こんにちは。えたばりゅです。
今回は、臭いにおいを放つ代表的な動物といっても過言ではない、あのスカンクにスポットを当ててその生態や意外に知られていないその特徴などに触れていきたいと思います。
実はその代名詞ともいえる、刺激臭にも意外なヒミツが隠されているんですね。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
スカンクの刺激臭は身を守る為の最後の砦だった!意外に知られていないスカンクのヒミツ
では、まずスカンクという動物を軽くご紹介させていただくと、英語名を「skunk」、学名を「Mephitidae」という、食肉目(ネコ目)イヌ亜目イタチ上科スカンク科に属する動物の総称で、アメリカ大陸に生息しています。
そうなんです。スカンクというのは、一種類の動物を指しているのではなく、スカンク科に含まれる動物たちで、実は現在12種スカンクと呼ばれる動物がいるんですね。ちなみに、フィリピンなどに生息しているスカンクアナグマという動物も最近になって、このスカンク科の一員と分類されるようになりました。
白黒の模様に隠れて気づきにくいですが、実はよく見るとつぶらな瞳をしていて可愛らしい顔をしていたりするんです。
食性は雑食で、木の実や果物の他、ネズミやカエルといった小動物、小型の鳥類などを食べて生活しております。体長はその種によっても様々ですが、20cm~50cmといったところで、森林地帯から砂漠など、様々な地形に適応して生活しております。
スカンクの代名詞 超強烈な刺激臭
そしてスカンクといえば、やはり誰しもが連想するのが、肛門から放たれるどんな生き物も悶絶必至の強烈な刺激臭ですよね。多くの方がスカンクのおならというような認識をしていますが、正確にはおならではなく、刺激臭を伴った液体なんですね。
色は黄色がかっており、その見た目が強烈な匂いに拍車をかけております。
スカンクは危険を感じた時に、この液体を相手の目を目掛けて肛門腺から噴射し、相手を撃退するというわけです。そして、その射程距離も非常に優れていて、約5mほど離れた場所でも正確に相手の目に当てることができるといわれています。スカンクのこの噴射液をまともに喰らうと、一時的に目が見えなくなってしまう程の強烈さを兼ね備えているんです。そして、その匂いも超強烈で、風向きによっては数キロ先まで匂いが届くほど。
加えて、そのかぐわしい香りが後引く香りといいますか、噴射液の成分が皮膚にかなり浸透しやすく、一度その噴射液を浴びれば、簡単に匂いが取れず、生息地であるアメリカでは専用の脱臭液が用意されているほどなんです。
アメリカにはクマやオオカミ、ジャガーやピューマ、ウルヴァリンなどといった、そうそうたる捕食動物たちが暮らしておりますが、稀に、若い個体が知らずにスカンクにちょっかいを掛けて、この超きつい洗礼を受けたりするものの、どの捕食者たちもスカンクのこの強烈な対抗手段を知っていて、ほとんど手を出さないんです。
ただ唯一例外が。
スカンクを捕食する唯一の捕食動物 アメリカワシミミズク
アメリカワシミミズクは北米から南米にかけて幅広く生息している翼開長約1.5mほどのフクロウの仲間で、他のフクロウと同じく、ネズミや魚などを捕食して生活しているんですが、アメリカワシミミズクの獲物のラインナップには、このスカンクも含まれているですね。
なんでアメリカワシミミズクが他の多くの名だたる捕食動物たちが手を焼くスカンクを問題なく捕食できるかというと、襲い掛かる場所。他の捕食者たちと違い、ワシミミズクなどの猛禽類は空中からスカンクに襲い掛かるので、スカンクたちが刺激臭を発する暇がなく、その鋭い爪で抑えられてしまうんです。
また、他の捕食動物たちは嗅覚に頼るので、嗅覚がかなり発達しておりますが、猛禽類は目を頼りに獲物を探すので、嗅覚が他の捕食動物と比較して未発達であることも理由の一つと考えられております。
とはいえ、多くの捕食動物たちを遠ざけているスカンク。一見すると、最強の対抗手段を持っていて、防御面はもはや完璧と思われがちなんですが、実は意外と知られていないヒミツがあるんです。
スカンクの刺激臭 それはスカンクにとって最終の武器で最後の砦
実はこのスカンクの刺激臭。いつでも使えるかというと、決してそのようなことはなく、一度噴射すると、噴射液を再充てんするのに、結構期間が必要なんです。その期間は約1カ月とも言われており、その間に捕食動物に万が一襲われると、かなり危うい状況に陥ってしまうんですね。
ちなみに毒蛇の毒も一度に使い切ると、充填期間が必要なので、毒蛇たちもその使用量は調整していると考えられております。
なので、スカンクは出来る限り、この噴射液を使わなくて済むように、捕食者が近づくと、逆立ちして相手に肛門を向けたり、地面をたたくなどして、相手に警告を発するんですね。そして、一見あの周りの環境には超絶目立であろうミスマッチともいえる白黒の模様も、実は相手への警告を促す、警告色と考えられています。
また、スカンクも食肉目に含まれる動物ですので、その歯は鋭く、相手に攻撃するのに十分な攻撃力も兼ね備えているんです。なので、肉弾戦で対処可能な時は、その歯や爪を使って応戦することも結構あったりするんです。
それでも相手が引き下がらない場合には、最終手段、ファイナルウェポンである刺激臭を持って、相手を撃退するんです。いくら使いたくないといっても、命を落としてしまっては元も子もないので、背に腹は代えられないといったところ。
まさにイタチの最後っ屁、ならぬスカンクの最後っ屁ってところでしょうか。余談ですが、スカンクはイタチとけっこう近縁なんです。
やはり最後の奥の手は出来る限り温存しておくというのは、動物界でも同じこと。スカンクも生き残るために、しっかりと対応策を講じて進化してきているんですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、動物界でトップクラスの防御策を持っているといっても過言ではないスカンクにスポットを当てて、その生態のヒミツに迫ってみました。超有力で高性能な防御手段ですが、最終兵器はやはりおいそれとバンバン使うことができないんですね。
なんとかそれを使わないでもいいよう、上手く捕食動物と渡り合っていってほしいものですよね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。