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【新説!】巨大ザメ、メガロドンは現生の海を統べる2強に敗北?絶滅に追い込んだのはホホジロザメとシャチだった!?

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、言わずと知れた太古の超巨大ザメ、メガロドンにスポットを当てて、かつての海を支配した頂点捕食者が絶滅の道を辿ってしまったその原因について迫ってみたいと思います。メガロドンの絶滅の要因については、目下世界の権威的存在の方々や、数多の猛者の方々が日夜その原因を突き止めるべく研究をされておられますが、実はメガロドンを絶滅に追いやった原因に現生の海の2強ともいえる生き物、ホホジロザメとシャチが関係していたという説が浮上してきたんですね。

ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

メガロドン絶滅の原因はホホジロザメとシャチ!?巨大=最強伝説が覆った瞬間

メガロドンはもはやティラノサウルス・レックスと同様古代生物のカリスマ的存在であり、知らない方がいないといっても過言ではないほど有名ですよね。メガロドン(Megalodon)の和名はムカシオオホホジロザメ、学名は「Carcharocles megalodon」という、ネズミザメ目に属する古代ザメで、その和名の通り、ホホジロザメによく似た姿をしていたと考えられています。

和名が示す通り、ホホジロザメと同属という説が主流でしたが、最近ではメガロドンはホホジロザメと同じネズミザメ目に属するものの、オトドゥス科というホホジロザメとは別の系統のサメという説が有力になりつつあります。なので、学名についてもホホジロザメと同属とする「Carchrodon carcharias」よりも「Otodus megalodon」もしくは「Carcharocles megalodon」のほうが主流になっているようですね。

メガロドンという名前は、「巨大な歯」を意味しており、鋭くとがった10cmを超える歯が所狭しとその口に並んでいました。そして、メガロドンはそんな巨大な歯に相応しい巨体を誇っていて、その体長は、約12~15m、最大で約20mにもなったとの説もあります。

いや~・・・なんといいますか、現生のホホジロザメでも、私たち人間からしてみると超巨大ザメなんですが、そんなホホジロザメよりも巨大だったなんて、ちょっと想像できませんよね。

このように巨大な体と超攻撃的な歯を持っていたメガロドンは、当時の海にいたクジラなどを捕食していたと考えられており、食物連鎖の頂点に君臨していたんですね。

メガロドンのライバル レヴィアタン・メルビレイ

ただ、メガロドンも、当時その王座が常時安泰であったかというと、実はそうではなくて、メガロドンのライバル的存在ももちろんいたんです。そのライバルはレヴィアタン・メルビレイというクジラ。レヴィアタン・メルビレイは当時の海に生息していた、マッコウクジラの仲間で、比較的最近にその存在が露わになったんですね。

メガロドンがホホジロザメに似ていたように、レヴィアタン・メルビレイも現生のマッコウクジラによく似たフォルムをしていて、大きさも約17mとマッコウクジラとほぼ同じ大きさだったことが分かっているのですが、マッコウクジラと違う点もありました。現生のマッコウクジラも巨大で超丈夫な歯が生えているのですが、その歯は下あごにのみ生えているんですね。

それに対し、レヴィアタン・メルビレイは丸太を円錐形にしたような長さ35cm以上にもなる、超立派な歯が上下のあごから生えており、そのアゴも超絶頑丈だったことが分かっています。そんな巨大なアゴと、巨大な歯を駆使して、レヴィアタン・メルビレイはメガロドンと当時の海の覇を競っていたんです。

このように双方ともに、巨大な体と巨大なアゴから生えた超強力な歯を持っていたので、当時の海の最強生物として君臨していましたが、両者ともに栄枯盛衰の法則には逆らうことができず、絶滅へと進んでいくんですね。

この巨大マッコウクジラ、レヴィアタン・メルビレイの絶滅ももひょっとすると、現生のシャチとホホジロザメの登場がその原因の一つとなっているのかもしれません。

メガロドンが絶滅した原因

15mもあるホホジロザメに似た巨大ザメなんて、考えただけでも未来永劫その最強っぷりは安定してそうなんですが、残念ながら現在の海ではメガロドンは絶滅してしまっているというのが定説。

それにしても、なんでこんな大魔王のような超実力を持つサメが絶滅してしまったのでしょうか。

実は絶滅というのは、現在でこそ人間が要因となって絶滅の危機に瀕している、あるいは残念ながら既に絶滅してしまった生き物たちが非常に多くいるものの、本来たった1つの要因で種が絶滅することは天変地異など例外的な要素を除くとほとんどなくて、メガロドンやレヴィアタン・メルビレイの絶滅もその例に漏れず、一般的に複合的な要因が複雑に重なって絶滅の道を歩んだと考えられているんですね。

その要因を少し例に挙げると

  • 地球環境・気候の変化
  • 餌となる動物たちの衰退
  • 環境により適応した競合相手の台頭

などといったものが、メガロドンやレヴィアタン・メルビレイを絶滅へと誘ったと考えられているんです。

ただ、もちろん太古の世界の出来事なので、その要因は確証には至っておらず、現在も研究が進められているんですが、先ほどご紹介した「環境により適応した競合相手の台頭」に現生の海を支配している2強の生き物が関わっている可能性が示唆され始めているんです。

メガロドンの絶滅の原因の一つにホホジロザメとシャチが関与!?

