こんにちは。えたばりゅです。
今回はニシオンデンザメというサメにスポットを当ててご紹介と思います。ニシオンデンザメには、そのフォルムこそはホホジロザメやジンベエザメ、シュモクザメなどと比較すると、控えめでどちらかというと地味な感じですが、ニシオンデンザメはある分野でこういった超メジャー級のサメにも勝るとも劣らない魅力を秘めているサメなんです。
それは、長寿ということ。
それも100年とか、そんな甘っちょろいものではなくてですね。また、超絶長寿であるが故、ニシオンデンザメは結構切実な問題も抱えておりまして、そのあたりも触れつつ、その長寿&超スローライフに迫っていきたいと思います。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
100歳なんてほんの若造!500年を生きる超長寿ニシオンデンザメ
まず、ニシオンデンザメのご紹介を軽くさせていただくと、英名を「Greenland Shark」、学名を「Somniosus microcephalus」という、ツノザメ目オンデンザメ科に属するサメの仲間で、その名前の通り、グリーンランド近海を中心に、カナダ西部から北ヨーロッパにかけての冷たい海域のそれも深海域とかなりの厳寒海域を好んでいる感じですね。ちなみに、日本近海ではニシオンデンザメはいないのですが、近縁のオンデンザメが駿河湾などの深海域に生息しております。
ジンベエザメやウバザメほどではないものの、このサメもかなり大型になることで知られており、その体長は5mを超え、時には7mに達することもあります。
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食性は肉食で、獲物も選り好みせず、口に入るものならば何でも食べることが分かっており、魚介類からアザラシなどの海生哺乳類に至るまで、多岐に渡っているんですが、動きがかなり遅く、移動速度も約1km/hほどのため、全て捕食しているのか、それとも死んだ個体を見つけて食べているのか、そのあたりについては確証がなく、トナカイなどの骨も胃の内容物から見つかっているものの、それらについては海中に沈んだものを食べている可能性も示唆されています。
人間でも泳ぐスピードは一般人でも約5~6km/hといわれているので、そう考えるとニシオンデンザメはかなりのスローライフを送っているといえますよね。
そんなスローライフのイメージ通りといってはアレですが、成長もかなり遅く、7m以上の巨体になる割には、1年間に数センチほどしか成長しないことが分かってるです。そして、ニシオンデンザメは冒頭で申し上げた通り、かなり長寿なことが分かっているんですね。
最長何と500歳!世紀末を5度迎える超ロングライフなニシオンデンザメ
私たち日本人はその医療の発展や国民性もあって、大変ありがたいことに、今や人生100年時代なんて言われてますよね。ですが、ニシオンデンザメからしてみれば、100歳なんて言うのはまだまだ駆け出しのヒヨッコで、その平均寿命はなんと約300歳、長生きな個体では400歳を優に超え、中には500年以上という、驚愕の月日を生き抜いたニシオンデンザメも確認されているんです。
500年前といえば、絶賛戦国時代。調べてみると、日本では知らない方はいないほどのあの超有名な戦国武将、武田信玄公がご存命であれば、来年あたりに500歳を迎えるようなので、おおよそ信玄公と同い年ということになります。
・・・凄すぎますよね。
昔から不老長寿を夢見てきた私たち人類からしてみれば、なんとも羨ましい限り。
ところが、そういい事ばかりでもないようで、超絶長寿であるが故に起きうる問題というものもあるみたいなんです。
超長寿であるがために、ニシオンデンザメを陥れる問題
先ほど、100歳なんてまだまだヒヨッコという表現をさせていただきましたが、実はコレがあながち間違っていなくてですね。500歳も生きるということは、裏を返せば子孫を遺せる年代になるのにも時間がかかるということ。ニシオンデンザメの100歳といえば、まだまだ人間でいうと、10歳を超えたあたりに相当して、ニシオンデンザメが性成熟して子孫を残せるようになるまでに、なんと150年もの月日が必要である可能性がでてきたんですね、
単純計算ですが、要するにニシオンデンザメは150年生きないと数が増えていかないということになります。
何でこれが問題かというと、人間がいる。ということでお分かりいただけるのではないでしょうか。実はニシオンデンザメの肉には毒素が含まれていて、加熱しない限りは食べることができず、ニシオンデンザメを主軸とするような漁獲は少ないんですが、動きが緩慢なこともあり、他の魚類とよく混獲されることがあるんですね。なので、性成熟を迎える前に命を落としてしまう個体が非常に多く、近年ニシオンデンザメはかなり激減してしまっているんです。
性成熟を迎えるのに150年もかかると分かり始めたのは比較的最近なので、現在は優先的に保全が進むよう各方面へ呼びかけられているんです。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、5世紀を生き抜く驚愕の長寿生物ニシオンデンザメをご紹介させていただきました。このような超絶長生きなので、現在脊椎動物の中では堂々の長生きNo.1に輝いております。
戦国時代から生き続けているようなニシオンデンザメがいると考えるだけで、ロマンを感じずにはいられないですよね。とはいえ、長寿であるが故、ニシオンデンザメが抱える問題があるのも事実。このような大先輩が姿を消してしまわないよう、応援していかねばです。
ではでは、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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