世界の危険生物たち

昆虫最強グンタイアリ!その行進は死を呼ぶ蹂躙

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、昆虫界最強と思われるの生き物、グンタイアリをご紹介しようと思います。体長数センチ程度のアリの仲間が、なぜハチやカマキリ、カブトムシなどなど、数多の屈強かつ巨大な昆虫たちを差し置いて最強の座に君臨するのか。その理由などにも迫ってみたいと思います。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

全てを狩り取る最強にして最恐の昆虫グンタイアリの恐怖の行進!

では、まずグンタイアリのご紹介を軽くさせて頂くと、英名を「army ant」、というハチ目アリ科サスライアリ亜科、ヒメサスライアリ亜科、グンタイアリ亜科に属するアリの仲間の総称で、アフリカ大陸の熱帯地域からユーラシア大陸、オーストラリアなどに生息しております。

グンタイアリといえば、テレビなどメディアの紹介で南米の種がクローズアップされることが多いので、これだけの地域に生息していることは意外だったのではないでしょうか。大きな括りでは、3つの亜科ですが、種にまで細分化すると、一般的にグンタイアリと呼ばれるアリたちはなんと300を軽く超える種類がいるんです。ちなみに新しい説ではこれらの亜科をサスライアリ亜科としてまとめる分類説も広がりつつあるようですね。主にアフリカ大陸やインドなど、旧世界に生息しているのがサスライアリの仲間、そしてアメリカ大陸やオーストラリア大陸といった新世界に生息しているのがグンタイアリの仲間であることが多いといえます。

では、グンタイアリの最強たるその所以に触れていきたいと思います。

でも、やはり「最強の昆虫」ということに、もしかしたら違和感を覚えられたかもしれませんね。

最強の昆虫といえば、やはり強力な大鎌を持つカマキリの仲間や、固い甲冑に身を包んだカブトムシやクワガタを代表するコウチュウ類、そしてスズメバチやトンボ、特にオニヤンマはじめ、ヤンマの仲間たちなどが思い浮かぶと思うのですが、体長数ミリから2cmほどのグンタイアリが昆虫界で最強なのか、その辺りが疑問ですよね。

その理由は「グンタイアリ」、そして「army ant」というように呼ばれているところと、意外ともいえるその体の小ささにその所以があるんです。

グンタイアリが最強の昆虫であるその理由

グンタイアリが最強の昆虫と考えるその所以は、群れを作る事にあります。ただ、アリの仲間は別にグンタイアリに限らず、他のアリはもちろん、ハチの仲間も群れを作って生活する社会性昆虫なので、別に群れを作ること自体が最強である理由にはなりませんよね。では、他のアリやハチとの違いはなんなの?ってところなんですが、それはその群れ自体の性質なんです。

日本のアリでもそうですが、アリといえば地中に巣を掘り、そこを拠点として生活しているイメージが強いですよね。でも、グンタイアリたちは特定の巣を持たず、定期的に自分たちの生活する場所を変えるんです。これはグンタイアリの仲間であるサスライアリという名前の由来ともなっているんですが、特定の時期になると、それが他の昆虫たちには恐怖以外の何物でもない死の蹂躙へと変わってしまうんです。

サソリの尾やタランチュラの牙も無力と化す、グンタイアリの必殺の武器

グンタイアリが餌を求めて、移動を始めると逃げ遅れた多くの昆虫たちはほとんど捕食されてしまうんです。グンタイアリはその名前のとおり、ガッチリ訓練された歴戦の軍隊のごとく統率された動きで移動するんですが、その数はおびただしいの一言で、数にして約2000万匹以上、その範囲は幅20m以上に達することもあり、その範囲内にいる獲物を見つけると手当たり次第に猛然と襲い掛かるんですね。その様はまるで殺戮部隊で、グンタイアリやサスライアリたちの生息地には巨大なムカデや猛毒を持つサソリ、そして恐ろしいクモの代名詞ともいえるタランチュラなども生息しているんですが、他のバッタなどの昆虫はもちろん、これら最強クラスの節足動物たちの武器もグンタイアリの前では無力と化してしまうんです。