メガロドンが自身の種としての役割を終え絶滅へと歩んだのは今から約300万年から400万年前と考えられているのですが、この時期にはメガロドンとレヴィアタン・メルビレイがそうであったように、現生の海を支配している2強ともいえる生き物、ホホジロザメとシャチがメキメキと進化し、その実力をつけて台頭し始めた時代と重なるんですね。

なので、メガロドンが絶滅した原因の1つとして、ホホジロザメやシャチとの生存競争に敗れたことも有効な可能性として浮上しているんです。

メガロドンよりも体の小さなホホジロザメやシャチが生存競争を制した理由

でも、ホホジロザメは現生では間違いなく巨大ザメの一角に数えられるサメですが、その体長は最大クラスでも約6m。それより大きくなるシャチでも最大約9mほど。双方共々、現在推定されているメガロドンの体長と比べるとはるかに小さいですよね。

自然界では、多くの場合餌の取り合いになると、体の大きな方に軍配が上がるのは古代でも同じだったはず。

では、なんでメガロドンはホホジロザメやシャチとの生存競争に敗れてしまったのか。それは体が巨大だったが故、刻々と変化する環境に対応できなかったことが原因の1つとして考えられているんです。

メガロドンは4~6mほどのクジラを捕食していたと考えられているのですが、当時地球環境は急速に寒冷化が進みつつあり、それに対応するため、エサとなるクジラたちも体温を維持しやすいように巨大化するなど、その環境に応じて変化していきました。

そして、それに対応できないようなメガロドンの餌として最も適正だったと考えられる小型のクジラは段々と淘汰されていったんですね。そのクジラがいなくなっても他の魚類などの獲物を捕食すればよさそうですが、メガロドンの巨体を維持するには、クジラに匹敵するような大きさの動物、もしくはそれに相当するような量のかなり多くの魚を絶えず食べ続ける必要があり、それも難しかったんです。

メガロドンが生息していた時代には恐竜時代に生息していたような、数多の巨大魚類たちの化石は今のところ発見されていないですしね。

もし仮に、大量の魚類を捕食できたとしても、それだけ多くの獲物を一度に食べるということは、獲物の数も必然的に少なくなってしまいますので、どちらにしても必要な栄養量を摂取できなくなっていったんです。

それに対し、ホホジロザメはメガロドンよりも体が小さい為、クジラのような巨大な獲物を捕食しなくても、必要なエネルギー量は摂取できたので、効率的に種の絶対数を増やしていくことができたと考えられているんです。

また、シャチに関しては、一個体としてはメガロドンの大きさ、力には及ばないものの、群れのチカラというメガロドンにはない能力を使い、それを存分に生かして、自分たちよりもはるかに大きい獲物を捕食することができますし、また逆に自身よりも遥かに小さな獲物でも、その優れた知略を生かして、効率的に摂取することができます。

現に現生のシャチは、ニシンなどの小魚からシロナガスクジラといった、地球史上最大の巨体を誇っている動物まで、さまざまな種類、大きさの動物を捕食対象としているんです。もちろん、シャチも祖先の発生当時からいきなりこのような能力を有していたわけではなくて、イルカから分化しはじめ、シャチの祖が誕生した後、長い年月を生き抜きながら、その能力を磨いていったのでしょうが、現在のシャチの知力や適応力を考えると、当時からその兆しは十分に備えていたと考えることができます。

またホホジロザメに関しても、シャチには及ばないものの、その知能は高いことが分かってきており、過去の狩りの過程を学習し、次に活かしていることが明らかになってきてるんです。

このようにホホジロザメとシャチはメガロドンにはないチカラや能力、身体的特徴を存分に生かし、その王座を徐々にもぎ取っていっていき、それに地球の気候変動が後押ししたと考えられているんですね。ちなみに、陸上でもダイアウルフやエンケロドンとタイリクオオカミのように、メガロドンとシャチ、ホホジロザメのような関係があったと考えられています。

まぁ、この辺りも古代の出来事なので、メガロドンの絶滅に関しては、違う有力な説が生まれるかもしれませんが、現在のホホジロザメとシャチのその最強っぷりを考えると、巨大最強古代ザメとの生存競争を制したっていうのも、なんか妙に納得してしまいますよね。

現在では野生動物の絶滅の要因は我々人間由来のものが多く、解決すべき重要な問題となっておりますが、本来の野生動物の絶滅は複合的な要因が重なり、地球上での役割を全うして、その種の存続を終えるというのが本来のあり方。

メガロドンの絶滅も、ホホジロザメやシャチなど競合の台頭だけではなく、環境の変化など複合的な要因が重なったことが原因と考えられていますが、現生動物たちの出現が世代交代の原因の一部となっていると考えると何ともロマンを感じてしまいますよね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、古代の海を支配していた最強古代ザメ、メガロドンが絶滅した原因にスポットを当てて、その1つに現生の2強、ホホジロザメとシャチが関与している可能性にフォーカスして、ご紹介させていただきました。

いや~・・・何と言いますか、大きな体というのは、おおよそ自然界では優位に働くことは多いものの、巨大=最強は必ずしも成立するものではなくて、大事なのは、正にダーウィンの持論でもある、いかに柔軟に環境に適応できるか。っていうのを、ホホジロザメやシャチが教えてくれている感じですよね。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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