない
こちらはハクトウワシの若鳥の姿。見事に大空を舞っている姿ですが、トレードマークともいうべき、白い頭ではなく、体もまだら模様ですよね。実は、ハクトウワシは生まれたときから白い頭をしているわけではなくて、成熟するまではこのような姿をしているんです。
そして、段々と頭部の羽毛が白くなり、私たちに馴染みのある姿となるわけなんです。
そして、ハクトウワシといえば、なんといってもアメリカ合衆国の国鳥として、名誉ある立ち位置にいるワシというのが、私たち日本人のイメージではないでしょうか。そんなイメージに相応しいというか、ハクトウワシにはある特徴がありましてですね。
ハクトウワシはアメリカ合衆国の国鳥に相応しい豪邸を築く
ハクトウワシは、そのイメージに相応しいかなりの豪邸を築くことでも有名で、幅にして約3m高さは約6m、重さは何と1tにも及ぶ巨大な巣を築いた記録もあるんです。
いかがでしょ。アメリカ合衆国の国鳥足るに相応しい見事な豪邸ですよね。しかしながら、国鳥になるまでの道のりはなかなか困難だったようで。
一時は絶滅の危機に瀕していたハクトウワシ
今でこそ、北米を中心によく見られるようになり、IUCN(国際自然保護連合)でも、LC(軽度懸念)にランクされておりますが、実はハクトウワシは、一時期は絶滅が危惧されるほど、その数を減らしてしまっていたんですね。
その原因は、このような雄々しい姿をしているので、スポーツハンティングの対象となったり、魚という人類と共通の食料源を持っていることから、漁業資源の確保という観点で、かなり乱獲されてしまったんですね。
また、現在では多くの国で使用が制限されているDDT(塩素系農薬:出典Wikipedia)なども当時はかなり盛大に使われており、それを内々に蓄積した魚を食べることによって、ハクトウワシの繁殖に重大な影響が出てしまったんです。
このようなことが要因となり、その数は一時期は危ういものとなりましたが、生息域である合衆国などで、DDTが厳しく制限されるようになり、生息数が致命的となった地域でのハクトウワシの再導入など、保全プロジェクトが薦められました。
その結果、ハクトウワシは何とか数を持ち直し、順調に回復。生息地域では日本のトビのように普通に見られるまでになったんですね。
そして、現在ではアメリカを代表する国鳥としてその名誉ある立ち位置を確固たるものにしているハクトウワシなんですが、実はこの国鳥にとある疑惑が浮かんでるんです。
名誉あるアメリカの国鳥に盗人疑惑!?ハクトウワシに隠された意外な事実
いや~・・・、それにしても見れば見るほど、惚れ惚れするようなカッコよさですよね。ハクトウワシがアメリカの国鳥として選定されたのは、アメリカに広く生息している代表的な鳥っていうのももちろん重要な選定基準ですが、このカッコよさが全て詰まったような見事なフォルムも重要なポイントといえるのではないでしょうか。
そんなハクトウワシなんで、獲物も華麗に捕食するっていうイメージがありますが、実はそうでもなくてですね。
もちろん、捕食者としてもかなりの実力を兼ね備えているんで、その力強い脚と鉤爪を使った猛禽類ならではのダイナミックな狩りをすることもあるんですが、ハクトウワシは他の動物が狩りをした獲物をよく横取りすることでも知られているんです。
こちらはその犯行現場が抑えられた決定的瞬間
いかがでしょう。結構強引に奪ってますでしょ。これを見ると、盗みっていうよりは強盗っていう方があってる気がしますよね。獲物を奪われたキツネも、いきなり宙づり状態となったので、さぞびっくりしたことと思いますが、調べたところ、幸いキツネにケガはなく、何事もなかったかのようにこの後この場を離れたようです。
参考:NATHONALGEOGRAPHIC日本版 【動画】ワシが獲物を横取り、キツネごと空中へ
このようにハクトウワシは、結構な頻度で他の動物が獲得した獲物を盗んだり、強奪したりするんで、国鳥にはふさわしくないっていう反対意見もあったみたいなんです。
まぁ・・・確かに人間の世界でこれをやっちゃうと、間違いなくおまわりさんのお世話になることになるんですが、自然界ではごくごく当たり前の風景であって、同じようによく国や公的機関の象徴とされているライオンも、チーターやハイエナなど、他の動物が仕留めた獲物を横取り、強奪することはよくあったりするんですね。
また、獲物を捕食しないシカやウシなどの草食動物であっても、他の場所からやってきた男が、力づくで奥さんたちを奪い取って、元居た旦那を追い出すなんていうようなことも日常的に繰り広げられております。
このように人間界ではタブーといえるような行為も自然界では生き抜くため、自らの子孫を残すための手段として、多くの動物たちの間ではある意味、日常の光景なので、ハクトウワシだけを取り上げて、「盗みを働くやつは象徴に相応しくない」っていうのは、個人的には間違いかなと思ったりする今日この頃。
・・・もちろん人間はダメですよ。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、アメリカ合衆国の象徴、ハクトウワシについてその魅力と意外な事実をご紹介してみました。意外な事実もありましたが、生息数が回復したっていうのはやはりうれしいところ。
是非このままアメリカを象徴する国鳥として、今後もその威風をアメリカに轟かせてもらいたいところですよね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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