こんにちは。えたばりゅです。
今回は生き物の名前、とりわけその中でも学名表記の時に度々登場する「シノニム」という言葉について、コレがどんな意味合いを持つのかバッチリ分かりやすく解説したいと思います。
シノニム・・・なんか、小難しい感じがして、私たち一般人とは遠く離れた存在のように感じてしまいますよね。
なんか、ワードアレルギー起こすっていうかw
でも、その意味合い自体はそんなに複雑なものではなくてですね。こちらの記事をご覧いただくことによって、その意味合いがスススっと流れるように入ってきますので、是非ぜひ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
シノニムってどんな意味??をバッチリ分かりやすく解決
ではシノニムという言葉の意味合いに触れる前に、まずそもそも学名というのが、なんで使われているのか、そのあたりから解説させていただきたいと思います。
学名というのは、地球上に生きている(いた)既知の生物にはほぼ付いているもので、私たちが普段使っている「トラ」とか「ワシ」といった名前とは別に、その種を表す言葉として使われているものでございます。
ちなみに私たち人間にも学名はもちろんあって、私たち現生人類の学名は「Homo sapiens sapiens」ってのが付いています。「ホモ・サピエンス」といえば、聞いたことがあるのではないでしょうか。あれって何気に私たち現生人類の学名だったんです。
そして、学名はイタリック表記(斜体)を使って表記するのが一般的な決まりとなっております。ただ、私もこのブログを開設したころは恥ずかしながらこのルールを知らなくてですね。こういった方面に精通している友人にこの事を教えてもらいました。
学名がある意味
でも、その生き物を指すのに学名ってあんま使わないし、そもそもなんて読むのか分かりづらい・・・いや、もはや分かんないし、普通に呼べばいいんじゃないの?
って思ってしまいますよね。でも、その生き物を表すにはこの学名はなくてはならないものだったりしてですね。要は学名は全世界共通でその生き物を表すものなんです。
例えば、先ほど例に挙げたトラにしてもそうですが、その国々によって「トラ」や「Tiger」など、国によって様々な名前で呼ばれていたりしますよね。
でもトラの学名「Panthera tigris(パンテーラ・ティグリス)」は日本であろうが、アメリカであろうが、インドであろうが、アフリカであろうが、その学名が変わるってことがなく、「Panthera tigris」なんです。
なので、その名前といえばこの生き物を指すっていう万国共通の名前が学名で、「Panthera tigris」が別の国に行けば、ライオンの事を指しているっていうことは絶対にないんです。
要するに曖昧さや紛らわしさを回避してその種を特定するために必要不可欠なものなんですね。
こういったこともあり、基本学名がその1種に対して、2つ以上あるっていうことはなく、それ以外有り得ないんですが、中には例外もありまして、
- 今まで別(亜)種と考えられていた種が研究が進むにつれ同種と分かった
- 今まで同種と考えられていた種が研究が進むにつれ別種と分かった
- 既に学名がついているのに、誤って新たに学名をつけてしまった
- 分類系統が見直され同種扱いになった
などこともたまにあってですね。こういう時に登場するのが今回の主役「シノニム」というわけなんです。
生き物の分類系統上でシノニムという言葉が持つ意味
上で挙げた例など、例外が発生した時、学名は年代的に先に付けられていたものが、2つ目の例以外では基本的に正式な学名として使われることになるんですが、場合によってはどちらの学名も広く浸透していることがあって、一方をバッサリ切り捨てるっていうことができなかったりするんです。
特に今まで同種と考えられていた種が別種と分かって、新しく学名が付けられた時などはこれが顕著でして、例えば、かの有名な太古の巨大ザメ、メガロドン。
メガロドンもガッチリ決まったわけではないんですが、今までは現生のホホジロザメと近縁と考えられていたことから、その学名は「Carcharodon megalodon(カルカロドン・メガロドン)」であったんですが、その後の研究で、ホホジロザメとは別系統であったことが主流になりつつあり「Carcharocles megalodon(カルカロクレス・メガロドン)」の方が主流になりつつあるんです。また、更に近年メガロドンはネズミザメ目に属する太古に絶滅したオトドゥス属に属するサメの流れを汲む証拠を示すことが発見されたことから「Otodus megalodon(オトドゥス・メガロドン)」という学名に見直されつつあるんですね。
ただ、ガッチリ決まったわけではなく、絶滅した古代生物、更に軟骨魚類であるため、発見される化石の部位に乏しい部分がある種ですので、まだまだ確証といえるまでには至っておらず、議論が交わされているところもあるんです。
ちなみに、メガロドン一部界隈では、まだ深海など人目のつかない場所で生き延びているという説もあったりするんです。
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こういった場合、やっぱりそれまで使ってきた学名にサヨナラすることができなかったりするじゃないですか。
ココで使われるのが、シノニムなんです。
シノニム(synonym)という言葉には「同意語」とか「別名」という意味合いがあるんですが、分類系統的には「重複」という意味合いで使われることが多いんですね。
要するに1種の生き物に対し、本来1つしかないはずの学名が重複している状態としてシノニムという言葉が使われるんです。
なので、現在メガロドンの学名「Carcharodon megalodon」、「Carcharocles megalodon」、「Otodus megalodon」は現在それぞれがシノニムであるというわけなんですが、これがもし、「Otodus megalodon」がメガロドンの正式な学名として決定した場合「Carcharodon megalodon」と「Carcharocles megalodon」という学名の前には「syn.」という文字が加わり「syn.Carcharodon megalodon」と「syn.Carcharocles megalodon」となり、これはどちらもかつて使われていた学名という意味で現在は「Otodus megalodon」が正式な学名であるということになります。
こういった例や上に挙げた例などから、シノニムの学名には「正しくない」といったニュアンスの意味として用いられることがあります。
最後に
いかがだったでしょう。今回は分類系統で度々登場する「シノニム」という言葉が持つ意味についてバッチリ分かりやすく解説してみました。シノニムという言葉が使われる裏側には「ただ1つ」に君臨することの難しさが垣間見えて、この辺りもまた、分類系統の面白さといえるような感じがしますよね。
ではでは今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。