こんにちは。えたばりゅです。
今回はネコ科動物の中では最も標高の高い場所を生息地としている、ユキヒョウをご紹介しようと思います。
同じ大型ネコ科動物では、アムールヒョウやアムールトラと並び、幻の動物と言われており、野生では滅多に人目につくことがないユキヒョウ。その生態はまだほとんど知られていないのですが、ユキヒョウはネコ科はおろか、動物界でも1、2を争うジャンプ力の持ち主なんですね。
今回は超意外なユキヒョウの隠された真実を含めて、幻の動物の驚異の身体能力もしっかりご紹介していきますので、是非ゼヒ今回も最後までお付き合いいただき、ユキヒョウの魅力をたっぷりと感じていただければと思います。
幻の動物ユキヒョウ その驚愕のジャンプ力とスーパー意外な真実を徹底紹介!
まず、ユキヒョウの紹介を軽くさせていただきますと、ユキヒョウは英語名を「Snow leopard」、学名を「Panthera uncia」というネコ科ヒョウ属に属する動物で、前述の通り、ネコ科の仲間では一番標高が高い場所を生息地としています。
その生息地はチベット山脈やヒマラヤ山脈、モンゴルやロシアの南側など、厳寒の地で知られる場所を生息地としており、標高1000m~6000mの場所を獲物が多い季節によってすみ分けています。
体長は約1.5mほどでアフリカやインドなどに生息しているヒョウと同じような体格をしているのですが、厳寒地域の高山地帯を生息地域としているだけあり、その体毛はその密度はもちろんのことかなり長く、厳寒の地でもしっかり活動できるように、足の裏のパッドの部分にまで毛が密集しております。
また、ユキヒョウの尻尾もかなりの分厚い被毛で覆われており、休む際は鼻などの体表が露出している部分を分厚い尻尾でくるませ、尻尾をマフラーのようにして休みます。
それにしても、ただただ見事としか言いようがない美しい姿ですよね。アフリカやインドなどに生息しているヒョウを白くしたような、本当に芸術ともいえるフォルム。
でも、ココでちょっと意外な事実があるんです。
意外な事実!ユキヒョウは実はヒョウよりもトラに近い遺伝子を持っている
そうなんです。姿形はヒョウの親戚・・・いや、極寒の地に適応進化したヒョウそのものといってもいい姿をしているんですが、その分類上は実はヒョウよりもトラに近い遺伝子を持っていることが最近の研究で明らかになってきたんですね。
ともあれ、もちろんヒョウとまったく別種かというと、そういうわけではなく、ユキヒョウもヒョウもヒョウ属に属するネコ科の動物なのですが、現生のヒョウ属の分類をさらに細分化すると
- ユキヒョウ
- トラ
で1グループ
- ヒョウ
- ライオン
- ジャガー
で1グループっていう感じです。
ちなみにチーターやピューマは、また違う分類になるんですね。
実は、以前はユキヒョウはトラやライオンが属するヒョウ属から独立した分類である、ユキヒョウ属という分類をされていたんですが、最近になってトラに近い分類っていうことが判明しました。
こうやって並べてみると、確かにヒョウというよりはトラに面立ちの感じとか似てるかも・・・。いや~・・・なんて言うか、進化系統って本当に奥深いですよね。
ちなみにトラとユキヒョウは今から約370万年前から270万年前に共通の祖先から分化したと考えられております。
そして、ユキヒョウで意外な真実といえば、もう1つあるんです。
ユキヒョウは人を捕食しない
トラやライオン、そしてヒョウなどは基本人を避けるものの、人を襲うことで知られており、動画などでもその優雅な美しさと共に、その危険性もよくクローズアップされていますよね。
しかしながら、ユキヒョウに関しては、人を襲ったという事例はほとんどなく、わかっているのは2件のみ。また人を捕食したという記録は現在のところなく、この辺りは他の近縁種にはない意外ともいえる性質が隠されているんです。
ユキヒョウが人を襲わない理由
これは私の一意見ですので、そういう考え方もあるのね。っていうくらいに留めて頂くと幸いなのですが、ユキヒョウが人を襲わない理由として、人とユキヒョウの生息圏がほとんど重なっていないところも大きな理由の一つなのかなと思います。
ライオン、ヒョウ、トラなどは生息圏が森林やジャングルなど、比較的低地な場所を行動範囲としているので、必然的に人間と接触する可能性がユキヒョウに比べると、格段に高いといえます。
それに対し、ユキヒョウが主に生息している場所は標高1000m以上の寒冷な場所。必然的にそういう場所は人口密度も少なく、加えてユキヒョウ自体が幻の動物といわれるほど希少な動物。
そのため、必然的に人との接触事故がほぼ起きないのではないかなと思います。
人を襲うとされているヒョウやトラもロシアの奥地に生活しているようなアムールトラやアムールヒョウなどは、その生息数もユキヒョウに劣らず希少な存在で、生息地も奥地な為、こういった種が人を襲ったという話はあまり聞こえてきません。
もちろん、ユキヒョウが比較的人に対して攻撃性が低いという可能性も大いにありますが、その生息地、そして生息数もやはり一因ではないかなといえます。
そんなユキヒョウなのですが、冒頭で申し上げた通り、動物界では1、2を争うジャンプ力を兼ね備えた驚異のアスリートなんですね。
ユキヒョウの驚愕のジャンプ力は何と約15m!!大型バスの長さを一飛び!
