太古の爬虫類

【マチカネワニ】ドラゴン伝説の始祖!?太古の日本に生きた巨大ワニの意外な事実とは

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、太古の日本に生息していた巨大ワニ、マチカネワニにスポットを当ててその魅力に迫っていきたいと思います。かつての日本の水辺を支配した巨大ワニの意外な系統の可能性とは?そして龍伝説との関係とは?果たして・・・。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

東洋のドラゴン伝説の始祖!?日本に生きたマチカネワニの魅力に迫る!

ではまずマチカネワニのご紹介を軽くさせていただくと、第四期更新世という遥か太古の日本に生息していたとされるワニの一種で、チバニアンという地階層から発見されました。この地層名と日本で発掘というと現在の千葉県で発掘された感じがしてしまいますが、マチカネワニの化石が発掘されたのはその名前の由来ともなっている大阪府北摂に位置する待兼山という場所で、日本で発掘された最初のワニなんです。

その後、大阪府南部に位置する岸和田市で同じくワニの化石が発掘されて、こちらの方はキシワダワニと命名されているのですが、今後の研究でマチカネワニと同種である可能性も示唆されております。そして他の地域でもマチカネワニと思しきワニの化石は発見されていて、岩手県や長崎県でも発掘されておりますね。

ちなみにチバニアンという地階層名は千葉県の断層である千葉セクションに由来し、何気に前階層との境目では地球磁気逆転という結構なイベントとも関係が示唆されている地層なんですね。

最大全長推定7m強!マチカネワニの威風

日本で発見されたというと、そのイメージからなんか小型種のワニっていうイメージがありますが、マチカネワニはワニの中でもかなりの大型種であった可能性が高く、発見された化石は全身骨格ではないものの、そこから復元された推定の全長はなんと7mに迫った可能性が示唆されたんですね。まだ発見された化石が少ないため、今後の研究、発掘の成果ではもしかしたらこれよりも巨大なマチカネワニの化石が出土する可能性も無きにしも非ず、このあたりは楽しみなところですよね。

7mをもし超えていたのであれば、現生の最大種とされるイリエワニよりも巨大ということになり、そんなワニが太古の日本を闊歩していたその姿は想像を絶する威風だっただろうと思ってしまいます。

マチカネワニは現在のどのワニと近縁だったのか

このように出土した化石からも結構な大型種だったと考えられてるマチカネワニなんですが、残念ながら現在はマチカネワニという種はおらず、絶滅種というのが確定してしまっております。では現生のワニで近い種はいたのでしょうか。大型のワニといえば、やはり先ほど名前が登場したイリエワニやアフリカに生息するナイルワニなどクロコダイル科のワニたちをイメージしてしまいますが、実はまだその系統は確定しておらず、現在も様々な議論がされておりましてですね。現生のイリエワニやナイルワニのようなクロコダイル科という説もあれば、アジアに生息しているガビアルという口吻が細いワニ種の系統という説もあるんです。

ただ、現在の最新の研究成果では、マチカネワニはマレーガビアルという現生種と近縁である可能性が高いことが分かっており、系統もインドガビアル科トミストマ(マレーガビアル)亜科マチカネワニ属という分類系統がなされております。

ただ、このインドガビアルもクロコダイル科に属するという説もあったりして、ワニの一部系統は現生種であってもいまだ別の説が出てきていたりするので、今後の研究ではまたこの系統に変更がなされるかもしれませんね。

気になるマチカネワニの咬合力

巨大ワニとくれば、やはり気になるのがその咬む力、すなわち咬合力ではないでしょうか。ガビアル系統は主に魚類を捕食しやすいように口吻が細くなったことでも知られていて、このことからその咬合力はあまり強くないイメージがありますが、マチカネワニの咬合力はそのアゴの化石から非常に強力であったと示唆されており、約1.2tにも上った可能性があるんです。

この数値は現生イリエワニとほぼ同等の咬合力であり、この咬合力であればマチカネワニは陸上の大型哺乳類も捕食をも捕食していたであろうと考えられており、こういったことから当時の食物連鎖では頂点に君臨していた可能性も高いと言えそうですね。

現在有力視されているガビアル系のワニは口吻が細いので魚類などを捕食していることが多いのですが、マチカネワニはもしかすると少し現生のガビアルたちとは違った食性を営んでいたのかもしれませんね。

東洋の龍伝説の始祖!?各地から発見されるマチカネワニ

 

画像提供:国際日本文化研究センター

日本で最初に発見されたワニ、そしてマチカネワニという名前からして日本固有のワニであったとイメージしてしまいそうですが、実は国外からもマチカネワニ、もしくはその亜種と考えられるワニの化石が発掘されていて、台湾や中国からもそれと思しき化石が発掘されているんです。ただ、台湾で発見されたマチカネワニ「Toyotamaphimeia taiwanicus」のほうが起源的で台湾の種が日本などに生息域を拡大していった際、緯度の高い日本などの生活に適応するため、太陽の熱を吸収・蓄積しやすいよう体を大きくしていった、あるいは上記理由により大きな個体が生き残っていったという説もあります。

チバニアンという時代は現生人類が誕生した時代ということが分かっており、ここでマチカネワニと接触した古代中国の人類が東洋の龍を想像した可能性があるという説が、マチカネワニの研究者であり、現在のマチカネワニの学名「Toyotamaphimeia machikanensis」の名付け親、青木良輔氏によって示唆されているんです。いわば、マチカネワニから東洋のドラゴン伝説が生まれた可能性があり、これはまたマチカネワニのロマンをさらに増幅させる楽しみなところと言えますよね。

ちなみに「Toyotamaphimeia」という学名、いかにも和名っぽさがにじみ出ていますが、これは日本を創造したとされる天照大御神の姪にして、海神(わだつみ)の娘である豊玉姫命(とよたまひめのみこと)という古代日本神話に登場する和邇の化身とされる女神が由来となっております。

最後に

いかがだったでしょう。今回は日本で発掘された最初のワニ、マチカネワニの魅力に迫ってみました。過去の日本にこのような大型のワニが生息していたってのは本当に驚愕ですよね。また、更に東洋のドラゴン伝説がマチカネワニが発祥である可能性もあるとなると、更なるロマンを感じてしまうのではないでしょうか。マチカネワニの今後の研究が楽しみなところですよね。ではでは、今回も最後までお付き合いいただきありがとうございます。

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