その理由はグンタイアリが持つ毒針。グンタイアリは獲物を見つけると、大群でその獲物に襲いかかり、獲物に咬み付いて押さえつけながら、まず毒針で相手を次々に刺していくんです。この毒の一撃で獲物は逃げることはもちろん、動くこともままならなくなってしまい、毒が効いてきたところで、相手に蟻酸を浴びせ、溶けてくると大きな鎌のような鋭利な大アゴで相手を引き裂き食べてしまうんです。

獲物からしていれば、動けないけど、確実に生きている状態から徐々に体を溶かされて分解されていく状態。

・・・恐怖ですよね。

そしてココで強力に効いてくるのが体の小ささ。獲物からしてみれば、相手の体が小さすぎるうえに数が多すぎるので、仮にハサミや大あご、毒針で応戦しようにも自身が持つ武器では相手の体が小さすぎるうえ、的を絞ることができないんです。

このように、自身に備わった武器を存分に駆使し、自らの体の特徴も存分に有効活用しながら、目の前にいる獲物を喰らいつくすんです。この死の行進の前にはどんな昆虫も為す術なく捕食されてしまうんですね。時には昆虫はおろか、カエルやヘビのような小動物はもちろん、状態によっては大型哺乳類の馬や牛なども餌食になることが有り、それはその条件によっては人間も例外ではなく、まさに恐怖の蹂躙という形容たるに相応しい捕食行動といえます。なので、グンタイアリの気配を察知すると、あのアマゾンの最強生物、ジャガーでさえその道を避けるほどなんです。

グンタイアリから逃れる唯一の手段

このように小さな体とおびただしい軍勢にモノを言わせて獲物を食らいつくすグンタイアリに遭遇したら、もう運命と思い、その命をあきらめるほかないんでしょうか。実はグンタイアリから逃れられる手段が一つだけあるんですね。

それは、動かずじっとしている事。グンタイアリはその種の多くがほとんど目が見えていないんです。ではどのように獲物を探しているかというと、振動や音を察知して獲物の位置を特定しているんですね。ですので動く、すなわち振動さえ起こさなければグンタイアリにとって、木々や草花と同じ存在。

なので、グンタイアリの群れに囲まれても動かずじっとしていれば、生還できる可能性は飛躍的に高まるんです。この手段を知っている一部のアリたちは、グンタイアリの気配を察知すると、じっと動かずにその軍勢が去るまで息を殺してじっとしているんです。

まぁ、アレです。日本にいる限りはグンタイアリに遭遇するなんてことはないのが最大の安心というところですよね。日本にいるサスライアリはアリ専門のハンターですし。

最後に

いかがでしょう。今回は昆虫界最強と思われるグンタイアリにスポットを当ててその生態や恐怖の武器などをご紹介してみました。このように恐怖以外の何物でもないグンタイアリですが、現地の方々にとっては、ゴキブリやクモなどを食べてくれるので意外と歓迎されるようで、グンタイアリが生活圏に訪れるとしばらくの間その場を離れて、群れが居なくなるころに戻ってくると、グンタイアリが家にいる虫たちを食べてくれている感じでグンタイアリと上手く付き合われているようなんです。

なんかアレですよね。日本でいうところのバルサンとかの代役をグンタイアリが担ってる感じがしないでもないような・・・

このように向かうところ敵なしという感じですが、天敵はやはりいて、全てのアリにとっての恐怖の対象、アリジゴクはグンタイアリたちにとっても例外ではないようです。メクラヘビの一部の仲間にはグンタイアリの毒が通じず、捕食されてしまったりすることが分かっていて、最強の昆虫といえで、やはり捕食されてしまう相手がいるようですね。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

-世界の危険生物たち
-, , , ,