そうなんです。高さのジャンプ力は同じネコ科動物のピューマが7mもの高さにまでジャンプするジャンプ力を持っているのですが、こと長い距離を飛ぶ、長さのジャンプ力はユキヒョウが15mという大ジャンプの記録が残っており、ネコ科動物の中ではもちろん、地球上で生息する動物の中でも1、2を争うジャンプ力を持っているんです。
いうなれば、大型バスの端から端までの長さを一飛びで飛べるような驚愕のジャンプ力です。
その能力の一部分を開放した動画がありますので、そちらのほうもご紹介しておきたいと思います。
いかがでしょう。軽く遊んでるだけでこのジャンプ力。おまけにムーンサルトも披露しちゃったりなんかして、その身体能力の高さっぷりを存分にアピールしてますよね。
これで、本気出してジャンプしたら15mはもちろん、なんか30mくらい軽くジャンプしそうな感じがしますw
ちなみにユキヒョウと跳躍力の長さで覇を競う動物は、アフリカに生息するスプリングボックという、草原に生息しているウシ科の動物。ご存知の通り、アフリカにはライオンやチーター、ヒョウやリカオン、ハイエナといった陸上最強クラスの捕食者たちが虎視眈々と獲物を狙っているので、そういった捕食者から逃れるために、ジャンプ力と走る力を進化させたと考えられております。
他にもいる驚異の長さをジャンプする動物たち
動物界は日々の生活が生き死にと一蓮托生の厳しい世界。そんな日々をしっかりと生き抜くため、そのジャンプ力を鍛え上げた動物たちは、ユキヒョウやスプリングボック以外にもたくさんいます。少しその例を挙げさせていただくと
- オオカンガルー:約13m
- シャチ:約13m
- ピューマ:約12m
- インパラ:約12m
などなど、肉食、草食、陸生、水棲各界から抜群のジャンプ力を誇るアスリートたちが軒を連ねていますよね。ネコ科動物ではユキヒョウと並んで、ピューマも驚愕のジャンプ力を誇っております。
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また、体の大きさを考えると、昆虫界の面々がこれまた驚異的なジャンプ力を誇っており、バッタやノミなど、ジャンプ力が優れている昆虫たちはなんと自身の体長の200倍以上もの長さをジャンプすることができるんです。
人間で例えるなら170cmくらいの人が一気に340mほどの長さをジャンプする計算ですね。
ユキヒョウの驚異的なジャンプ力の理由
ユキヒョウがここまで凄いジャンプ力を手に入れた背景には、やはりユキヒョウたちが生息している場所が一番の要因であるといえ、ユキヒョウが生息している高地では、切り立った崖やかなり険しい岩場が多く、その場所で獲物を追ううちにこの優れた身体能力を獲得していったと考えることができそうですね。
ちなみにユキヒョウほど高地ではありませんが、ピューマも比較的標高の高い場所に生息していることも多く、やはりピューマもそういった場所で獲物を追っていることで、自然と驚異的な身体能力を獲得していったと考えられています。
こちらは幻の動物、ユキヒョウの貴重な狩りのシーンを収めた動画でございますが、ユキヒョウの恐るべき身体能力も同時に知ることができます。
※捕食動物の狩りのシーンが流れ、少し衝撃的な内容も含まれます。苦手な方は視聴には十分お気をつけください。
いかがでしょう。この高さから岩肌に衝突し、なおも揉み合う二頭。人間であれば確実に死に至るような高さ。こんな断崖絶壁で、こんな風に疾走して獲物を追うっていうのは本当にすごいですよね。私ならば、あの高さから落ちたと悟った時点で、もう生きた心地はしません。そして岩肌にたたきつけられて全身の骨が砕けているだろうと思います。
獲物のほうはかわいそうですが、この後、このユキヒョウに仕留められてしまいましたが、ユキヒョウのほうは数日後元気に姿を現したとのこと。
全くもって、恐ろしいほどの身体能力。15mものジャンプをするのも頷けますよね。
絶滅が心配されるユキヒョウ
このように驚異のジャンプ力と身体能力を駆使して獲物を華麗に追うユキヒョウですが、幻の動物といわれるように、その数は減少傾向にあり、現在ではトラやヒョウと同じく絶滅が危惧されている動物になります。
IUCN(国際自然保護連合)が定めるレッドリストでは、VU(絶滅危惧Ⅱ)に指定されており、手厚い保護が必要とされる動物の1つです。
険しい崖や山脈を物ともせず、華麗に疾走する美しい動物を絶滅させないためにも、私たちもしっかりと保全活動に目を向けていかねばですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は険しい断崖絶壁で、見事なまでの身体能力とジャンプ力を駆使して、逞しく生きるユキヒョウをご紹介させていただきました。姿かたちはヒョウに似ていても、実はトラに近いなど、結構意外なところもあったのではないでしょうか。
野生のユキヒョウに逢うにはちょっとした努力と強靭な精神力が必要ですが、将来ユキヒョウが山脈を華麗に疾走する姿が生息地のいたるところで見ることができるようにしていかねばですね。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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