魅惑の野生動物たち 動物雑学

カラスガレイ その気になるお顔は意外にコワモテ!?

こんにちは。えたばりゅです。

今回は日本でも比較的馴染みのある、カラスガレイにスポットを当ててその生態や魅力、そして素顔に迫っていきたいと思います。・・・馴染みはあるんですが、ある意味その顔は文字通りベールに包まれているというか、ミステリアスな一面もあるカラスガレイ。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

カラスガレイ 有名なのに素顔は誰も知らない!?その隠されたヒミツに迫る

ではまずカラスガレイのご紹介をさせて頂くと、英名を「Greenland halibut」、学名を「Reinhardtius hippoglossoides」というカレイ科カレイ亜科カラスガレイ属に属するカレイの仲間で、北半球北部海域に生息しており、英名の通りグリーンランドなどの冷たい海域、その中でも水深200m~1600mにもなる深海域を好んで生活の場としております。

全長は約1m、最大約1.2m、体重約45kgにまで成長するカレイの仲間の中でも比較的大型種で、カレイ科の最大種、オヒョウに近い種とする説もあり、オヒョウ亜科と分類されることもあります。

大きな体といい、北方に生息していることといい、この辺りはなんとなくわかる気がしますよね。

ヒミツのヴェールに包まれたカラスガレイの気になる素顔

そして、カラスガレイといえば、やはり私たちの食の面で結構なじみのあるカレイでもあり、上品で淡白な白身の味わいと脂ののったその肉質から日本でも好まれていて、スーパーや魚屋さんでも、よく目にする魚ですよね。

白身で脂がのっていることもあり、カレイ王道の煮つけはもちろんのこと、塩焼きや香草焼、ムニエル、フライなど様々な料理法で美味しくその味を楽しむことができる魚でもあります。

ただ・・・

その顔って、ご覧になったことあります?

ですよね。

スーパーはもちろん、市場の魚屋さんでも、カラスガレイのその名前こそ冠しているものの、ほぼほぼ切り身の状態になって並んでいるので、その素顔がどんな顔なのか、ほぼほぼ見たことがないのではないでしょうか。

それもそのはずで、カラスガレイは水揚げされた段階で、加工処理されることがほとんどで、スーパーなどに納品された段階で、すでにドレス(ヘッドレスの略語で頭と尻尾を切り落とした状態のこと)やフィーレ(骨を取り除き身だけになった状態)で納品されることがほとんどなんですね。

これは、カラスガレイが北欧やカナダなどのアメリカ北部で多く水揚げされることから、輸出の際劣化を防ぐため、腐敗しやすい頭部や内臓は現地で取り除き、冷凍魚として出荷されることにその理由があるんです。

・・・

気になりません?カラスガレイの素顔。

僭越ながら、私個人的には赤魚と同じくらい気になっていてですね。

ですよね。やっぱあなたも気になりますよねw

では、私たち日本人はほとんど目にすることがないカラスガレイのその素顔をご覧いただきましょう。

こちらが私たち日本人はほとんど目にする機械がない、カラスガレイの素顔です。

いかがでしょう。どちらかというと、コワモテというか、けっこう凶悪・・・といったら、カラスガレイに失礼ですが、私たちがよく知るマコガレイやイシガレイ、メイタガレイなどと比べると口も大きく、獰猛な捕食者という雰囲気を思わせる面立ちではないでしょうか。画像では少しわかりにくいんですが、この口には鋭くおおきな歯もズラリと並んでいるんですね。

オヒョウに近いという説があるのも、なんか納得ですよね。

このお顔は伊達ではなく、その食性も生粋の肉食で、カラスガレイはエビなどの甲殻類からイカなどの頭足類、ニシンやタラの仲間など他の魚類に至るまで、様々な生き物を獲物としているんです。

このような食性で、また他のカレイの仲間と同じく、底魚の部類ですので、海の底に潜みながら、獲物の動向をいち早く察知しやすいよう、カラスガレイの左目は頭部の真ん中の位置についていて、真上から見ると、まるで一つ目のようで、伝説の一つ目の巨人、サイクロプスを彷彿とさせる姿をしています。

片目がこのような位置にある為、カラスガレイは他の鰈の仲間よりも、広い視野を獲得していると考えられています。

また、獲物が他の魚類やイカ類などということもあり、獲物を狙う時は、ホホジロザメがオットセイに襲い掛かるように、獲物の真下から、垂直に泳ぎ襲い掛かることも出来るんです。こういったこともあり、カラスガレイの体色は他のカレイほど顕著に2色に分かれているということはなく、底面に付いている片方の体も、その大部分、もしくは全体が暗褐色に包まれているんですね。

暗い深海で獲物に気付かれにくいよう、その体も保護色になっているというわけなんです。

結構やるヤツでしょ。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、私たち日本人の食生活を支えてくれている、その一角、カラスガレイにスポットを当てて、その生態や文字通り、素顔に迫ってみました。このように食の面の他にも魅力が溢れるカラスガレイですが、生息数には一抹の不安を抱えているところもあり、その数は減少していると考えられていて、IUCN(国際自然保護連合)が定めるレッドリストではNT(準絶滅危惧種)としてランクされているんです。

また、カラスガレイは一部で、底引き網漁を使用して漁獲されていることもあって、この漁法は海底の生態系にも重大な影響を及ぼす可能性があるとして、懸念されているんですね。

カラスガレイがクロマグロやウナギのようになってしまわないように、私たちも出来ることをやっていかねばですよね。

ではでは、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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