こんにちは。えたばりゅです。
今回は、あわや世紀の大発見というところになりかけましたが、残念ながら種類を間違えられて、よくありがちな仲間の一員に納まったトカゲの仲間をご紹介したいと思います。
とはいうものの、現代に生きているトカゲではなくて、9900万年前の白亜紀という時代に生きていたトカゲの仲間。
このトカゲがなぜに世紀の大発見ということになりかけたのか。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
科学者たちが色めきだった世界最小の恐竜という勘違い
※画像は別種の現生のトカゲ
去る2020年の3月、琥珀に閉じ込められる形で発見されたとある化石が、考古学者の方々をざわつかせました。というのも、この化石は全長を推定すると、現在のハチドリほどの大きさで、通常のトカゲの仲間の形状と異なることから、世界最小の恐竜と位置づけられ、論文が発表されました。しかし、その後別の個体の化石が見つかり、念入りに調べたところ、トカゲの仲間ということが分かったんです。その後、論文は撤回され、あわや世紀の発見となりかけた世界最小の恐竜という肩書は幻と終わったんです。
しかしながら、なぜ熟練の科学者たちが恐竜とトカゲを間違って分類したのでしょうか。その理由は他のトカゲと一線を画していたこのトカゲのフォルム。
この世界最小の恐竜となりかけ、その位置づけが幻に終わったトカゲはオクルデンダビス・カウングラアエというトカゲ。なぜ、熟練の考古学者の方が見間違ったかというと、このオクルデンダビス・カウングラアエの頭骨の形状。オクルデンダビス・カウングラアエの頭骨の鼻先にはトサカのようなものがついており、一見すると、恐竜のそれと非常によく似た形状をしていて、且つ未だかつてそのような頭骨を持つトカゲは発見されていなかったんですね。
その類似性は収斂進化の例に位置付けられるほど。加えて、最初に発見された琥珀に閉じ込められた化石は頭骨のみで、そのほかの部位の化石が発見されなかったんです。そのようなことがあり、今回の誤認と相成ったわけなんですね。
他にもいる、恐竜と間違えられた太古の生き物
実は、今回のオクルデンダビス・カウングラアエの他にも、一度は恐竜と誤認されていた太古の生き物はいるんですね。その代表的な種類がバシロサウルスという動物。推定全長が約18mに及んだと考えられている、巨大な生き物で、今から約4000万年前から3400万年前の海に生息していました。
こちら、バシロサウルス(Basilosaurus)という名前は、ラテン語でトカゲの王という意味があります。名前の一部に「saurus:サウルス(恐怖のトカゲ)」という名前がついていますが、恐竜どころか、爬虫類でさえなく、実は太古に生息していたクジラの仲間なんですね。
なので、オクルデンダビス・カウングラアエと恐竜の間柄よりも遠縁というわけなんです。なぜ、クジラの仲間が恐竜と勘違いされたかというと、このバシロサウルスのフォルム。バシロサウルスの全身は非常に細長く、クジラとは思えないような形状をしていたんですね。
一見すると、白亜紀に生息していた、あのモササウルスと見紛うほど。
その後の研究と発見で、バシロサウルスは原始的なクジラの仲間と修正されたのですが、その名前は発見当時のバシロサウルスで落ち着きました。現代でこそ、技術は進歩していますが、それでもやはり化石、時にはその化石の一部分で種類の選別をするのはやはり容易なことでなないのでしょうね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、あわや世界最小の恐竜発見と、世紀のニュースになりかけたものの、幻と終わった発見をご紹介させていただきました。現代の生き物でも、種の選別は容易でないところに、化石しかないところからその種類やフォルム、はては皮膚の色まで特定するのはやはり並大抵のことではないのでしょうね。
この分野は常に新しい発見があるたびに修正が行われており、少し前までは、かの有名なティラノサウルスレックスやアロサウルスはじめ、獣脚類と呼ばれる大型の肉食恐竜たちは総じてゴジラのような体型をしていたと考えられていましたし、最近有名になったスピノサウルスですら、最新の研究では、通常は4本足で歩行していた可能性も示唆されています。恐竜や太古の生物は新しい発見の連続とも言えそうです。
今後も新しい発見を期待したいところですよね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。