魅惑の野生動物たち

【極彩色!美麗!】エメラルドツリーボア!成長と共に鮮やかなグリーンへと変貌

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、エメラルドツリーボアというヘビの仲間をご紹介したいと思います。その名前の通り、全体的に鮮やかなグリーンに彩られた体色が特徴のボアなのですが、実はこの蛇には面白い特徴があって、最初からこの色というわけではないんですね。

ではでは、そのあたりも踏まえつつ、エメラルドツリーボアのその魅力と特徴に迫っていきたいと思います。

美麗!エメラルドツリーボア 大人になるにつれ鮮やかなエメラルドグリーンへと変貌!

エメラルドツリーボアは英語名を「Emerald tree boa」、学名を「Corallus caninus」という、ボア科ツリーボア属に属するヘビの仲間で、日本では標準和名の他、エメラルドボア、グリーンボアと呼ばれていたりもします。

南米のアマゾンを中心とした熱帯雨林地域を好んで生活の場としており、「ツリーボア」の名の通り、樹上生活を営んでおります。

ほぼほぼ木の上でとぐろを巻いており、エサとなるネズミや小鳥などの小動物が近づくと、鼻先にあるピット器官という熱感知センサーを巧みに使い、獲物に襲い掛かります。このセンサーのおかげで、ボアやクサリヘビ科など、ヘビの仲間は視覚に頼らずとも正確に獲物に襲い掛かることができるんですね。

ボアの仲間の中には、時に体長約9m、体重約200kg以上にも達する、あの世界最重量にして世界最大級のヘビ、グリーンアナコンダ(オオアナコンダ)がいたりするんですが、エメラルドツリーボアはそこまで大型化することはなく、最大でも約2mほどと、ボア科のヘビとしては中型クラスのヘビとなります。

エメラルドツリーボア最大の特徴は超鮮やかなエメラルドグリーンの体色

エメラルドツリーボアはその名前にかなり顕著にその特徴と生態が表されているヘビで、ツリーは先ほどご紹介した通り、生活のほぼほぼを樹上で行う生態から由来しているのですが、何と言ってもの最大の特徴は、その超鮮やかなエメラルドグリーンの体色。

この体色はエメラルドツリーボアの生息地である、熱帯雨林に見事に適応していて、ワシなどの猛禽類といった天敵から身を守る為、また逆に獲物の目を欺くための保護色として、攻守にわたって活躍しているんですね。

ただ、この体色もさらに面白い特徴があって、実はエメラルドツリーボアは生まれたころは全く別の色をしているんです。

エメラルドツリーボアの幼少期はオレンジや黄色、赤と全く別のヘビといってもいい姿

そうなんです。エメラルドツリーボアが持っているもう一つの面白い特徴として、成熟した個体と幼蛇の体色が全く違う色をしているっていう特徴があるんです。

エメラルドツリーボアの成蛇の体色は鮮やかなエメラルドグリーンなんですが、幼蛇期には全く違う色をしていてですね。その色はオレンジ、黄色、そして赤など。成長とともに脱皮をするにつれ、段々と緑色になっていき、成熟すると綺麗なエメラルドグリーンに変化するというわけなんです。

こちらはエメラルドツリーボアが成長と共に鮮やかなグリーンへと変わっていく様子を収めてくれている動画。

ね。全然違うでしょ。しかもある時期を境にいきなり変わるんじゃなくて、徐々に変化していくって言うところも面白いですよね。

なぜ、より身を守る必要がある幼蛇期にこのような派手な色をしているのか、そのあたりは定かになっていませんが、一説には幼蛇期の体色は花に似せた色で擬態することによって、獲物をとらえやすくしているという説もあります。

エメラルドツリーボアとまったく同じような特徴と生態を持つミドリニシキヘビ

このように幼蛇期と成熟個体とで全く違う色をしているという面白い特徴を持ったエメラルドツリーボアなんですが、実はこのエメラルドツリーボアとほとんど同じ生態と特徴を持ったヘビがインドネシアやオーストラリアなどに生息しているんです。

そのヘビの名前はミドリニシキヘビ。同じボア上科に属するヘビなのですが、エメラルドツリーボアはボア科、ミドリニシキヘビはニシキヘビ科に属するヘビなので、系統的には近いものの、別種のヘビなんです。実際、インドネシア地域と南米では生息地域も結構離れてますよね。

にもかかわらず、ミドリニシキヘビは、樹上生活を営むところや、同じ緑色の体色をしているところはもちろんのこと、エメラルドツリーボアと同じく、幼蛇の姿は赤やオレンジ色と、これまた幼蛇の色までそっくりなんです。

おそらく、生息環境が両者ともに熱帯雨林という場所なので、それに適応するよう、進化した賜物だと考えることができるんですが、となると、幼蛇がかなり目立つ姿をしているのも、生き残りに重要な役割がもしかしたらあるのかもしれませんね。

こんな感じで、別種にもかかわらず、ほとんど同じ生態を持っている両者は収斂進化の良い例として取り上げられることもあるんです。

最後に

いかがだったでしょう。今回は大人と幼少期で全く違う体色をしたエメラルドツリーボアというボアの仲間をご紹介させていただきました。どちらかというと、幼蛇期の頃のほうが派手派手しい色をしているこの謎も、もしかしたらかなり重要な役割を担っているのかもしれませんね。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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