動物雑学

指標生物っていったいどんな生き物?をバッチリわかりやすく解説!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、指標生物にスポットを当てて、どのような生き物たちのことを指すのか、私たち人間にとってどのような役割を担ってくれているのか、バッチリわかりやすく解説したいと思います。なんかとっつきにくそうな感じもしますが、決して難しいことはなく、こちらの記事をお読みいただくことによってその概要が、バッチリ・ガッチリ分かるようになりますので、是非ぜひ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

指標生物とはどんな生き物?をバッチリわかりやすく解説!

現在地球上には、その存在がしっかりと認知され、学名がついている生き物だけでも175万種以上がおり、まだ未発見な種なども含めると、なんと数千万種にも上る生き物がこの地球上で暮らしていると推察されておりまして、その中には環境適応に優れた種もいれば、そうでない種もいるんですね。そして環境の変化に敏感な種であれば、私たち人間から見ると、少しの変化でも、その生息状況に大きな影響を被ってしまうことも多いんです。

そしてそんな種はもちろんこの日本にも暮らしておりましてですね。このあたりが今回の指標生物につながってくるというわけなんです。

指標生物とは

微量な環境の変化にも、大きな影響を受ける可能性がある。

ということは、その地域が今現在どういった環境下にあるのかを把握するのに、ある程度の目星を付けることができるというわけで、その生き物がそこに生息していれば、その場所の環境は今このような状態であるという判断材料になるんです。

そしてそういった役割を担ってくれているのが、今回フォーカスさせていただいている指標生物なんです。

指標生物は主に水質状況を知るうえでの判断材料として用いられることが多く、特に淡水域での水質調査員として活躍してくれていて、この生き物がいれば、この水質はきれい、もしくはこの生き物がいれば、このあたりのの水質は汚れてしまっていると、文字通りその水域の状況の指標となってくれているんです。

水質の指標となる4つの段階とそこに生息する生き物との関係

現在日本では水質の判定を

  • 水質階級Ⅰ(きれいな水)
  • 水質階級Ⅱ(ややきれいな水)
  • 水質階級Ⅲ(汚れた水)
  • 水質階級Ⅳ(とても汚れた水)

の4つの段階として指定しており、その水域の水質を判定しているんですね。そしてこの4つの階級の水質にも、生き物たちが暮らしており、水質Ⅳであっても逞しく生きている生き物たちもいるんです。

なので、水質環境Ⅳで見られる生き物たちは環境汚染や水質汚染にもある程度耐性がある生き物が多く、裏を返せば適応能力が優れている種とも言えます。

逆に水質階級Ⅰでのみ見られる生き物たちは環境の変化に非常に敏感で、これは逆に言えば、古来の自然環境がそのまま残されている、もしくはその水質が修復されているという判断材料になり、環境保全にも重要な指標になってくれているといえます。

指標生物の具体例

では、どんな生き物がその指標となっているのか。なのですが、これには昆虫類を主体に一部の節足動物や軟体動物がその指標として用いられることが多くてですね、その具体例をご紹介すると

水質階級Ⅰ(きれいな水)の指標生物

  • カワゲラ
  • ヒラタカゲロウ
  • ナガレトビケラ
  • ヤマトトビケラ
  • ヘビトンボ
  • ブユ
  • アミカ
  • サワガニ
  • ウズムシ

水質階級Ⅱ(ややきれいな水)の指標生物

  • コダマシトビケラ
  • オオシマトビケラ
  • ヒラタドロムシ
  • ゲンジボタル
  • コオニヤンマ
  • スジエビ
  • ヤマトシジミ
  • イシマキガイ
  • カワニナ

水質階級Ⅲ(汚れた水)の指標生物

  • ミズカマキリ
  • タイコウチ
  • ミズムシ
  • イソコツブムシ
  • ニホンドロソコムシ
  • タニシ
  • ヒル

水質階級Ⅳ(とても汚れた水)の指標生物

  • セスジユスリカ
  • チョウバエ
  • アメリカザリガニ
  • サカマキガイ
  • エラミミズ

といった生き物たちがその水域の指標動物とされております。その水質によって納得の生き物もいれば、意外な生き物もいたのではないでしょうか。また、指標動物とはされていないものの、ヤマメやアマゴ・アユ・オイカワ・コイといった魚類の生息状況でも、指標として判断されることもあります。

また、水質階級が高い環境の生き物たちは、それ以下の水質基準の場所では、見られなくなることが多くありますが、逆に水質階級が低い場所の生き物たちは、それ以上の水質基準の場所でも見られたりします。

例えば、水質環境Ⅲの指標動物であるミズカマキリが水質環境Ⅱの場所にいるなんて具合ですね。

水質調査に指標生物が用いられる理由

でも、水質調査って、専用器具とかを使ってやった方が、確実なんじゃないの?って思われたかもしれませんね。

もちろん、専用の器具を用いて、しっかりとその水質にどのような物質が含まれているのか、汚染状況を数値化し、科学的に結果を出した方がより細やかな調査ができるのも事実。しかしながら、やはり専門器具となると、それを扱うことのできる人材の確保や、器具自体にも結構なコストがかかり、なかなかコスト面や手間の面でも費用がかさんでしまってですね、また、突発性のある汚染流出であれば、それを測定するのはタイミング的にも難しいこともあり、こういった理由などから生物指標が用いられているというわけなんです。

ただ、指標動物もこの時期にはいるけど、この時期にはいない。例えば冬眠しているなど、季節などにも左右されることもあり、こちらにおいても、万事安定的に水質把握ができるというわけではなくて、やはり一長一短はぬぐえない事実といえます。

「指標」という言葉は正に的を得て妙といえそうですね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、指標生物っていったいどのような生き物なの?という疑問についてバッチリわかりやすく解説してみました。ただ、一つ、誤解していただきたくない点がございまして、水質Ⅳに生息している生き物が汚い生き物ということは決してなく、その水質にいる生き物たちはそういった環境にも生息できるよう、自らの種の生存を存続させるために適応していった結果の先にいるだけのことであり、そういった原因の大きな要因となっているのは、残念ながら私たち人間が便利さを追求・取得していった副産物ということなんですね。

なので、私たち人間も自らの種の生存を存続させるため、せっかく進化させてきた知能を駆使し、その両立がなんとかできるよう、できる限りのことをしていかねばですよね。ではでは、今回はこのあたりで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

参考・出典:環境省

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