魅惑の野生動物たち

ヒョウアザラシ 南極の食物連鎖の覇者は意外に世話焼きだった!?

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、南極の食物連鎖の頂点に立つ、ヒョウアザラシにスポットを当ててその魅力に迫っていきたいと思います。食物連鎖に頂点に位置する動物ということは、やはりそれだけ優れた能力を備えた捕食者であるということは間違いないのですが、それ以外にもヒョウアザラシにはちょっと面白い習性がある事が分かってきているんです。

ではでは、早速その秘密に迫っていきましょう。

ヒョウアザラシ 極寒の覇者は恐ろしく、それでいてホッコリしていた!

まずヒョウアザラシのご紹介を軽くさせていただくと、英名を「Leopard seal」、学名を「Hydrurga leptonyx」という、食肉目(ネコ目)アザラシ科ヒョウアザラシ属に属するアザラシの仲間で、南極大陸を中心にその周辺列島に生息していますが、その生息域は広く、オーストラリアや南アメリカ、南アフリカなどでも目撃されております。

体にヒョウのような斑点模様があるのがその名前の由来なのですが、アザラシはずんぐりしていて、愛嬌がある体型の種類が多い中、ヒョウアザラシの体型はシュッとしているというか、かなりなめらかでスマートな体型をしており、その体付きの優雅さもどこかヒョウを彷彿とさせるフォルムをしています。

ちなみにアザラシは漢字で書くと、「海豹」、なので、ヒョウアザラシは漢字で表記すると「豹海豹」となり、これでもかってくらいヒョウ感がアップする感じですね。

多岐に渡るヒョウアザラシの食べ物 他のアザラシからオキアミまで

その食性は他のアザラシと同じく、肉食なのですが、ヒョウアザラシの獲物は本当に多岐にわたっており、魚介類はもちろん、オキアミなどの海生プラクトン、ペンギンや海鳥などの鳥類、他のアザラシなどの海生哺乳類に至るまで、獲物の種類は多岐にわたります。

ヒョウアザラシの口はかなり大きく、また歯も鋭いことに加え、口の開口幅もかなり大きいので、ヒョウアザラシが口を開けた姿は南極の頂点捕食者に相応しい威風といえるのではないでしょうか。

それにしても、比較的大型の生物からプランクトンまでと、哺乳類でここまで幅広い分類系統を含む生き物たちを獲物としているのは、ヒョウアザラシだけかもしれませんね。特に食物連鎖の頂点たるに相応しい鋭い歯を有している動物で、オキアミがそのカテゴリに含まれているところは、かなり珍しい特徴といえるのではないでしょうか。

ヒョウアザラシはアザラシの中ではNo.3の巨体を持つ

このように、他の海生哺乳類を捕食しますので、その体も大きく、その体長は3mを超えることもよくあり、体重は大きいものでは500kgになるものもいて、アザラシ科の中ではミナミゾウアザラシ、キタゾウアザラシに次いで3番目に大きいなアザラシでございます。ただ、ゾウアザラシはオスのほうがはるかに大きいですが、ヒョウアザラシはオスよりもメスのほうが少し大型になる傾向があります。

このように体格もかなり優れていますので、ほぼほぼ天敵も存在せず、南極周辺の食物連鎖の頂点として君臨しているんです。なので食物連鎖の位置的には北極でいうところのホッキョクグマのような立ち位置ですね。

こちら、ヒョウアザラシの巨大さがよくわかる動画。

このペンギンは特徴からして、おそらくジェンツーペンギンという種類で、コウテイペンギン、キングペンギンに次いで3番目に大きいペンギン。少なく見積もって、50cmほどとしても、このヒョウアザラシはこのペンギンの6倍ほどはありそうなので、3mを超えていると思われます。

いや~・・・デカいですよね。

ヒョウアザラシは人を襲うのか

3mを超え、500kgにも達する体、そして頂点捕食者として君臨する捕食者としての能力を考えると、やはりちょっと気になってしまうのが、ヒョウアザラシが人を襲うかどうかなのですが、ヒョウアザラシの生息圏は先ほどオーストラリアや南アメリカ、南アフリカに及ぶということはお伝えさせていただいた通りなんですが、そのほとんどの生活圏は南極大陸周辺のかなり寒い場所なので、人との接触自体が非常に低いんですね。

ただ、過去に南極の研究者が襲われた事例も数件あって、そのうちの1つは死亡事故になってしまっています。

しかしながら、この襲った目的は捕食目的で襲ったのか、縄張りを守る為だったのか、単なる好奇心、もしくは遊びだったのか、近くに幼獣がいて、それを守る為だったのか、そのあたりははっきりしていません。

ともあれ、やはり全く安全というわけではなさそうですね。

まぁ、野生動物なので、人との接触がある限り、どうしても事故は起きてしまうもの。草食動物であるカバやバッファロー、ゾウなども自衛や子供を守るためとならば人を襲うこともありますし、もっと小さいネズミなどでも不用意に手を出せば、咬みつかれて傷を負うことがあります。なので、ヒョウアザラシに限らず、野生動物には不用意に近づかないというのが、やはり大事でありお互いの命の安全のためにも鉄則というところ。

その地域や生息する野生動物に詳しいような研究者の方でさえ、こういった事故に遭ってしまうのですから、私たち一般人はより気をつけないとですよね。

このように、3mをこえる巨大な体、大きく開く口に並んだ鋭い歯、を兼ね備え、いかにも頂点捕食者らしい危険な香りもするヒョウアザラシなのですが、実は意外に世話焼きなところがある可能性も出てきているんです。

ヒョウアザラシはもしかすると世話焼きな性格!?

ヒョウアザラシがその目的ははっきりしないにしろ、人を襲うことがあるというのは先ほどお伝えさせていただいた通りなんですが、その一方でこんな事例もあるんです。

NATHONALGEOGRAPHIC日本版 獲物のペンギンをくれたヒョウアザラシ

獲得した獲物は、他の種や個体と取り合いになることはよくあるものの、シェアをする概念というのは、あまりないと思うのですが、こうやって分け与えるという習性を兼ね備えているというのは、結構意外ですよね。

獰猛な性格の反面、こうしたちょっと世話焼きなところもあるのでしょうか。

このヒョウアザラシは、メスということでしたので、この映像を撮影したカメラマンの方がおっしゃっている通り、「私がお世話をしてあげないとコイツはエサも獲れなくて死んでしまう。」とある種母性本能のようなものが働いたのかもしれませんね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、南極の覇者ヒョウアザラシが持つ意外な地面に触れつつ、その魅力に迫ってみました。南半球の端付近に生息しているアザラシですので、こちらが出向かない限り、海でご対面ということはないでしょうが、とても幅広い種類の生き物を獲物にしていたりと、とても魅力あるアザラシですよね。

ニュージーランドなどでは、時折海岸に来て、くつろいでるヒョウアザラシを見ることができるようですが、日本ではさすがにムリかな・・・。

ではでは、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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