こんにちは。えたばりゅです。
今回はアフリカに生息する、とある霊長類の仲間をご紹介したいと思います。アフリカに生息している霊長類といえば、ゴリラ・チンパンジーの2強をイメージされると思うのですが、もう一種。
ボノボっていう貴重な種が生息しているんですね。
では、早速ご紹介していきましょう。
ボノボ アフリカに生息する超穏健派類人猿の魅力を徹底紹介
ボノボは英名を「Bonobo」、学名を「Pan paniscus」という、ヒト科チンパンジー属に属する霊長類の仲間で、ヒト科に属する通り、私たち人間と非常に近い動物でございます。遺伝子レベルでいうと、約98%は私たち人間と同じ遺伝子を持っているんだとか。
ちなみにヒト科に属する現生の霊長類は私たち人間の他
- チンパンジー
- ゴリラ
- オランウータン
が現在のところ分類されております。
それにしても、上の画像をご覧になり、
え・・・ボノボって、チンバンさんじゃないの(;´・ω・)
って思われたのではないでしょうか。確かに外見は本当にソックリ・・・というか、チンパンジーそのもので、別名ピグミーチンパンジー(英名:Pygmy Chimpanzee)なんていう風に呼ばれていたりもします。
ちなみにこちらがチンパンさんのフォルム。どう見ても見分けつきませんよね。
事実、発見以来ボノボはチンパンジーの一種という風に解釈されていましたが、最近の研究でチンパンジーとは異なる別種であるということが立証されました。
まぁ・・・別種とはいえ、チンパンジーもボノボも同じチンパンジー属に属する霊長類。外見は見れば見るほど瓜二つな両者。
でもその性格には驚くほどの違いがあるんですね。
ボノボとチンパンジーの決定的な性格の違い
チンパンジーって結構動物園でも見るし、テレビでも人懐っこい様子が報道されるため、穏やかな動物としてイメージされているかもしれませんが、チンパンジーはもともと攻撃的な性格をしており、アフリカに生息する霊長類の中では、間違いなく一番気性が荒いといっても過言ではありません。
ゴリラって思ってる方もおられるかもしれませんが、ゴリラはあのイカツイ風貌とは裏腹に結構穏やかなんです。
チンパンジーは果物や木の実を食べているイメージが強いかと思いますが、チンパンジーも私たち人間と同じ、雑食性の動物。
果物や木の葉の他、他のサルや哺乳類を襲って食べたりすることも多くあるんです。
ただ、この辺りは食性の問題なので、一概に性格が攻撃的であるとは言えないところなのですが、チンパンジーは群れ同士が縄張りなどをめぐり、同種間での争いが頻繁に起こしています。つまりは戦争ですね。
またチンパンジーは子殺しをすることでも知られており、ライオンなどの子殺しと違う点は、同じ群れにいる幼体を殺すことがある事。つまり、自分の遺伝子が組み込まれている可能性がある幼体が殺されることがあるんです。
ライオンやクマなど、自らの遺伝子を遺すため自分の血が通っていない幼体を殺すことは自然界ではよくある事なんですが、チンパンジーの子殺しは必ずしもそれに当てはまらず、なぜチンパンジーがこういった子殺しという行為に及ぶのか、そのあたりの詳しいことはまだわかっていません。
このようなチンパンジーの性格に比べ、ボノボも雑食ゆえ、他の動物を捕食することはあるものの、チンパンジーのような同種間の争いは、現在のところほぼ見られません。
そのような性格を反映してか、ボノボの容姿はチンパンジーのそれとほぼ同じですが、チンパンジーと比較すると線が細くか弱い姿をしております。
ボノボとチンパンジーここまで性格が違ってきた理由
それにしても姿こそ、ほとんど変わらない容姿を持つこの両者がなぜゆえにここまで異なる性質を持つに至ったか、そのあたりはまだ科学的に立証はされていないのですが、考えられる理由の一つとして挙げられるのがゴリラの存在。
ボノボの生息地はアフリカでもかなり限定的で、コンゴ共和国中部。チンパンジーはコンゴ共和国北西部やウガンダ、ルワンダなど。
チンパンジーの生息地はゴリラと重なっている部分もあり、主食の一つである果実もゴリラの食性と競合しております。
ゆえに、チンパンジーは生きていくうえで必要不可欠な食糧を少しでも多く確保するため、少しでも広い縄張りが必要になり、同種間での争いが頻発するようになった可能性があります。
それに対しボノボはゴリラと生息地を共有しておらず、食料の確保がチンパンジーと比べると、比較的たやすく行うことができたため、同種間でこういった争いをする必要がなかったことが理由の一つとして考えられています。
このように正確に大きな開きのあるボノボとチンパンジーですが、その知能について違いはあるのでしょうか。
ボノボとチンパンジーその知性に差はあるの??
チンパンジーは飼育下ではもちろん、野生下でも木の枝を器用に使ってアリを釣ったり、固い木の実を割る時、石などを用いて殻を割って中身を取り出すなど、道具を使用することが知られていますが、ボノボに関しては道具を使用して食料を得るということは今のところ不明瞭です。
ただ、飼育下においてはボノボもチンパンジーと同じく、道具を使用することが証明されており、野生個体でもチンパンジーと同様、道具を用いている可能性は大いにあるといえます。
このように道具を用いて何か目的を成し遂げるということは高い知性を表しているといえますが、チンパンジー、ボノボ共にその知性はこんなものではありあません。
チンパンジーにおいてはジャンケンを理解するなど、テレビでもその知性の高さはよく取り上げられていますが、ボノボにおいても訓練の結果
- マッチを用いて火をつける
- さらに火を用いてマシュマロを焼く
といったことが可能で、本来動物たちは火を怖がることが多いので、これだけでもすごい事なんですが、更にはある程度の言葉を理解し、人間とコミュニケーションをとることもできます。もちろんボノボが人間の言葉を話すというわけではなくて、コミュニケーションの際にはキーボードを用いた会話ということになるのですが、これだけでもかなりその知性は高いといえますよね。
このようにボノボもチンパンジーに負けず劣らずの知性が備わっていることが現在までの研究で分かっており、その知性はまだまだ可能性が残されています。これからもっとすごいことができるボノボやチンパンジーが出てくるかもしれませんね。
減り行く私たちの仲間 ボノボとチンパンジー
このように私たち人間顔負けの高い知性を持ち合わせ、多くの可能性を秘めているボノボですが、チンパンジー同様その生息数においては芳しくなく、現在生息地の破壊や密猟などにより、減少しつつあります。
このようにIUCN(国際自然保護連合)が定めるレッドリストでは、どちらもEN(絶滅危惧Ⅰ B類)に指定されており、手厚い保護が必要とされております。手遅れになる前にしっかりと保全していかねばですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回はボノボという、チンパンさん、ゴリさん、ウータンさんに続く、もう一種の私たちの仲間をご紹介させていただきました。
実はボノボさん。もう一つ面白いというか、中々凄い一面も持ち合わせておりまして。ただ、こちらの記事はもしかしたら小学生ほどのお子様もご覧になってるかもしれませんし、ちょっとコンプライアンスの問題があって記事には出来ないんですがね。是非ご興味がおありならばその一面も探ってみて下さい。
ただ、良い子のみんなは大人になってからねw
では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。